読み切り短編2001 我が家の教育方針 By 太朗

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  俺は、田中太朗、36歳。北海道で牧場を経営してます。東京の畜産大学の1年の時、同じサークルの2年先輩の女性と「できちゃった結婚」をして、今は、18歳を頭に3人の男の子の親父です。

  長男の浩太は、親の期待に反して、大学には進まず、俺の先輩が経営する牧場に牧童として修行に出ました。先輩の牧童たちから、シゴかれてんだろうなぁ〜。

  そして、次男の浩次は15歳、三男の浩三は13歳です。次男、三男は、俺と一緒に住んでいます。

  俺の家のルールは簡単。「働かざるもの、食うべからず。」

  息子たちにも牧場の仕事を手伝わせます。そして、仕事をサボったり、手を抜いたりしたときは、夕食後、納屋に連れて行き、容赦なく息子たちのむき出しのケツを叩きます。カミさんには、そんなに厳しく叱らなくてもといわれますが、息子たちに怠け癖だけはつけさせたくないので、俺の教育方針を変えるつもりはありません。

  俺の家では、息子たちが12歳までは、俺の膝の上で、平手でケツを叩きます。しかし、13歳以上になったら、特製の革のムチで、ケツを叩くことになっています。

  今日は、その特製の革ムチを作りに、13歳になったばかりの浩三といっしょに、街の乗馬道具店へ行くところです。

  その道具屋の主人とは、俺の親父の代から懇意にさせてもらっていて、中学に入ったばかりの息子を連れて行くだけで、何を注文したいのかをすぐにわかってもらえます。

  早速、奥の部屋に通されて、三男のケツのサイズを測ってもらいます。ズボンとパンツを下ろすようにいったら、一丁前に恥ずかしがっています。もう、浩三も思春期なんですね。

「家で、俺からケツをたたかれる時と同じだから、恥ずかしくないだろ!」

ってからかったら、真っ赤な顔になり、ふくれ面をしています。

「ほら、道具屋のおじさんが待ってるんだぞ!さっさと、脱げ!」

といって、やっとズボンとパンツを脱がせました。股間には、チョロチョロと毛が生えてます。そろそろ、兄貴や友達の影響でセンズリを覚える年頃でしょうか。三男も順調に成長しているようで、親父としては、ひと安心です。

  道具屋の主人は、三男のむき出しのケツに、筆で墨を塗っていきます。感じるのか、息子のジュニアは、もうビンビンのようです。そして、型紙の上に座らせて、「ケツ拓」をとります。その型紙を元に、厚さ約1cmの鞣革を、息子のケツの形に合わせて、ひょうたん型に切って、そこにグリップを着けてもらい、三男専用の革ムチを作ってもらうのです。

「浩三君は、お兄ちゃん(次男のこと)より、大きくて、プリッとした逞しいお尻をしてますね。18歳まで使えるように、少し、大きめに作っておきましょう。」

といって、道具屋の主人は、息子専用の革ムチを完成させました。

  俺が、

「今日からは、与えられた仕事をサボったら、このお前専用のムチで、ケツをひっぱたくからな。」

と言うと、浩三ったら、真っ赤な顔で、

「俺は、兄貴たちと違って絶対に仕事さぼらないから、平気だよ!」

とむきになって言いました。その決意が長続きするとよいのですが。

  その革ムチの隅に、「浩三」とサインをさせて、牛舎の入り口のところにかけておきます。仕事をサボりたくなった時に戒めとなるように・・・



  今夜は、昨日の夕方の仕事をサボった罰として、次男の浩次のケツをひっぱたくことになっています。

  夕食は牧場で働いている牧童たちといっしょにとります。浩次ったら、ビビっている様子で、俺のほうをチラチラみながら、落ち着かない様子です。そんなにケツ叩きが怖いなら、仕事をまじめにやればいいのにと思います。

  それでも、男の子なんですね。学校の友達から誘われると断りきれなくなるらしくて、時間を忘れて、そして、当番の仕事があることも忘れて、暗くなるまで遊んで、帰ってこないこともしばしばです。その時は、「親父のケツ叩きなんて、どうってことない!」なんて、強がっているんでしょうね。

  夕食が終わると、俺は思いっきり厳しい声で、

「浩次!俺と一緒にちょっと来い!」

といって席を立ちます。カミさんには、

「ちょっと納屋で、浩次と話があるから。」

といいます。これが、我が家では、お仕置きタイムの始まりの予告となります。

  我が家のしつけ方法を知っている牧童たちも、みんなニヤニヤしています。「ほら、浩次君、泣くな!」なんて、牧童たちからは励ましの声も。すでに、浩次は、半泣き状態です。カミさんも、心配して「許してやれば・・」と、俺に目で訴えてきますが、浩次が当番をサボるのは、今月に入って三回目、絶対に許せません。今夜は、タップリと説教プラス尻打ちです。

  納屋につくと、まずは、俺が丸イスに座り、その前に浩次を立たせます。手を前に組んで、しっかりと浩次の目をみて、約20分の説教タイム。子供にとっては、長く感じるんですよね、この20分が。仕事と責任についてと、浩次がサボると牧童のお兄さんたちにどんなに迷惑がかかるかをわからせます。そして、自分がケツを叩かれる理由を納得させます。言い訳は、あっても、説教とケツ叩きが終わってから聞いてやる、というのが、父と息子の約束です。

  説教の次は、「さあ準備をしろ!」と命令します。浩次は、重い足を引きずるように、自分専用のひょうたん型の革ムチと、自分用の馬の鞍とその置き台を持ってきます。

  まずは、俺に、その革ムチを手渡します。そして、伏目がちに真っ赤な顔をして、ジーンズとブリーフを脱ぎ、鞍に自分の上半身を乗せて、ケツを突き出します。そして、無言のまま、俺は、その革ムチのグリップを握り、その革ムチを次男のケツに振り下ろします。

バシッ!

息子は、「痛い!ごめんなさい!」といいますが、俺はそれを無視して、二発目を振り下ろします。息子のケツにピッタリとあったその革ムチは、まんべんなく息子のケツを暖めていきます。

バシッ! バシッ! バシッ!

 10発を過ぎるころになると、

「もうサボりません。」

「まじめに仕事をします。」

「反省したから、もう、叩かないで!」

と、涙を流しながら必死で謝ってきますが、

「ダメだ!20発の約束だろ!サボった罰なんだから男らしく受けろ!」

といって許しません。

バシッ!

と最後の一発が次男のケツの双丘に容赦なく振り下ろされると、息子は起き上がり、必死になってケツをさすります。

 そして、右腕で涙をふき、グスグスと鼻をすすりながら、

「浩三(弟)や、兄ちゃんたちに(牧童のこと)、俺が泣いたこと絶対に秘密にしてよ!」

と、必死になって頼んできます。男の子って、そういう点、すごくプライドが高いんですよね。

「ああ、だれにも言わないから、心配するな!きちんと、片付けて家に戻って来い!」といって、俺は、「息子との話し合い」を終えて、一足先に家に戻ります。息子も、涙が乾く頃、みんなに気付かれないように、そっと戻ってきて、そのまま自分の部屋に逃げ込むことでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おはよう!」

 翌朝、何もなかったように、次男は元気に挨拶をして、仕事を手伝いに牛舎に来ました。

おわり

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