部長の寵児 後半  by 太朗

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七、部長の世話係

「あ〜〜、今夜また宴会かぁ・・・・」

との新入寮生たちのボヤキに反して、四谷部長を囲んでのその晩の宴会は、正樹たちの「肝臓」にとってはやさしい宴会だった。

 スーツを脱いでワイシャツ姿でネクタイを少し緩めた四谷部長は、寮食堂の上座にふんぞりかえり、平林の差し出したおしぼりで顔の脂を丹念にふき取り、気持ちよさそうに何度も何度も頷くのだった。

 グンゼの件以来、四谷に対する上層部の信頼は絶大なものとなる。四谷は、役員たちの前で、

「リストラだけやっていては、会社は決してよくなりません!!!一番重要なのは人です!!!人材を育てなければ、会社は成長しないのです!!!どうか青雲寮での新人教育は私にご一任下さい!」

と一席を打つ。そして、社長の鶴の一声で、青雲寮は、総務部・施設管理課の管轄から、本社・営業推進部・第三課の直轄となり、四谷の完全支配下に置かれることになったのだ。それはちょうど平林俊平が入社した年だった。

「さ、さぁ、部長、グッと一杯・・・」

と、四谷の両脇にかしずくようにしている、河合と平林が、入れ替わり立ち代り四谷に酌をしていく。もちろん、ブリーフにランシャツ姿だ。

 四谷は満足げに頷きながら、部下たちにすすめられるまま、杯を乾していく。酒が入り饒舌になった四谷の口からは、次々と、自慢話が飛び出す。

 それは、大学ラグビー部時代の武勇伝、重役とのゴルフコンペでの話、そして、グンゼの話のように仕事上の武勇伝であった。

「よぉっ!部長!日本一!」

と、話の進行具合にあわせて、絶妙なタイミングで、河合または平林から賞賛の声が掛けられる。そして、そこにいる寮生全員は、拍手して部長の武勇伝を称える。

 特に、グンゼのファイナル・プレゼンテーションに話が及ぶと、先輩たちは口々に、

「よぉっ!四谷部長!日本一!」

と部長を称えながら、一斉に立ち上がり、拍手をし始める。

「マ、マジィ・・・スタンディング・オベーションかよ・・・」

「手がいてぇ〜〜、また拍手かよ・・・」

と、寮食堂の下座にいる5人の新入寮生たちは、前にいる先輩たちが立ち上がったのを見て、あわててそれにあわせて立ち上がり、拍手をするのだった。

 グンゼブリーフにグンゼランシャツのみをつけた部下たちのスタンディング・オベーションに、四谷部長は、満足げに何度も何度も頷く。そして、しばらくすると、すぐにはなり止みそうにない拍手を自ら静めるように、おもむろに右手を軽く上下に振って、「まあまあ、そう興奮するな・・・」となだめるかのように、部下たちに座るように促すのだった・・・まるでどこかの独裁国家のような光景であった。

 四谷部長の自慢話が一段落すると、河合が正樹たち5人の新入寮生たちの紹介を始める。そして、河合は、最後に、

「こいつら5人が、今晩、風呂で部長のお背中をお流ししたいと希望しております。いかがでしょう、部長?」

と部長に伺いをたてる。

 正樹たち5人が「えっ、そんなの聞いてないッスよ、先輩!」と言い出す間もなく、四谷部長は、再び何度も頷きながら、

「そうか・・・じゃあ、頼むかな、今晩は君たちに!」

と正樹たちに向かって言うのだった。

 事の成り行きに言葉がでない正樹たち5人を、「ゴホン!」と咳払いしながら、河合が睨みつける。その場の空気をサッと読んだ久保が、立ち上がって「よろしくお願いします!」とペコリと頭を下げ部長に挨拶する。それにつられて、正樹たち、残りの新入寮生たちも、「よ、よろしくお願いします!」と仕方なく挨拶するのだった。それを見て、四谷部長はもちろん、河合や平林も満足げに何度も頷くのであった。

 そして、その晩の宴がお開きなる直前、四谷部長が思い出したように、

「平林!おまえの主任への昇格が内定したぞ!辞令がおりるのは来月だ!いままでにもましてがんばってくれなきゃ困るぞ!」

と、平林の昇格人事を発表するのだった。

 まわりの寮生からは、「お〜〜〜、さすが平林だな!」と声がかかる。同期の寮生からは、「畜生!平林は部長のお気に入りだからな!出世も早いぜ!」との声も聞かれた。

 部長の「お気に入り」という言葉は、本来、あまりいい意味ではつかわれないはずだが、それを初めて聞いた正樹たちにも、それがなぜか嫌味や皮肉のこもった口調には聞こえなかった。

 事実、平林俊平は、その言葉に真っ赤な顔になりながらも、本当にうれしそうに、そして、どこか誇らしげでさえあった。

 三丸物産では、平の男子社員(総合職)が、主任に昇格するのは、入社5〜7年目が通例。入社四年目で主任昇格の平林は同期の出世頭となったのだった。

☆☆☆☆☆☆☆☆

 宴会が終ると、四谷部長は風呂に入る。いよいよ正樹たちが、「部長のお背中をお流しする」番だった。

 すでに先輩寮生たちによって、青葉寮の風呂は、部長にちょうどいい湯加減に焚かれていた。青葉寮の広い大風呂を、四谷部長は独り占め、ドテンと風呂椅子に腰をかけたまま、正樹たちに体の隅々まで洗わせるのだった。

 部長の体を洗わされる正樹たちの格好といえば、いまさら述べるまでもなく、男子寮における伝統的三助さんスタイルだ。

 そう、並木史雄先生が雑誌「さぶ」所収の「青葉寮青春物語」の中で記述されているように、「待機姿勢は全裸で自分の下着を頭にかぶって直立不動」であり、この場合、下着は白のグンブリである。しかも、河合の命令で裏に返して頭からスッポリとグンブリを被るのだ。己の目ん玉は、ブリーフの二つの脚穴(レッグホール)から覗かせるので、当然、己の鼻のあたりにちょうど薄黄色い小便染みが来るっていう寸法だ。

 そんな格好の正樹たち5人は、風呂場の洗い椅子に素っ裸でドテンと座った四谷部長の指示で、ある者は背中をゴシゴシ、ある者は、右手を、そして、左手をゴシゴシと洗う。四谷部長お気に入りの乾燥ヘチマのアカスリも忘れちゃいけないアイテムだ。

 こうして、正樹たち、ブリーフを頭からスッポリ被った真っ裸の三助さん5人は、部長の頭のてっぺんから足の爪先まで、きれいにお洗いするのだった。

 さすが、体育会系気質が骨の髄まで染み込んだ正樹たちである。三助さんを務めることに疑問を抱くヤツなどいない。先輩の命令ならば、例え火の中水の中、全裸で己のパンツを頭から被る三助さんスタイルなど朝飯前、部長の命令にもキビキビと行動し、すべてにおいてまったくそつがない。

 しかし、四谷の身体で最後まで一つ洗い残していた部分がある。体についたシャボンをお湯やシャワーですべて洗い落として、いざ、湯船につかる段になり、四谷は、

「ここを洗わんことには湯に入れんだろうが!!」

と言って、自身の体のある部分を指差すのだった。

 もちろん、それは、四谷の黒々したチン毛密林で覆われた股座(またぐら)だった。その密林からヌッとその亀頭をのぞかせる四谷の太竿。大企業の部長の貫禄か。竿丈(さおたけ)20cmはゆうにあろうかという四谷のズル剥け巨根。それは、5人の新入社員の坊やたちにとって、逞しささえ感じさせるものだった。

「部長のチンチン、でっけぇ〜〜〜!」

と、正樹たち5人の三助さんたちは思うのだった。しかし、部長の股間を洗うことに躊躇し、お互いに顔を見合わせるのだった。

「どうした。洗ってくれんのか?」

と、四谷は、5人の三助さんたちをギロリと睨み渡す。

「・・・・・・」

 しばしの沈黙。

 しかし、その沈黙を破ったのは、正樹だった。

「失礼します!洗わせて頂きます!」

と言うが早いか、正樹は、両手でシャボンを泡立てると、まずは、部長のチン毛密林をシャンプーするかのように、両手についたシャボンで部長のチン毛をあわ立てる。そして、再び、

「失礼します!」

と言ったかと思うと、おもむろに、四谷の男根を持ち上げ、根元から筒先まで丁寧にマッサージするかのように、洗っていくのだった。

 そして、正樹は、両手に石鹸を何度もなじませ、四谷の男根の裏筋、そして、男玉(ダンギョク)と、丁寧に洗っていく。特に、男玉は、袋に包まれた逞しい双玉を手のひらの上でやさしく転がし揉み解すかのように、何度も何度も握っては転がし、転がしては握る。そのあまりの丹念さに、

「おぉ・・・・あぁ・・・・」

と、さすがの四谷部長も、なんともいえない快感に悶えるかのような溜息をもらす・・・。

 四谷部長は、己の男根が反応してしまいそうになるのに必死で堪えながら、股間から意識を反らすかのように、

「コイツ・・・・なかなかやりおるわい・・・久々に『逸材』が入社してきおった・・・先が楽しみだ・・・」

と思うのだった。

「黒田のヤツ・・・素手で部長のチンチン洗いやがった・・・」

「ま、負けた・・・俺にはあんなマネできねぇ・・・」

と、他の四人の三助さんたちは、正樹の大胆な行動に唖然としながら、なす術もなく立ちすくのだった。

「終りました!」

と、正樹が四谷の股間を洗い終ったことを告げると、四谷部長は、満足げに何度も頷きながら、

「よし!お前はここに残りなさい。後の四人は、もう戻っていいぞ!」

と、正樹にはやさしく、そして、他の四人には冷たく命令するのだった。

 

八、愛犬 平林ポチ号 登場 

「さあ、そこに突っ立ってないで、ここに座りなさい。」

 正樹が一人になると、四谷は立ち上がり、いま四谷が座っていた風呂椅子に正樹を座らせるのだった。

「・・・・・・」

 ブリーフを頭から被ったままの正樹は、戸惑いながらも、四谷部長から言われた通りにする。

「さあ、そんなに緊張しなくていいぞ・・・今度は、俺がお前をきれいにする番だ・・・」

 四谷の声色は気持ち悪いほどにやさしくなる。正樹のみずみずしい二十代の体に、いやらしいタッチでさわりながら、

「あぁ・・・・さすが俺の後輩だ・・・いい体をしている・・・」

と、四谷は正樹の耳元でささやく。正樹は思わずゾクッと鳥肌が立つ。しかし、その一方で、星城ラグビー部寮では、毎晩、ひとり自室で、クラブ21の掲示板

「パパが好き好き!」(http://club21.org/cgi-bin/topn/vroom.cgi?046)

をチェックしていた正樹は、

「このオッサン・・・お仲間さんかも・・・」

と思い、股間がシュィ〜〜〜ン!と敏感に反応するのだった。

 四谷は、それを知ってか知らずか、おもむろに正樹の前にある石鹸をとると、その石鹸でみずからのチン毛を泡立てるのだった。己の股間を覆う濃いチン毛が十分にあわ立つと、四谷は腰をグッと落とし、正樹の背中にその石鹸であわ立った股間を押し付けてくる。

「俺の背中を洗う、さっきのおめえらのやり方はなっちゃなかったぞ・・・・先輩のお背中というものは、こうやって洗うんだ!」

 そう言うと、四谷は己の股間を正樹の背中に押し付けつつ、上下左右に、そして、時には円を描くように己の腰を動かし始めるのだった。正樹の背中は、四谷の股間がだんだん熱く、そして、だんだん硬くなっていくのを感じる。 

「俺たちの時代のラグビー部寮ではなぁ・・・一年奴隷は、こうやって先輩の背中を洗わされたもんさぁ・・・俺はチン毛が濃かったが、チン毛の薄いヤツぁ、スポンジをヒモでチンポに巻きつけて、こうやって、腰を何度も上下左右に振って、先輩のお背中を洗ったもんさ・・・おっと、やべえ・・・硬くなってきちまったぜ・・・昔からの悪い癖でなぁ・・・俺のワンパク坊主はすぐに元気になりやがる・・・ 先輩の許可なく竿おっ起てて、何回、先輩から竹刀でケツぶん殴られたか知れねぇぜ・・・」

「・・・・」

 四谷が四谷の先輩からシゴかれる姿など、今の四谷の姿や態度からは、正樹には想像さえできなかった。しかし、自分の背中に押し付けられてくる四谷の石のように硬くそして巨大な、たくましい股間の感触と相まって、正樹の心臓は、ドクン!ドクン!と鼓動を打ち始める。そして、その心臓の高鳴りによって送り出される血液は、正樹の股間のイチモツに十分血液をいきわたらせる。正樹の男性自身にはクッ キリと血管が浮かび上がり、ピクン!ピクン!と正樹の下腹を打ち始めるのだった。まだ少し皮被りなのがご愛嬌だった。

「あっ・・・・あぁ・・・・」

 正樹は思わず悩ましげにため息を漏らす。

 四谷は両腕を正樹の前に持ってくると、両手で意地悪く執拗に、正樹のピンと起った正樹の両乳首を刺激し始める。

「あぁ・・・・」

 正樹の股間の強張りは、ますます熱いものとなる。正樹の股間の怒張に感づいたのか否か、正樹の両乳首を弄んでいた四谷の両手は、正樹の引き締まって二つに割れた腹筋に包まれた胴、臍、下腹を這うように下り、正樹の股間をまさぐり始める。そして、正樹の強張りをグッと右手で掴むと、

「なんだぁ・・・俺の前でこんなに硬くなりやがって・・・このワンパク坊主め・・・」

と、正樹の耳元でささやく。しかし、四谷は、正樹のイチモツをグッと握った右手をすぐさま離すと、いままで正樹の背中、尻にピッタリと密着させていた己の腰を左へすこしずらし、

バチィ〜〜〜〜ン!!!!

と、正樹の右ケツペタを、平手で強襲するのだった。

「あっあぁ・・・・・」

 四谷からの平手打ちをケツに食らい、その程好い痛みと温かい刺激をケツに感じ、正樹は、思わずよがり声をあげてしまう。

 四谷はニヤリと笑い、

「おめえ、ケツ叩かれると感じるらしいなぁ・・・けど、これだけいいケツしてやがるんだ・・・平手打ちくらいじゃ、痛くも痒くもねぇ〜だろう・・・」

と、再び、正樹の耳元でささやく。

 つい数ヶ月前まで、現役の大学生ラガーマンだった正樹のケツは、肉厚で弾力性に富んでいた。そのプリケツ度では、すでに四十路の坂を上りつつある四谷のケツよりはるかに勝っていた。

「もっと感じる刺激的な叩きがおめえには必要らしいな・・・」

と、四谷がささやいた。

 その時だった・・・

「ワン!ワンワンワン!」

と、風呂の入り口の方から、誰かが犬の鳴き真似をする声が飛び込んでくる。

 正樹は、思わず後ろを振り向くと、そこに立っていたのは、なんと、正樹と同様、グンゼブリーフを頭から被った他には全裸の平林俊平だった。平林が被ったブリーフには、フロントの部分に、大きく「ポチ」と、極太油性黒マジックで、オンネームされていた。正樹は、先輩のその格好に、驚愕し思わず息を呑むのだった。

「こら!ポチ!まだ、ここへ来るのはチト早すぎるぞ!我慢ができんのか?」

「ワンワンワン!」

「コイツ・・・ヤキモチを焼いてるな・・・」

と、四谷は、正樹の後ろを離れ、平林の方へ行くのだった。

 平林ポチ号は、うれしそうに、

「ワン!」

と鳴くと、手に持っていた首輪を口に咥えるのだった。それは、SMショップでよく見かける、犬人間用の皮製の首輪で、かなり高価なもののように見えた・・・。

「そうか・・・そうか・・・おまえも俺に遊んでほしいんだな・・・ポチ!」

 そういうと、平林ポチ号のご主人様の四谷は、平林ポチ号の咥えた首輪をとり、それを平林ポチ号の首につけてやるのだった。

「ワンワン!」

と、うれしそうに吠える平林ポチ号。
 
 それを見ていた正樹は、なんとあろうことか、

「ボ、ボクの四谷パパが・・・ボ、ボクももっと遊んでほしいよ!さっきの続きをしてほしいよ!」

と思い、平林ポチ号に負けじと、

「ワンワンワン!!!」

と、四谷と平林に向かって吠えたのだった!!

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