金サポコーチ誕生秘話
二、ゴリのブリーフ検査
チィ〜〜〜〜〜ッス。オレ、東和大付属第二高校・社会科教諭の藤本翔太ッス。
あのウワサは本当だったッス・・・まだ就職が決まる前、オレの「就職先候補」の東和付属二高の生徒について調べていた時ッス。「やっぱ、男子校生徒のウワサは、ネットの女子高生チャットでしょ!」と、とあるチャットの過去ログを検索していると・・・・
女子高生A子:「うちのお兄ちゃんがさぁーー、東和二高なんだけどーー、あそこ、いまどき、子供ブリーフなんだよ!校則なんだって!」
女子高生B子:「ウッソォ〜〜!それって、幼稚園の時、男の子がはいていた白いヤツ?」
女子高生A子:「そうそう!それ!」
女子高生C子:「もしかして、お尻にプーさんの絵が描いてあるんじゃない?キャハハハ!」
女子高生B子:「やっだぁーー!C子ったら!それは、オムツでしょう!」
女子高生C子:「やっだぁーー!キャハハハ!でも、似てるジャン!」
女子高生B子:「キャハハハ!まあね!」
女子高生D子:「あそこ、けっこう、イケメン多そうだけどぉーー、子供ブリーフ、ダッセェーー!」
女子高生A子:「そうそう、お兄ちゃんの友達、みんなけっこうカッコいいよ!スポーツも万能だしーー、この前の冬休みなんか、スキー教えてもらっちゃった!」
女子高生D子:「あ、いいなーー!」
女子高生A子:「でも、童貞率、99・9%だって!ダッセェーーーー!」
女子高生B子:「ウッソーー!でもーー、童貞君に子供ブリーフって、なんか、にあってなくなぁーーい?かわいいーー!」
女子高生C子:「にあってる!にあってる!なんか、かわいいーー!今度、東和二高の学園際みんなでいこーよー」
女子高生B子:「うん!いこう!いこう!」
女子高生A子:「子供ブリーフみれるかもしれないよ!うちのお兄ちゃん、サッカー部なんだけどーー、今度の学園祭でー、フィールドホッケー部と共同でー、コーヒーショップやるんだって!それで、一年生に子供ブリーフ一枚だけで、客引きとウエイターさせるんだって!」
女子高生D子:「キャハハハ!ダッセェーー!でも、みたーーい!学園祭!いこう!いこう!」
・・・ったく、最近の女子高生は、なに話してんでしょうね・・・でも、「子供ブリーフ」のウワサが本当であることを、オレ、つい先日、目の当たりにしてしまったッス・・・
それは、まだ右も左もよくわからなかった4月の月曜日だったッス。オレ、月曜日の二時間目は空き時間なんスけど、職員室で3時間目の準備をしてると、後ろでゴリがいきなりオレに呼びかけ たッス。
「藤本先生よ、暇そうじゃねぇーかー!ちょっとオレについてこねぇ〜かぁ?面白いもんみせてやっからさぁ・・・先生も二高の教諭なら、知っといた方がいいと思ってな・・・」
オレ、ぜんぜん暇じゃなかったッスけど、ゴリの誘いを断るほど、まだまだ根性座ってなかった ッス。で、オレは、
「はい!お願いします!勉強させていただきます!」
って、早速、ゴリについて行ったッス。
ゴリは、次の時間が体育らしく、上下ジャージに、そして、いつもの「竹刀」を持っていたッス。
「次は、オレが担任してる3Aの体育なんだけどよぉ・・・その前にだ・・・アイツらが着替えている間に『抜き打ち検査』なんだよ。さあ・・・今日は何人、引っかかるか、楽しみだぜ・・・」
ゴリはやけにうれしそうにニヤツきながら、オレにそう言ったッス。
この高校におけるゴリの「威光」はすごいッス。ゴリと廊下ですれ違うすべての生徒が、
「チワッス!」とか、「こんちわ!」
ってデカイ声で挨拶して、ペコリとお辞儀するんスよ・・・
「藤本先生よ!なんだんなぁ・・・男っつうのは下着が派手になると『雑念』がはいっからよぉ〜〜。高校生の場合(ばやい)、やっぱ、やばいよなぁ〜。」
「えぇ?」
一瞬、オレ、ゴリがなんのこと言っているのかわからなかったッス。
「だからよぉ〜〜、うちの高校では例外なし、アイツらのパンツは、白ブリーフで統一だ。少なくともここいる三年間は、俺たち教師が目を光らせて白ブリーフで我慢させる!雑念を追い払い、スポーツに熱中させる!それが俺たち教師の務めだからよ!なあ、そう思うだろ?藤本先生!」
「は、はあ・・・そう思います・・・」
と、とりあえず返事をするオレ。
「え!そうッスかぁ?俺の場合、白ブリーフはいてる時の方が、雑念入るッス・・・」
なんて、口が曲がっても言える雰囲気じゃなかったッス。
いやぁーー、みちゃったッスよーー。3Aの廊下側の窓はすべて開け放たれていて、ワイワイ・ガヤガヤ・・・体育の授業前の、いつもながらの男子着替え風景だったッスけど・・・一つだけ驚いたことに・・・
白・白・白・白・・・教室に雪が降ったみたいで、着替え中の教室はまぶしかったッス。
パンツはと言うと、白ブリーフのオンパレードだったッス!しかも、名前付ッス。やはりかなりの「お坊ちゃま」集団ッスねぇ〜〜、この東和二高っつうのは・・・ブリーフ・オンネームは、盗難事故防止のため、ゴリが導入した校則ッらしいス。
白ブリーフ、白ランニングシャツ、白短パン、そして、白体育上着ッス!まさに、白が四拍子揃ってるッス!
生徒たちは、「肉体派の二高」だけあって、みんな、なかなか筋骨隆々、ランシャツなんてもうピッチリで乳首が浮き出てるッス。それから、ケツなんか、もうプリプリでブリーフがやぶれてはちきれんばかりで、小麦色に日焼けした肌に、白の四点セットは、かなりまぶしかったッス!
ゴリとオレが、教室に入っていくと、急に教室はしぃ〜んと静まり返ったッス・・・
「アイツ、誰?」
「社会科の新任教師・・・」
「あ、そっか・・・」
「もしかして・・・ゴリの手下?」
「バァ〜カ・・・聞こえたらヤバイだろ・・・」
なんて、オレのことをかなりデカイ声でヒソヒソ話してるッス。 かわいいなぁーー。東和二高の生徒は基本的に全員「根アカ」なヤツらなんで、地声がデカクて秘密話には向かないッス。ちなみに、「ゴリの手下」ってのは、生活指導担当教諭のことを指す二高用語ッス。その時はまだオレ、生活指導担当ではなかったんで、「ゴリの手下」ではなかったッス。
「これから、お前らが、校則所定の下着をつけているかどうか、下着検査を実施する!!」
と、ゴリが教壇に立ち、威厳を持って宣言するッス。
すると、再び、教室はざわめき始め、
「エ〜〜〜!ウッソ〜〜〜!いきなりパンツ検かよぉ〜〜!」
「聞いてねぇ〜〜〜!」
「恥ずかしいぃ〜〜〜!」
「高三にもなって、パンツ検かよぉ〜〜!勘弁してよぉーー!」
って、かなりのブーイングだったッス。
特に、サッカー部主将の佐々木正彦君っていう子は、真っ赤な顔になって、
「先生!もうチャイムなってますよ!早く、体育始めましょうよーー!」
って言って、教室からグランドへ出て行こうとしたッス!
「コラァっ!誰がグランドに集合って言った?まだだ!授業は下着検査が終ってからだ!戻って来い!!」
って、もちろん、ゴリは怒鳴ったッス。
渋い顔して、
「マジかよ・・・キタネェ〜よ・・・今日、パンツ検なんて聞いてねぇーよー」
って、ブツブツいいながら、佐々木君は戻ってきたッス。
それから、すでに教室を出てグランドに行ってしまった数人の3Aの生徒も、ゴリの命令で、呼び戻されたッス。
いよいよ、「パンツ検」の始まりッス!
「よし!全員そろったな!じゃあ、短パンおろせーー!」
「えぇ〜〜〜!」
「恥ずかしいぃーーー!」
ゴリの短パン下ろしの命令に、最後の抵抗を試みる3Aの生徒たち。結構、かわいいッス・・・
「お前ら、キンタマついてんだろ!男だろ!オレにパンツみせるくらい、恥ずかしくないだろがーーー!」
ゴリもちょっと声を和らげつつニヤニヤしながら、短パンを下ろすように迫るッス。
「えぇ〜〜〜!」
「やだぁ〜〜〜!」
って、まるで駄々っ子みたいに短パン下ろしを渋る3Aの生徒たち・・・そりゃ、恥ずかしいッスよね・・・気持ち分かるなぁ〜〜!
「男らしく早く下ろせ!」
「えぇ〜〜〜!」
「早く、下着検査すませねぇーと、体育なしだぞ!それとも、一時間中、机の上に正座すっか?お前ら!」
とうとう、ゴリも脅しにかかって来たッス。
「やだぁ〜〜〜!」
「えぇ〜〜〜!」
の声もだんだん小さくなってくるッス。もちろん、教師歴20数余年、プロ教師のゴリは、ここぞとばかりに最後の一押しッス!
「よっし!みんなで一斉にさげれば、恥ずかしくない!さあ、短パン下ろせ!一斉のせっ、だ!さあ、一斉のせーーー!」
「いっせいのーーーせーーー!」
かなり嫌がっていたアイツらも、ゴリの先導の元、一斉に体育短パンを下ろしたッス!
その光景をザッと見渡すオレ・・・
白ブリーフ、白ブリーフ、黄色フロント染み付き白ブリーフ、白ブリーフ、
黄色フロント染み付き白ブリーフ、白ブリーフ、白ブリーフ、白ブリーフ、
ちょっと黄ばんだ兄貴のお下がりブリーフ(*><*)・・・・・
教室の自分の机の脇に起立している3Aの生徒が全員、体育短パンを下ろし、体育上着の裾を両手でめくって、教壇に立つゴリとオレに、ブリーフを見せてるッス。
これだけ、揃いも揃って男子高校生が白ブリーフはいていると、はっきしいって、壮観っスよね〜〜。オレは、目の前に展開している生まれて初めて見る光景に、やや興奮気味だったッス。
ゴリは、オレを教壇に残して、生徒の間を通り過ぎながら、一人一人の生徒のブリーフをチェックして行くッス。
「よし!」
「よし!次・・・」
「よし!」
「よし!しっかり名前かいてあんな!」
「よし!山田ぁーー、パンツくらいマメに洗濯しろ!前がマッ黄色じゃねぇーか!」
「は、はい・・・」
「よし!次・・・」
「コラ!クラス名と名前が消えかかってるぞ!盗まれたらどうする!今度までに書き直しとけ!」
「は、はい・・・」
「誰も盗まないっつうの!」(←クラス全員の心の叫び!)
「よし!」
ブリーフ検査がすすむ中、オレは、少し冷静になって、生徒全体を見回したッス・・・
すると、あ〜〜〜、やっぱオレの予感は当たっていったッス。真っ赤な顔して、体育上着の裾を上げずに前のヤツの影に隠れるようにして立っているヤツが一人・・・
あきらにソイツのパンツは、ブリーフじゃなかったッス・・・グリーン系のトランクスで、ミッキーマウスの小さな絵柄がブリーフ全体についているヤツだったッス。
もちろん、見逃されるハズはないッス・・・
「佐々木!お前が今はいている下着は、校則所定のものか?」
「い、いえ・・・違います・・・」
「佐々木!校則違反だな・・・」
「は、はい!」
「佐々木!お前ももう一年のガキじゃねぇ〜〜んだ!どうなるか、わかってんだろうな?」
「は、はい・・・・」
「じゃあ、すぐ、便所いって、これに着替えて来い!ダッシュだ!」
なんとゴリが佐々木君に手渡したのは、ゴリのジャージのポケットに入っていた、白ブリーフだったッス・・・
佐々木君は、クラス中の視線を一身に受けて、真っ赤な顔をして短パンを穿き直し、
「チェッ!やられたよ・・・みんな・・・キタネェ〜よ・・・」
とブツブツ言いながら、教室を出て行くッス。
「佐々木!男らしくねーぞ!なんか文句あんのかぁ!!!あるんだったら、堂々と言え!」
と、不満を口にする佐々木君に、ゴリが一喝するッス。
佐々木君は、振り向きもせず、
「いえ、文句ないッス・・・」
って、吐き捨てるように言うと、バチンと教室の横開きドアを締めて、トイレの方へ行ったッス。
耳まで真っ赤な佐々木君の後姿を、クラスの数名が笑っているのを、オレは見逃さなかったッス・・・イジメなのだろうか・・・でも、佐々木君は、サッカー部の主将ッス。男子校の運動部・部活で、主将になるヤツはクラスでもかなり人気あるはずッス・・・そんなことを思いながら、これから佐々木君は、ゴリからどんな罰を受けるのか・・・オレの心臓の鼓動は、いやがうえにも、高鳴っていたッス。
・・・・・・・・
しばらくして、佐々木君が、トイレから戻ってくると、ゴリは、すかさず、
「佐々木!校則違反のおしおきだ!覚悟はいいな!」
「は、はい・・・」
「じゃあ、短パン脱いで、廊下に出ろ!短パンは、おしおきが済むまで、オレが預かる!」
「は、はい・・・」
クラス全員、佐々木君がどうなるかわかっていたはずッスけど、それでも、ゴリの「短パン脱いで廊下に出ろ!」には、かなりのざわめきが教室から起こったッス。
佐々木君は、短パンを脱ぎ、その短パンをゴリに渡すと、今まで以上に真っ赤な顔で、教室を出て、廊下に出たッス・・・ もちろん、佐々木君は、さっきゴリから受け取ったスクール・白ブリーフをはいていたッス。
オレは、教壇に突っ立ったまま、もう手に汗握って、その光景を追っていたッス。
ゴリも佐々木君の後について、教室を出ると、佐々木君に、
「よし!佐々木!おしおきだ!ケツを出せ!」
って、命令したッス。
「ケツを出せ!」の命令に、再び教室がざわめき、教室中のあちこちから、
「出たぁーーー!」
「久々、ゴリのケツ竹刀!!」
「パンツ一丁だぜ!強烈!」
って、ちょっと興奮したような声が、聞こえてくるッス。
オレは、再び、教室中をザッと見渡したッス・・・すでに、全員、短パンを上げている3Aの生徒たち。佐々木君に同情したような表情のヤツ、ニヤニヤ笑ってるヤツ、無視するかのように机に座って漫画読んでるヤツ・・・生徒たちの表情は様々だったッス。
しかし、教室全体は、なにか異様に興奮し緊張したような雰囲気に包まれていたッス。
そして、オレは、アイホが「ちくしょーー、ゴリのこといつかボコボコにしてやりてーー!」って言ってたのが、決して、大袈裟ではないことを目の当たりにさせられることになったッス・・・
佐々木君は、ゴリの命令を受け、教室・廊下側の開け放たれた窓枠下部のスライディング部分に手をつき、握るようにすると、両足をかなり広めに開き、ケツを出したッス。右手には、あのグリーンのトランクスを持ったままだったッス。
すなわち、顔は教室側に出し、ケツは廊下側ッス。
廊下のゴリは、竹刀をまるでバットを持つように両手で握って、佐々木君の突き出されたケツの左側に、スタンス決めて立ったッス。
「よし!佐々木!ケツ三発だ!校則まじめに守ってったクラスの連中に詫び入れろ!」
「はい!お願いします!」
真っ赤な顔でも、どうにか気合入れて挨拶する佐々木君。それは、ゴリに対する負けないぞという反抗心かもしれないッス。
「よし!行くぞ!」
と、ゴリは宣言すると、竹刀を後ろに振り上げ、思い切り腰を入れて、その竹刀を佐々木君のスクールブリーフに包まれたケツに振り下ろすッス!
ブゥ〜〜〜ン!
と音がしたかと思うと、
パァ〜〜〜〜ン!
と甲高い音が、廊下に、そして、教室に響き渡ったッス。
「お〜〜〜〜〜!」
と思わず、教室からは感嘆が漏れるッス。
思い切り目をつむって、顔を歪めている佐々木君。ゴリの竹刀に、そうとうこたえている様子ッス。
「どうした!佐々木!ギブアップかぁ?」
と、ゴリが後ろから、まるで勝負を挑むような口ぶりで佐々木君に声をかけるッス。
クラスの連中は、
「フルだよ・・・フル・・・」
「今のは入ったぁーーー」
って、口々にささやきあっているッス。
佐々木君が、やっと目を開き、口パクで「畜生!」ってつぶやいたッス。そして、デッカイ声で、
「3年A組7番佐々木正彦です!今日は、ブリーフを穿いてきませんでした!あしたからは、かならずはいてきます!すいませんでした!」
って叫んだッス。そう、校則破りに対する、ゴリのお仕置きは、ケツ殴られるごとに、窓から顔を出して、クラスのヤツらに詫び入れする、屈辱の仕置きッス。
クラスの連中は、
「イィ〜〜〜ス!」
って、佐々木君の詫び入れに応えるッス。
再び、佐々木君は、
「ありがとうございました!」
と叫ぶッス。
しかし、約束はケツ3発。まだまだ2発残ってるッス。
ゴリは意地悪く、
「ほら、佐々木・・・どうした・・・まだみんな許してくれてねぇ〜〜ぞ!詫びがたらねぇ〜〜って言ってんのがきこえねぇ〜〜のカァ?」
って、佐々木君に言い放つッス。
「ゴリ・・・超・陰険だよ・・・」
ってささやきが、クラスから聞こえてくるッス。
「はい!お願いします!」
とデッカイ声で言うと、佐々木君は、窓枠のスライディング部分をギュッと握り直して、ズキズキ痛むブリーフのケツを、後ろにキュッと突き出したッス。
「いくぞ!歯をくいしばれ!」
ブゥ〜〜〜ン!
と鈍い音がまたして、
パァ〜〜〜〜ン!
と、佐々木君のケツに、ゴリの竹刀が着地した音が再び響いたッス。
「お〜〜〜〜!」
と、教室からはどよめきが・・・
「『お〜〜〜!』じゃねぇ〜〜よ・・・今日の竹刀・・・マジ、痛てぇ・・・」
と、サッカー部の仲間に口パクで言おうとしている佐々木君ッス。
「アイツ・・・マジ、痛がってるぜ・・・」
「フルだって教えてやれば・・・」
サッカー部の仲間の一人が、「フル!フル!」ってさかんに口パクで、今日のゴリの竹刀は、フルスイングであることを知らせるッス。
「畜生!」といわんばかりにくやしそうな顔をして、
「3年A組7番佐々木正彦です!今日は、ブリーフを穿いてきませんでした!あしたからは、かならずはいてきます!すいませんでした!」
と、気合を入れて詫び入れする佐々木君ッス。
クラスの連中は、
「イィ〜〜〜ス!」
って、佐々木君の詫び入れに再び応えるッス。
再び、佐々木君は、
「ありがとうございました!」
と叫ぶッス。
しかし、ゴリは、また意地悪く、
「まだまだ、だなぁ?まだまだ詫びが足らねぇーよな!みんな!」
って、今度はクラスの連中に振ってくるッス。
思わず本音か・・・
「イィ〜〜〜ス!」
って、クラスの数人が口走ったッス。
「あ、しまった!」
と思って、真っ赤な顔になるクラスメート数人。教室には、なんともいえない、シラァ〜〜とした気まずい空気が流れるッス。
ゴリはうれしそうにニヤリとすると、
「ラスト!いくぞ!歯を食いしばれ!」
って、三発目の宣言を佐々木君にしたッス。
佐々木君は、けなげにも、窓枠のスライディング部分を、三度、ギュッと握り締め、ケツを後ろにプリッと突き出すと、
「はい!お願いします!」
と、ゴリに、屈辱のお仕置き請願をするッス。
ゴリは最後の一発とあって、竹刀をいままで以上に高く後ろへ振り上げて、それを思い切り佐々木君のブリーフのケツに振り下ろすッス。
ブゥ〜〜〜ン!
パァ〜〜〜〜ン!
「お〜〜〜〜〜〜!」
「あ〜〜〜〜〜、きいたぁ〜〜〜〜」といわんばかりに、口を大きく開け、目をギュと閉じてグッとケツの焼けるような痛みを我慢している佐々木君ッス。
「どうした!佐々木!クラスの連中が待ってんぞ!」
と、ゴリは、佐々木君に挨拶を要求ッス。
「ちょっと待ってやれよーー」
と、再び、ゴリに反抗するようなささやきが教室内から聞こえてくるッス。もちろん、ゴリは、廊下にいるので聞こえないッス。
しばらくつらそうにギュッと目を閉じていた佐々木君が、カッと目を見開いたッス。目は、涙がウルウルで光ってたッス。
そして、佐々木君は、「ゴリには絶対負けねぇ〜〜!」といわんばかりのデッカイ声で、
「3年A組7番佐々木正彦です!!今日は、ブリーフを穿いてきませんでしたぁっ!!あしたからは、かならずはいてきます!すいませんでしたぁっ!」
って、叫んだッス。
ゴリが、「もう一発」と言い出しかねない雰囲気なのを察知してか、教室からは、サッカー部の連中が率先するように、
「イィ〜〜〜ス!」
の応答があり、そして、
パチパチパチパチ!パチパチパチパチ!パチパチパチパチ!
と、拍手がわきおこったッス。
佐々木君は、 仲間の拍手に安心したような顔つきで、頬っぺたをプッとふくらませてから息をフッと吐くと、
「ありがとうございました!」
と叫けんだッス。やっぱ、男子校は、いいッスねぇ〜〜!
その教室の反応に、ゴリは、「仕方ねぇ・・・今日はこのくらいしとくか・・・」とつぶやくと、
「佐々木、そのトランクスは没収だ!それから、お前のブリーフに名前を書く!こっちへ来て、両手は後ろにしてフロントを突き出せ!」
と命令したッス。
佐々木君は、
「はい!」
と返事をすると、痛そうにケツをさすりながら、しゃがんだゴリの前に突っ立って、やや股間を前に突き出すようにしたッス。
ゴリは、
「今度からは、真面目にブリーフはいて登校してこいよ!」
といいながら、佐々木君のスクールブリーフのフロント部に、
「6A 7 佐々木」
って、オンネームしたッス。オンネームの最中、佐々木君は、つらそうにずっとケツをさすってったッス。
「先生・・・これ、やっぱ、没収ッスかぁ・・・」
って、なにか懇願するようにゴリに言う佐々木君。
しかし、オンネームが終ると、ゴリは、
「あたりめぇ〜だろ!グズグズ言ってねぇ〜で、はやくよこせ!」
と、佐々木君の右手からトランクスを奪うように取り上げると、
「グランドに集合!遅れんなよ!」
って、グランドに集合することをクラスに命令したッス。
教室から次々と体育の授業のためグランドへと出て行く生徒たち。オレは、暫くの間、その場に立ちすくしてしまったッス。
ゴリの迫力、生徒掌握術、生徒叱責・懲戒術・・・どれをとっても、ゴリのすごさに感動したオレだったッス。
後日談ッスけど、その日の放課後、佐々木君は、校舎裏のゴミ焼却炉で、佐々木君から没収したトランクスを燃やそうとしていたゴリに、土下座して頼み込み、そのトランクスを返してもらったって話ッス。そのトランクス、なんと、ディズニーランドのお土産売り場で、佐々木君の彼女が買ってくれたミッキーマウスの柄入りトランクスで、佐々木君にとって「命!」な代物だったらしいッス。
ゴリが佐々木君に提示した交換条件は、「自主ボーズ」・・・翌日、サッパリ、ボーズ頭にした佐々木君、サッカー部の連中にスキンシップの「坊主頭触り」をされて、なんか照れくさそうだったッス。
オレにとって、東和二高のヤツラがまた少し好きになった事件でした!