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「色柄を持たないパンツはく山崎すぐると、彼の担任の中村大悟」番外07頭髪検査と懲罰床屋1980のスピンオフ

「大悟の兄貴・圭悟と県立一高の仲間たち」 パート5 プチスぺシャル 荒井監督の苦労話

関連スピンオフ 1981 兄貴もつらいぜ!!敗戦のロッカールーム 喧嘩ありバージョン 第3節 において、県立一高・野球部監督の荒井先生が3浪の末進学した帝都経済大学において、硬式野球部で年下の先輩からケツバットを受けた3行エピソードに関連して、皆様からのリクエストの多かった「先輩・後輩 逆転スパ話」を書きました。楽しんでいただければ幸いです。 

 

<プロローグ>

 帝都経済大学・体育会・硬式野球部は、帝都・大学野球リーグでは、第二部リーグと第三部リーグを行ったり来たりのレベル。たとえ、そこでレギュラー選手になれたとしても、プロ野球や社会人野球へと進むことは難しかった。

 一方、硬式野球部には独自のスポーツ推薦入学による入部枠がなかったため、一般入試(一般推薦入試を含む)で入学してくる学生でも硬式野球部の門を叩くことができるため一定に人気を維持しており総部員数は常時100名程度であった。体育会・硬式野球部での四年間の経歴は、レギュラー、非レギュラーを問わず、就職には大いにプラス要素となる、そんな時代であった。

 もちろん、入部希望者全員に野球の実力を測定するセレクションが課され、そのセレクションに合格した者のみ入部が許可(定員は1学年30名。)されるため、全くの野球未経験者の入部は、事実上不可能ではあった。

 

 4月中旬。そんな帝都経済大学・体育会・硬式野球部・青雲寮・監督室で、その年の体育会・硬式野球部・入部希望者の最終選考が行われていた。この最終選考を通過できれば、体育会硬式野球部に入部が認められ、青雲寮で四年間の寮生活を送ることになる。

「こいつ、三浪でしょう?本気なんですかねぇ?」と、山下コーチが入部希望者の荒井元親(あらい もとちか)学生の入部希望届を見て疑問を呈する。

「でもセレクションの成績は入部希望者中トップですよ。」と、水沢コーチ。

「投手希望か・・・こいつなら、夏合宿で実力をアピールできれば、悠々、レギュラー入りできる可能性もあるな・・・これは面白くなりそうだ。」と横内監督。

「えっ、監督はこの学生の入部を本当に認めるつもりなのですか?」

「ああ、そのつもりだ。キャッチボール、遠投、ノック、ベースランニング、バッティング。セレクションのすべて種目でバランスよく高得点を上げている。入部を拒む理由はないだろう。」

「しかし、監督、3浪しているということは、今の4年生と年齢が同じ、2、3年生のほとんどが、年下ですよ。そんなヤツが入ってきて、うまくやっていけるんですかね?うちの部は、全寮制ですし・・・。」

「そこが心配か・・・ならば、君ら二人と私が、この学生と面談したうえで、最終決定するというのはどうかね?それならばいいだろう?」

「ええ・・・監督がそこまでおっしゃるのであれば、異存はありません。」

「水沢君は?」

「もちろん、私も異存ありません。」

「よし、それではこの学生と面談することにしよう。それで問題がなければ入部を許可することにする。」

 

<先輩の土下座>

「先輩!!お願いですから、いますぐ退部届を出してください!!」 

 帝都経済大学・体育会・硬式野球部に入部が決まった1年生の荒井の前で、硬式野球部2年生の辰巳伸介(たつみ しんすけ)が頭を下げている。二人とも、昔ながらの学生服姿。荒井は、高校時代の学ランを着ていたため、ややピチピチの学ラン姿だった。

「そ、それは・・・」

「3浪の先輩がいまさら硬式に入部するなんてむちゃですよ!!部の先輩たちは、全員、先輩が県立商業のエースだったことも知っているんですよ!!どんな目にあうか、わかりきってるじゃないですか!!」

 辰巳伸介は、県立商業・硬式野球部時代の後輩で、夏までの数か月間だったが、荒井から直接指導を受けた後輩の一人だった。先輩の飲酒事件で、すでに夏の甲子園が絶望的となり、多くの同期が退部していくなか、荒井だけは部に残って、後輩たちを指導していた。部の立て直しを図るべく、特に、将来がある1年生たちを、小島監督とともに、厳しくシゴいていた。 

 そんな中、辰巳伸介は、当時、県商・野球部でレギュラーに入れるほどの実力はなかったが、その分、勉強にも力を入れたのか、野球部2年半の部活経歴を武器にして、帝都都経済大学の一般推薦入試(商業高校からの指定校推薦)で現役合格を果たしていた。

「3浪の先輩か・・・」と苦笑いする荒井。

「し、失礼しました・・・自分がいいすぎました・・・じ、実は、今日、寮の新年度・部屋割りが発表されたんです・・・ピッチャー候補の先輩は、自分と、3年の先輩と同部屋です・・・せ、先輩は、自分の奴隷になるんですよ!!」

 後輩の「奴隷」になる。それは荒井にとって確かに重い言葉だった。しかし、それを聞いた荒井は、いきなり土下座し、前に立つ辰巳に、

「辰巳先輩!!今日から、自分を先輩の奴隷にしてやってください!!よろしくお願いします!!」

と言って、頭を下げるのだった。

「えっ・・・そんなの、無理っすよ・・・早く、頭上げてくださいよ・・・やばいッスよ・・・先輩のこと奴隷扱いするなんて・・・自分には無理ッスよ・・・ぜったい・・・」

 辰巳は、そうつぶやくように言いながら、いつまでも土下座して頭を下げている荒井のもとから逃げるように、その場を立ち去るのだった。 

 

<辰巳先輩の気持ち>

 辰巳にとって、県立商業・硬式野球部時代2年半の想い出は、一生の宝ともいえるほど大切なものだった。特に、レギュラーこそ取れなかったものの、新3年生の春、そして、3年生の夏と、同期が甲子園へ行ったことが、辰巳にとっても、誇りになっていた。

 1年生の時の、監督、そして、荒井を初めとする3年生の先輩たちの指導は厳しいものがあったが、それも今となってはいい思い出の一つであった。

「荒井先輩、厳しかったけど・・・いい先輩だったよな・・・」

 思い返せば、高校で初めて食らったケツバットも、荒井先輩のものだった。しかし、荒井先輩を恨む気持ちなど、これっぽちも持っていない辰巳だったのである。

「あーー、オレが部をやめたいくらいだよ・・・どうすればいいんだ・・・」

 そんなことをつぶやきながら、青雲寮への道を戻る辰巳を、水沢コーチが呼び止める。

「おい、辰巳。浮かない顔してどうした?荒井って1年生のことか?」

「こ、こんちわッス、コーチ。ええ、自分、あの人の高校時代の後輩なんですよ・・・」

「だったら、どうした?」

「えっ?自分、あの先輩には高校時代、育ててもらった恩があるんで・・・あの先輩のこと教育するなんて、できないッス・・・」

「恩がある・・・だったら、いまが、先輩にその恩返しをするいい機会じゃないか。おまえが去年、青雲寮で教育されたことを、そのままアイツに伝えてやればいい、他の1年生と分け隔てなくな。」

「えっ・・・そんなことしたら、自分、恨まれちゃいますよ・・・」

「大丈夫だ。アイツは、純粋に野球がやりたくて入部してきたんだ。その気持ちが、面談でオレたちに伝わってきたから入部が許可された。だから、仲間に入れてやれ、おまえらのいままで通りのやり方でな。」

「そ、そう言われても・・・」

「ワハハハハ!!大丈夫、大丈夫、そう心配するな!!」

 そう言って水沢コーチは、辰巳のケツをポンポンと2,3度軽く叩くと、笑いながら行ってしまうのだった。

「ったく・・・笑いごとじゃねぇよ・・・水沢コーチも他人事だと思って・・・」

 そんなことをつぶやきながら、青雲寮へと戻っていく辰巳。しかし、水沢コーチの笑い声を聞いて、さっきよりも少しだけ気持ちが軽くなった辰巳だった。

 

<荒井監督の苦労話 居眠りの罰>

「おい!!荒井!!」

「・・・・」コクリ・・・コクリ・・・。

「おい!!荒井!!居眠りしてんじゃねーよ!!」

「オ、オッス!!すいませんでした!!」

 青雲寮5階の503号室で、正座しながら居眠りをしてしまった、1年生硬式野球部員の荒井が、2年生の辰巳に怒鳴られる。

 帝都経済大学・体育会・硬式野球部では、部員全員が青雲寮で団体生活を営む。1年生の新入部員・30名全員は、夏合宿前まで、非レギュラ−の2・3年生と同部屋で過ごし、部屋子として寮そして野球部でのしきたりを叩きこまれる。

 夕食後は、先輩が寝るまで、1、2年生は、部屋に正座して待機し、先輩からの命令に備える。3年生が寝れば、次は、2年生の自由時間。一方、1年生は、そのまま正座して待機。2年生の命令に備える。そして、2年生が寝た後、やっと1年生の自由時間となる。午前1時を回ることもある。そうなるともう風呂に入って寝るだけの時間と体力しか残っていない。

「ったく、荒井は奴隷のクセに居眠りこいてたのか!!辰巳!!教育がたりねぇーぞ!!」

 同部屋の3年生、野口が、辰巳を叱る。

「オッス!!教育、お願いします!!」

と、辰巳は立ち上がり、部屋におかれていた野口用のノックバットを両手でもって、それを先輩の野口に差し出す。

「ったく・・・こっちは疲れてんだぞ!!」

 そう不満そうに言いながらも、野口は、そのノックバットを受け取り、辰巳に向かって、

「よし!ケツ出せ!!」

と命令する。

「オッス!!お願いします!!」

と言い、3年生の前で正座し直していた辰巳が、立ち上がって、後ろを向き、万歳し、後ろにケツを突き出す。

 辰巳は、濃紺のジャージ姿。上着の胸の部分とジャージパンツの腰のところには、体育会・硬式野球部・辰巳と刺繡がほどこされている。サイドのホワイトラインは、2年生で一本。非レギュラーなので、背番号はない。

 野口は、ノックバットを構え、辰巳のジャージのケツに丸く二カ所ある、濃紺の生地が擦れて薄くなっているところめがけて、バットを思い切り振り下ろす。

バン!!

「うぅ・・・あ、ありがとうございました!!」

 辰巳がデカい声を出したときのツバが、荒井の顔に飛んでくる。自分のミスで、2年生がケツバットを受ける。青雲寮でのそのしきたりが、荒井を苦しめる。もちろん、次は、荒井が2年生の辰巳先輩から罰を受ける番だ。荒井はケツバットを覚悟する。

 しかし、辰巳は、3年生の野口先輩に、

「オッス!!奴隷を再教育させていただきます!!失礼します!!」

と言うと、荒井の方を向き、

「おい!!荒井!!ジャージ脱げ!!」

と命令するのだった。部屋の先輩からは、苗字で読んでもらえるだけ、まだましだった。他の部屋の先輩からは、「おい!!503!!」と、部屋番号で呼ばれるのだった。

 1年生の荒井は、立ち上がり、

「オッス!!失礼します!!」

とあいさつすると、濃紺のジャージを脱ぎ捨てる。2年生との違いは、サイドラインが全くないことだった。

 白ブリーフと白ランニングシャツ姿で直立不動の姿勢となった荒井に、辰巳先輩は、

「バカ野郎!!シャツとパンツもだ!!」

と命令する。

 再び、荒井は、「オッス!失礼します!!」の応答よろしく、白ブリーフと白ランニングシャツをすばやく脱ぎ、荒井にとって寮内で唯一のプライベート空間である、二段ベッドの下段の自分の就寝スペースへと放り投げる。

 辰巳先輩の前で、フリチンで直立不動の姿勢をとる荒井。よく鍛えられた筋肉質の21歳男子の胴体。胸と背中には、極太油性黒ペンで、「503」と部屋番号が描かれている。それは一年奴隷の恥辱の刻印だった。

 野球で鍛えた尻は丸くプリッと盛り上がり、両腕・両脚も、3浪したのがウソのような逞しさである。首から上は、やや首が短く、どちらかと言えば、丸顔で、奴隷らしくしっかりバリカンで刈り込んだ坊主頭がよく似合う。よく日焼けして精悍な顔立ちながら、ひげを剃る暇もないのか、無精ひげがやや目立っていた。

 しかし、3年生の野口は、荒井のその鍛えられた体躯ではなく、荒井の立派に成熟した股間のズル向けのイチモツと、密林のように生えそろったチン毛に、男として嫉妬を覚える。

 辰巳の後ろから、3年生の野口先輩が、ニヤニヤしながら、

「ったく、こいつ、奴隷のクセにチン毛生やしてやがるぜ!!おい、辰巳!!奴隷教育が足りねーぞ!!」

と、辰巳を𠮟りつける。

 またケツバットされてはかなわんと、まだじんわり痛いケツをさすりたいのを我慢して、辰巳先輩は、荒井に、

「おい!!荒井!!いますぐ下に行ってチン毛剃ってこい!!」

と命令する。

「オッス!!失礼します!!」

と挨拶すると、荒井は、急いで、自分の洗面用具から、安全カミソリとシェイビングフォームを取り出すと、部屋のドアの前に立ち、

「オッス!!一年荒井!!チン毛を剃って参ります!!失礼します!!」

と言って、部屋を出て、ダッシュで一階の浴場へと向かう。

 胸と背中に「503」とマジックでデカデカと描かれている以外は、生まれたままのフリチン奴隷の荒井。階段、廊下、あらゆるところで、すれ違う先輩たちが、あざけりの目で、荒井を見る。

「あっ、アイツだ・・・3浪したヤツだ・・・」

と、年下の先輩たちのヒソヒソ話が、荒井の背中に突き刺さる。荒井は、この屈辱から早く逃れたくて、一目散に階段を降りて、風呂場へと向かうのだった。

 

 風呂場の入り口で、

「オッス!!失礼します!!」

と挨拶する荒井。万が一、先輩が脱衣場にいた場合に備えてだ。

 脱衣場には、ジャージ姿の2年生が一人、ノックバットを持って、ニヤニヤしている。この時期、寮内のいたるところに、「奴隷教育用」のノックバットが置いてある。

 荒井は、2年生の先輩の嘲りの視線を痛いほどに感じながら、浴場へのガラス扉の方へ向かう。しかし、その扉がガラリと開き、数人の3年生部員が、風呂からでてくる。全員、タオルは手に持っているのものの、前を隠している部員は一人もいない。3年生の先輩たちも、荒井と同じ、フリチンだった。ただ一点、極太油性マジックで胸と背中に部屋番号が描かれていない点をのぞいては・・・。

 3年生部員の一人が、荒井に怒鳴る。

「おい!!503!!ここでなにしてる!?」

「そうだ!!奴隷が風呂に入れる時間じゃねーぞ!!」

「おい!!福田!!教育しなかったのか!!」

 ジャージ姿でニヤニヤして立っていた福田を叱責する3年生もいる。  

「オッス!!503はオレが制止するのを聞かずにそちらへ行きました!!」

 福田のウソに、思わず、福田の方を見てしまう荒井。

「なんだよ!!その目は、奴隷のクセに生意気だよ!!」

と言って、手で持っていたバットで、荒井のケツを小突く2年生の福田。

「オッス!!すいませんでした!!」

と謝る荒井。

 そんな荒井に、そこにいた3年生の一人である吉原が、

「こいつさー、オレと同じ県の出身で、商業高校通っていたヤツなんだけどさー、その高校、野球しかできねぇバカばっかなんだぜ!!」

と、荒井の出身高校のことを蔑むのだった。

「ワハハハハ!!マジ!!だから3浪もしたんだな!!」

「言えてる!言えてる!!ワハハハハ!!」

「ちなみに、オレ、コイツと同じ県の県立一高出身、公立では一番偏差値高いんだぜ!!だから、現役合格!!」

「おーーーー!!」

 荒井は、自分の出身高校をバカにされたことで沸々と怒りがこみ上げてくる。3浪したことをバカにされたことよりも何百倍も悔しかった。

「おまえさ、オレたちより一コ上だろ!!ハハハハ!!」

「オ、オッス・・・」

「せんぱーい、なんで甲子園いけなかったのか教えてくださいよ!!」

「・・・・」悔しくて、なにも応えることができない荒井。

「結局、バカだったからでしょ?監督のサイン、覚えられなかったとか!!ワハハハハ!!」

「いえてる、いえてる!!ワハハハハ!!」

 荒井は、悔しくて悔しくて、両拳をグっと握りしめる。自分の前にいる3年生3人をいますぐにでも殴り倒したい気持ちだった。しかし、同時に、自分が居眠りしていたために、自分の目の前で、野口先輩からケツバットを受けた、高校時代の後輩である辰巳先輩の顔を思い出して、グッと堪えるのだった。

 3年生たちは、荒井の悔しそうな顔つきを、嘲り笑いながら、

「オイ!!福田!!!503のことしっかり教育しとくんだ!!いいな!!」

と言い残して、堂々としたフリチンのまま、脱衣場から出ていくのだった。

 2年生福田は、サディスティックな目で上から下までなめまわすように、己の前に直立不動で立っている荒井のことを眺める。そして、

「いいか!!今度、奴隷がチン毛を剃る時は、便所に直行しろ!!」

と、奴隷教育をする。

 そして、荒井が、「オッス!!すいませんでした!!」と言うと、満足そうにうなずき、

「よし!!ケツ出せ!!」

と、命令する。 

「オッス!!教育、お願いします!!」

 きびきびとした動作で、回れ右して万歳し、福田先輩のノックバットの前に生ケツを差し出す荒井。

「503!!いくぞ!!」

ベチィ〜〜〜ン!!

 福田先輩のフルスイングが、荒井の生ケツを強襲する。

「あ、ありがとうございました!!」

 容赦のない脳天まで響くケツバット。2年生は、1年前に奴隷として先輩から受けたケツバットのお返しを、今年の1年生の生ケツにする。どの2年生もバカ力で1年奴隷のケツを殴ってくるのだ。さすがの荒井も、涙目となり、苦しそうに、ただただ上を向いて、ケツの痛みが和らぐのを待つしかなかった。

 福田先輩からの奴隷教育を受け終わると、 「お先、失礼します!!」の挨拶よろしく、荒井は、脱衣場を出て、ダッシュで隣の便所へと向かう。もちろん、便所の前でも、上級生の先客がいることに備えて、デカい声での「失礼します!!」の挨拶だ。

 そして、荒井は、便所の中に誰もいないことを確認して、大便個室の一室に逃げこむように入り込み、そこで己の股間にシェービングホームを塗りたくり、安全カミソリで、己のチン毛をすべてそり落とすのだった。荒井の目からぽろぽろと涙がこぼれてくる。しかし、感情が爆発してしまうのをグッとこらえて、トイレットペーパーを引きちぎり、涙をぬぐい、己の股間に残ったシェービングフォームをふきとるのだった。

 

「失礼します!!荒井!!戻りました!!」

 荒井が503号室へ戻って来た時には、部屋を出てからかれこれ20分近い時間が経過していた。

「おっせーよ!!」

と、ベットから出てくる3年生の野口先輩。2年生の辰巳先輩は、さきほどと同様に、正座して待機していた。

 野口先輩は、ニヤニヤしながら、辰巳先輩に、

「おい!!奴隷をオレの前に立たせろ!!」

と命令する。そして、辰巳先輩は、荒井に、「野口先輩の前に立て!」と命令する。

「オッス!!失礼します!!」

と挨拶し、野口先輩の前に直立不動の姿勢で立つ荒井。

 そんな荒井を上から下まであざけるように眺めながら、野口先輩は、荒井のツルツルになった股間のところで視線をとめる。そして、ニヤニヤ笑いながら、辰巳に、

「おい!!辰巳!!奴隷に竿おったてるように命令しろ!!奴隷が言いつけ通り、入寮以来禁マスだったか、たしかめてやる!!」

「おい!!荒井、野口先輩のご命令だ!!竿、おったてろ!!」

「オッス!!失礼します!!」

 そういうと、荒井は、真っ赤な顔をして、己の竿を右手でしごき始める。男二人が己の股間を凝視している中で、己の竿をしごくなんて、初めての経験だ。しかし、入寮以来の禁オナニーの掟を破らなかった荒井の股間は、日に日に重くなってきており、ほんのちょっとしたきっかけで勃起してしまい、白ブリーフに透明の先走り粘液の染みがつくことも頻繁になっていた。

 荒井は、己の竿に意識を集中させ、今朝、野口先輩の寝床を整理しているときに、チラッと目に入ってしまった「平凡パンチ」のグラビア写真を思い出す。真っ赤なドレスを着た女。胸の部分がはだけ、豊満な乳房の谷間が荒井の欲情をいかんなく刺激してくる。

 ほどなく、荒井のイチモツは、ムクムクと鎌首をもたげ、ズル向けの亀頭は、完全に寮の部屋の天井をも突きたてるようにして上を向いていた。そして、その鈴口は、いまにもマグマな吹き出しそうなほどに拡がって、透明の先走り液を切ないほどにほとばしらせていた。もちろん、荒井の股間は、陰毛なしの完全なツルツル状態。ビンビンに屹立して、荒井の下腹をピクピクと打つ荒井の陰茎。その股間からヌッと突出した成熟した大人の男のズル剥けチンポの際立ちは、異様なほどの貫禄を示していた。

「おお、すっげぇ・・・」と思わず口走ってしまう辰巳。荒井先輩のイチモツは、高校野球部・練習後のシャワーで見たときよりも、ずっと成熟して黒光りしていた。

 後輩の辰巳に感嘆の声を上げさせた、1年奴隷・荒井のイチモツの見事さに、野口先輩は嫉妬する。そして、ニヤリと笑うと、2年生の辰巳に命令する。

「居眠りした罰だ!辰巳、コイツの竿にこれを被せてやれ!!」

 野口先輩が、ジャージのポケットから出した物を見て、2年生の辰巳は、絶句する。それは、メンソレータムの75グラムボトルだったのだ。

「辰巳、フタをとって、ボトルの部分をこいつのチンポの先にかぶせんるんだ!!早くやれ!!」

 先輩命令は絶対だ。辰巳が、そのメンソレータム75グラムボトルのフタをとると、半分ほどがすでに使われていたものの、残りの半分は、ボトルの底の方にしっかりと残っていた。辰巳は、それを、一年奴隷・荒井のズル剥け亀頭に被せるように乗せるのだった・・・。そして、ほどなく、荒井が真っ赤な顔をして身もだえ始める。

「あっあぁ・・・せ、先輩・・・・も、もうかんべん・・・あっあぁ・・・チンコが燃えるように・・・あっあぁ・・・」

「ワハハハハ!!居眠りした罰だ!!荒井!!じっくりと我慢せい!!」

 大笑いの野口先輩。そのまえで、両手を後ろに組み、腰をグイっと突き出して、真っ赤な顔で目をつむっている1年奴隷の荒井。 メンタムキャップを被せられた荒井の亀頭は、もうすでに限界の、

風林火山・超大爆発!!

の状態・・・。荒井は、うしろで手を組んでいることもままならなくなり、つらそうに、両手で、必死に太ももを搔きむしるようにして悶えている。

「あっあぁ・・・せ、先輩・・・・も、もうダメっす・・・もう居眠りなんてしませんから・・・は、反省してますから・・・もう、かんべんして・・・・ください・・・あっあぁ・・・」

「なんだ、もうギブアップか、このフニャチン野郎め・・・ギブアップの罰は、ケツバット10発、いや、20発だぞ・・・どうだ・・・男だったら、根性だして、まだまだ我慢してみろ・・・ワハハハハ!!!」

 そんな二人の様子をみながら、2年生・辰巳は下を向いたまま、

「あぁ・・・先輩とオレは、この地獄からいつ抜け出せるんだ・・・荒井先輩が奴隷だなんて・・・もうオレは耐えられねぇ・・・あぁ・・・早くこの地獄から抜け出したい・・・・。」

とつぶやくだけだった。

(太朗注:メンソレータムは、2017年4月12日現在、第3類医薬品です。用法・用量守って正しく使いましょう!絶対に、荒井奴隷や野口先輩の真似をしてはいけません。)


<エピローグ>  

 どんな闇夜もやがて朝が来る。

 荒井は、夏合宿で野球の実力をアピールすることに成功し、先発投手としてレギュラーメンバーに登用される。1年生の雑用・雑務から完全に解放されたわけではないが、荒井のことを蔑む部員は、一人もいなくなった。そして、3年生になってやはりレギュラーメンバー入りした辰巳とともに、先発ローテーションを組み、辰巳が4年生で引退するまで、母校・帝都経済大学・硬式野球部の2枚看板として、帝都大学野球リーグ・第二部リーグ定着に大いに貢献したという。

 辰巳と荒井は、卒業後も、よく連絡を取り合い、いまでも仲良く、家族ぐるみの付き合いをしているという話である。

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