お仕置き記録帳 第三譚 <クリスマス・デー> ピシリ!!パパ・サンタの愛のムチ
「鞭を加えないものはその子を憎むものである。子を愛するものはつとめてこれを懲らしめる。」〜旧約聖書より〜
※警告※
あなたがこれから読もうとする小説は、フィクションです。
また、これらの小説は、成人向けの「大人の懐かしい思い出話」として書かれたもので、未成年者に対する体罰、暴力、虐待、性的ないたずら(大人が快楽を得る目的で未成年者の尻を叩く行為を含む)、そして、それらに関連するあらゆる行為を、支持・奨励・助長することを意図して書かれたものではありません。
私、タロウは、合法・違法を問わず、かかる未成年者に対する行為のすべてに絶対的に反対します。
一夜明けて、ここは鈴木家のクリスマスの朝。
昨晩、鈴木家三兄弟はよく眠れなったことは間違いない。
孝一は「愛のムチ」を覚悟しつつも、去年のあの焼けるようなお尻の痛みを思い出しながら。
孝二は、生まれて初めての「愛のムチ」に恐れおののき、ブリーフのケツに手をあてては、その痛みを想像しながら。
そして、孝三は、プレゼントと、兄貴二人の泣き喚く姿を見れることに、胸をワクワク高鳴らせながらである。
朝食が終わると、鈴木家の三兄弟は、部屋に戻って、父親が来るのを机の前でグンゼ一丁で正座して待たなければならなかった。孝一と孝二は、覚悟しなければならなかった。午後のクリスマスミサの前の、楽しいはずのプレゼントタイム・・・しかし、それは二人にとって、尻たたきタイムであるということを。
「お兄ちゃぁ〜〜〜〜ん・・・グスン・・・神父様のムチ・・・痛いんでしょう・・・・グスン・・・怖いよぉ〜〜〜」
と、次男の孝二は、震え、そしてすでに、目には大粒の涙を浮かべていた。
去年まではどうにか「いい子」で愛のムチはなしだった孝二である。しかし、今年は、小4にして始めての「愛のムチ」デビューだった。その年のお仕置きのほとんどの原因は、親友の俊平との悪さではなく、「寝小便」が原因だった。しかも、夜一人でトイレに行くのが怖くて確信犯的におねしょをする「甘え」が原因の寝小便であった・・・
もちろん、愛のムチの経験はいままでにはないが、毎年、長男・孝一が「愛のムチ」を受けて泣くのを見て、神父様のムチは、孝二の小4のケツがまだ体験したことがないほどの「痛さ」であることが、孝二にもわかっていた・・・・もう、怖くて怖くて、ブルブル震えながら、兄貴に抱きつくように甘えてくるのだった。
そんな孝二を、「男の子の世界」の厳しさを教えるかのように、
「痛くない!泣くな!男だろ!甘えるな・・・」
と、突き放す孝一。
いくら甘えられても孝二の代わりにケツを叩かれてやることはできなかった。そして、孝一も、孝二につられてついベソをかきたくなってしまうのを必死で堪えていた。
「今年は絶対に泣かない・・・絶対に・・・神様・・・母さん・・・ボクに『愛のムチ』に泣かないで耐えられる勇気をください・・・」
と、心の中で念じながら。
もちろん、孝一は、腕白ガキ大将・山田信二の親友である。親友とのツライ男同士の付き合いのため、「愛のムチ」には、小3の時からお世話になっていた・・・・神父様のムチのあの熱い痛みを思い出して、思わず、正座している足の裏にのっているグンゼ一丁のケツをモジモジ動かし、両尻をヒクヒク動かすのだった。
大人でも悲鳴を上げる神父様の「愛のムチ」。それは、小学生たちにとって、クリスマスの朝の悪夢、いや、つらい試練だったのだ。いつもは、悪がきたちにお仕置きの最中泣くことを許さないスパルタパパたちも、「愛のムチ」のときだけは、息子たちがいくら泣いても、泣かせておくのだった。
「今年は泣かない・・・今年は泣かない・・・」
と、心の中で唱える孝一だった。
・・・・・・・・
ドン・ドン・ドン・・・・・
父親が階段を登る足音が障子の向うから聞こえてくる・・・
「・・・・神様・・・来年はいい子にしますから・・・どうか、愛のムチが今年はあまり痛くありませんように・・・今年は泣かない・・・今年は泣かないぞ・・・」
「・・・・あぁ〜〜〜、どうしよう・・・愛のムチきっと痛いよぉ〜〜〜、ママァ〜〜〜、助けてぇ〜〜〜〜!」
正座して父を待ちながら、手に汗を握る孝一と孝二。バクバクと心臓ははちきれんばかりだった。
そして、二人の兄貴のビビリ様をわき目でチラチラ見つつ、
「孝一兄ちゃん、今にも泣きそうな顔している・・・孝二兄ちゃんあんなブルブル震えっちゃって・・・フフフ・・・いよいよだ・・・いつもボクを仲間はずれにする罰だよね・・・いい気味だなぁ〜〜面白そう・・・プレゼントはなにかなぁ〜〜〜・・・」
と、三男のグリンチ・孝三だった。
「愛のムチ」でのケツ叩きを前にして、ある子供は怯え、ある子供は自分が一年「悪い子」であったことを後悔する。そして、神様に許しを乞うのだ。しかし、島の教会の「神様」は、お仕置きの後でなければ、許してはくれない・・・後悔してももう遅いのである。
島のあちこちにある腕白坊主のいる信者の家庭で、腕白坊主の子供たちが、胸をバクバク鳴らしながら、「愛のムチ」を待っている瞬間だった。
そして、父・孝が子供部屋に入ってきた。
兄貴二人、特に、孝二にとっては、父親がいつもよりデッカクて力強くて超厳しい、鬼のように見えたに違いない。
「さあ、神父様からいただいてきたクリスマス評定の結果を発表する!」
と、いつにもまして厳しい口調で、パパ・サンタ孝がグンゼ一丁正座して結果発表を待つ息子たちを厳しくも温かい目で見下ろしながら宣言するのであった。
その厳しい父親の口調を聞いて、孝一・孝二は、ビクっとして姿勢を正すのであった。
「はい!」と孝一。
「はぁ〜〜い・・・グスン」と、すでに涙まじりの孝二。目からはもう大粒の涙が頬を伝って零れ落ちていた。
そして、
「はい!!!!はい!!!」
と、一番弾んだ声の三男。告げ口をして、兄貴たちの楽しいクリスマスを奪ってしまったグリンチ・孝三であった。
「孝三!『はい』は、一回でいいぞ!」
と、プレゼントが待ちきれなくて元気いっぱいの孝三を嗜めるパパサンタ孝だった。
「まずは、孝三!お仕置き回数0回!いい子だったな!えらいぞ孝三!」
と、パパサンタ孝は、孝三にプレゼントの入った靴下袋を渡すのであった。
孝三は、そのプレゼントの入った靴下袋を父親から奪うようにして受け取ると、盛んに振ってみては中がなにかを気にするのだった。
我慢できずに、
「パパ、開けてもいい!?」
と弾んだ声で父親に聞く孝三だった。
「ああ!いいぞ!さあ、遠慮なく開けなさい!」
「やったぁ〜〜〜〜!」
と飛び上がるようにして喜ぶと、靴下袋の中に入っていた小さな箱を取り出し、グリンチ・孝三はビリビリビリとその包みを破った。中身は兄貴二人も垂涎の超かっちょいい赤いスポーツカーのミニカーだった。
「やったぁ!やったぁ!」
と、飛び上がるようにして喜ぶと、
「ブブブブ・・・・・ブッウゥ〜〜〜〜ン!」
と、車のエンジンをふかす音を真似しながら、そのミニカーを早速畳の上に走らせて遊ぶのだった。
正座をしてその光景を恨めしそうに眺める二人の兄貴。 一番要領が良く、いつもお仕置きを逃れている三男がはしゃいでいる姿をみて、
「孝三のヤツ・・・またうまくやりやがった・・・」
「孝三・・・いいなぁ〜〜〜、ボクもプレゼントほしかったなぁ〜〜〜〜グスン・・・」
と、兄貴二人は、うらやましさでいっぱいだった。
自分たちには、プレゼントの包みはなかった・・・その代わりに待っているのは、パパサンタ孝が容赦なく振り下ろす神父様の「愛のムチ」による焼け付くように痛い尻たたきのお仕置きだった。
兄貴二人のうらやましいと思う気持ちを見透かしたのように、パパサンタ孝は、一段と厳しい口調になって、
「さあ、二人ともわかってるな!これを受け取りなさい!」
と、二人に命令するのだった。
パパサンタ孝の持っている残り二つの靴下袋の中は、細長い木の棒であることは、みなくても二人の兄貴にはわかっていた。
「はい!」
と言って、「孝一君へ」と書かれた靴下袋を受け取る孝一。
兄貴に続いて、
「は、はぁ・・・・い・・・・グスン・・・」
と、泣きべそをかきながら、「孝二君」へと書かれた靴下袋を受け取る孝二だった。
そして、二人とも、靴下袋の中の、ハタキの柄のような細長い木の枝を取り出すのであった。
「去年と同じだ・・・痛いんだよなぁ・・・このムチ」
と、孝一は思った。
一方、今年、「愛のムチ」を始めて受け取る孝二は、
「え・・・こんなにかたくて重い木の棒でお尻ぶたれるの・・・やだなぁ・・・グスン・・・こわいよぉ・・・ママぁ・・・」
と、その棒の表面の硬さ、そして重さを実感して、思わずゾクッとするのであった。
「愛のムチ」を靴下袋から取り出した孝一は、父親の方を向いて、
「父さん、プレゼントありがとう!来年はいい子になれるように、この神父様のムチでボクのお尻を10回叩いてください!」
と、自分用の愛のムチを父親に差し出して例年の「お約束」通りに頼むのだった。
それを真似するかのように、孝二も、
「と、父さん・・・グスン・・・プレゼントありがとう!グスグス・・・来年はいい子になれるように・・・グスン・・・この神父様のムチでボクのお尻を・・・グスン・・・12回・・・グスン・・・叩いてください・・・グスン」
と泣きべそをかきながらも、自分の愛のムチを差し出して、なんとか父親に頼むであった。
厳しい顔でそれを見ていたパパサンタ孝は、大きく頷くと、二人からそれぞれの愛のムチを受け取り、
「よし!ふたりとも来年はいい子になれるように、この神父様の愛のムチで二人のケツを叩くことにする!今年、父さんから、どうしてお仕置きされたのかをじっくり反省しなさい!いいな!さあ、準備をしなさい!」
と、一段と厳しい声で二人の息子に命令するのだった。
「はい!」
「は、はぁ・・・い・・・グスン!」
「孝二!いつまでもメソメソしてるんじゃない!それでも男の子か!お前は!」
と、孝二の甘えた態度を嗜めるパパサンタ孝だった。
「は・・・グスン、グスン、は、グスン、グス・・・い・・・」
と父親に応えようとする孝二ではあったが、父親の厳しい態度に、泣きべそを止めることがなかなかできず、
「グスン、グスン、パパぁ〜〜〜〜、ごめんなぁさぁ〜〜〜い・・・グスグス」
と、さらに泣き始めるのであった。
そんな孝二を、パパサンタ孝が「甘えるな!」と、もう一喝しようとしたその時だった。
兄貴の孝一が、
「もう泣くな!はやく脱げ!」
と、パパサンタ孝もビックリするくらいの迫力で、甘えん坊の次男を嗜めるのだった。
「・・・・・・」
孝二からの返事はなかった。しかし、孝二は真っ赤な顔して、ベソをかくのをなんとか抑え、長男の言うとおりにするのだった。
パパサンタ孝は、去年は愛のムチに弟の前であるにもかかわらずワンワン泣いていた長男・孝一の一年の成長振りに、関心するのであった。もちろん、孝は、孝一を褒めてギュッと抱きしめてやりたい気持ちだった。しかし、ここはその気持ちをグッと抑えて、長男の尻にも愛のムチを振り下ろさなければならなかった。
孝一は真っ赤な顔で、顔を真っ赤にさせて、グンゼブリーフを脱ぎ捨て、それを自分の机の上にたたんで置くのであった。
男の子である。父親や弟たちの前でスッポンポンになることは慣れっこではあったが、お仕置きのために素っ裸になることに、年々、羞恥心が増してくる、思春期も間近の長男・孝一であった。
孝二も、孝一にならって、鼻をグスグスいわせながら泣くのをなんとか我慢して、スッポンポンになった。特に、グンゼブリーフを脱ぎ捨てた時の、あのお尻がスゥ〜〜〜〜と寒くなる感覚は、孝二をさらに泣きたい気持ちにさせるのだった。まさに、自分のお尻がむき出しになったことを自覚する孝二。そのむき出しのお尻に、あの硬くて重い木の棒が飛んでくるなんて・・・きっと、想像もできないほど痛い
に違いなかった・・・
「ど、どうしよう・・・ママァ・・・・グスン」
と、お尻を両手で隠すように撫でながら、再びべそをかき始める孝二だった。
そして、二人は、木の定規でお仕置きを受けるときのように、自分の勉強机の椅子に両膝をつき、そして、両肘を机の上について両掌を合わせて神様に祈りを捧げる格好になるのだった。
こうして、ふたりの背中の下でプリッと盛り上がる、かわいいお尻の四つの丘は、神父様からのクリスマスプレゼントである「愛のムチ」を受けるべく、準備されたのだった。
それを見届けると、パパサンタ孝は、孝一も孝二もビクっとするような厳しい声で、
「まずは、孝一からだ!神様に祈りなさい!」
と、命令するのだった。
グリンチ・孝三は、
「いよいよだ・・・孝一兄ちゃん、早く泣かないかなぁ〜〜〜!」
と、ニヤニヤしながら、胸の高鳴りを押さえることができなかった。
孝一は、お尻に鳥肌が立っていた。それでも、声を振り絞って、
「はい!父さん、ボクが来年はいい子になれますように、神父様からいただいた愛のムチでお尻を10回叩いてください・・・神様、来年はきっといい子になれますように・・・アーメン!」
と、父親に応えるのだった。
孝一は、胸がバクバク鼓動を打っているのを自ら感じていた。一秒であってもすごく長く感じる一番嫌な瞬間だった。
「どうか、あんまり痛くありませんように・・・・」
と念じながら、両掌をグッと合わせて、尻の双丘にもグッと力を入れて閉じる孝一だった。
パパサンタ孝は、長男・孝一が腕白坊主であることは男の子なのだから当然であり、むしろうれしくもあった。しかし、孝一には、ガキ大将山田に盲目的に従い付き合うのではなく、山田のやんちゃの誘いも時には断れるもっと強い心を持ってほしいと願っていた。
「よし!孝一が来年はもっと強い心を持ったいい子になれるように、父さんが、神父様に代わって、神父様からあずかった愛のムチで、孝一のケツを10回叩くことにする!さあ、もう一度、神様にお祈りしなさい!」
「はい!アーメン!」
「いくぞ!」
そういうと、白のランニングシャツにブリーフ、そして、下に黒のジャージをはいただけの孝は、突き出された孝一のケツの左後ろ側に両足を少し開いて立つと、右手に持った孝一用の愛のムチを頭の上まであげて、孝一のケツに狙いを定めるのだった。
ヒュッ!
パパサンタ孝が、その木の棒を振り下ろす、痛々しい音が子供部屋に響いた!
孝一は思わず目をつむり、孝二と孝三は、その音に驚いて、思わず縮こまり肩をすくめるような格好をするのだった。
ビシッ!!!!
と、一発目が孝一のケツのほぼ中央に着ケツする鋭い音が響いた・・・
「うぅ・・・・」
ケツに焼けるような痛みを感じる孝一は思わず全身に力を入れた・・・その痛みはだんだんと強くなり、ジリジリとしつこく孝一を苛めた・・・真っ赤な額を指を組んで合わせた両手の上にこすりつけるようにのせ、必死で泣きたくなるのを我慢する孝一。
それは二発目までの10秒ほどの時間だったが、孝一には異常に長く感じられた。
去年と同じだった。いや、去年よりも数倍痛いような気がした・・・ケツがだんだん腫れぼったくなっていくのを感じる孝一だった。あと9発残っているなんて・・・気が遠くなりそうだった。
パパサンタ孝は、二発目の狙いを定めていた。
パパサンタ孝は、10発の時は、息子のケツに5本の線を「描く」ことにしていた。
それは、神父様の勧めで、息子を持つヤングパパ信者たちが自主的に開く「ケツ叩き研修会」でも広く支持されている「愛のムチ・ケツ描画法」であった。
愛のムチを振るう方も楽ではない。島の息子を持つヤンパパ信者たちは、年に数回、教会二階の集会室に集まり、神父様、先輩ベテランパパ信者の指導のもと、息子のケツへのダメージは最小限にし、痛みは最大限するムチ打ちの方法を、お互いのケツを使って研究しているのであった。
孝一のケツのほぼド真ん中にピンク色の線がうっすらとみてとれた。
「よし、次は、あの線の少し下だ!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「・・・・・」
再び、焼けるようなケツの痛みに苛まれる孝一・・・悲鳴をあげないように口をギュッと結ぶのだった。額には脂汗が滲んでいた。
・・・・・・・・・
孝一は、ケツの痛みを紛らわすため、山田信二と遊んでいる楽しい光景を思い出そうとしていた。もちろん、それはお仕置きに結びつく光景でもあったのだが・・・
孝一と信二の遊びで一番多いのがキャッチボールだった。二人ともなかなか新しいのを買ってもらえずすり切れてボロボロになったグローブでキャッチボールをするのだった。
しかし、島の広場でキャッチボールをやっていて、教会のガラスを何枚割ったかしれなかった・・・・
吉田家も鈴木家も、お小遣いで弁償か、尻叩きの選択制だった。もちろん、信二も孝一も尻叩きのお仕置きを選んだ。
「お仕置きは痛いけど・・・お小遣いなしはもっとやだよな・・・でも、信二とやるキャッチボールは楽しいよな・・・」
・・・・・・・・・・
ヒュッ!ビシッ!!!!
「・・・・・・・うぅ・・・・」
三発目。中央よりやや上だった。三本のピンクの線が孝一のケツに描かれていた。
孝一の山田信二との楽しい遊びや、やんちゃの「夢想」は、愛のムチの焼け付くような痛みにさえぎられた。
ヒュッ!ビシッ!!!!
「・・・・・・・」
四発目。三発目よりさらに上でだった。
痛かったが、いままでのよりは少しはマシだった。これならどうにか十発我慢できると思った。
・・・・・・・・・
再び夢想し始める孝一。
夏には、島のスイカ畑でスイカ泥棒もはたらいた。あえなく、畑の持ち主にとっ捕まり、駐在所に差し出された。
駐在所で、神父様と父親立会いのもと、駐在さんと呼んでいる25歳の若い警官から、黒皮の警官手袋をはめたグローブのような大きな手でむき出しのお尻100叩き+家に帰って木の定規50発だった。
「駐在さんの尻たたきはものすごく痛かったよなぁ・・・・信二が俺の隣で泣いてたもん・・・でも、駐在さんってすごく強そうだし、かっこいい兄貴だよなぁ・・・俺もおまわりさんになろうかなぁ〜〜〜・・・・お仕置きは痛かったけど・・・スイカは最高においしかったよなぁ〜〜〜」
・・・・・・・・・・
ヒュッ!ビシッ!!!!
「あっ、あちぃ〜〜〜〜!」
再び、夢想は断ち切られ、思わず叫び、上体を起こし、反射的に尻の下のほうを手で押さえる孝一だった。
パパサンタ孝の振り下ろす愛のムチが、5本目の線を、孝一のプリッとしたケツに描いていたのだった。しかも、それはいままで焼き付けれた四本の赤い線の一番下、腿に近いケツの表面でも一番敏感な部分に描かれたのであった。
「痛くない!!!グズグズしてないで、ケツを出せ!神様にしっかりお祈りしなさい!」
と、パパサンタ孝は手厳しかった。
負けじと、
「はい!」
と大きい声で返事をする孝一だった。
・・・・・・・・・
ヒュッ!ビシッ!!!!
「うぅ・・・・・」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「いっ、いたっぁ〜〜〜〜〜・・・・」
と孝一のケツに六発目と七発目の愛のムチが振り下ろされた・・・六本目からは、いままでの5本線の上に「上描き」される・・・痛みも倍加され、最後の五発は、最初の五発よりも一発一発が辛い我慢だった・・・
六発目が一番上の線・・・そして、七発目が次の線・・・だんだん愛のムチが振り下ろされる位置が下がってくるのが孝一にもわかった・・・ある意味冷静だったということか・・・
ヒュッ!ビシッ!!!!
八発目の愛のムチも手加減されることなく、孝一のケツに焼けつけられた上から三本目の線をなぞるように、振り下ろされた。
「・・・・・・・泣かない・・・絶対に、泣かない・・・」
と唸るようにつぶやきながら、山田信二との楽しかったやんちゃを夢想する孝一だった。
・・・・・・・・・・・・
その年、島の小学校の5年生クラスの腕白坊主たちの間で一番エキサイトした遊びは、女の子のスカートめくり競争であった。だれが一番たくさん女の子のスカートめくりに成功するかを競うのだった。
しかし、その競い合いも、戦い半ばで、5年生クラスの担任である島一番のオールドミス・荒田先生に「犯行現場」を押さえられ、信二と孝一たちクラスの腕白坊主たちは一斉に御用となった。
孝一たちに対するお仕置きは、スカートをめくった女の子たちの前でジーンズ半ズボンを脱がされ、超赤面のグンゼお披露目だった・・・女子達がクスクスと笑う中、グンゼブリーフ一丁で真っ赤な顔で耐えるしかなかった。荒田先生が考え出した「目には目を」のお仕置きだった。
愛のムチの焼け付くような尻の痛みに耐えながら、そのことを思い出した孝一は、さらに顔を真っ赤にさせた・・・
もちろんお仕置きはそれだけではなかった。半ズボンをすぐにあげることは許されず、グンゼ一丁のままのケツを、6年生の担任で、南の島小学校唯一の男の先生・北川先生からスリッパで50回叩かれた・・・もちろん女の子たちの前でである・・・
怪力の男先生・北川のスリッパケツ叩き50はすごく痛くて、女の子たちの前でワンワンと泣いて謝るしかない腕白坊主たちだった。
「・・・・あの時はすごく恥ずかしかったよなぁ〜〜〜〜、北川先生のスリッパはすごく痛かったし・・・でも、オレと信二が一番最初に、小林のパンツ見たんだぜ!」
小林とは、5年生クラス一番のかわいい女の子である。
もちろん、家に帰ってからは、父親・孝から「お約束」の木の定規での叩き25が待っていた・・・何本も尻に赤い線がついた。それに、学校でもお尻を叩かれた後だったのですごく痛かった。
でも、自分たちのブリーフとは違う女の子のパンツを腕白仲間にさきがけて見れたことに、ちょっと優越感に浸れた一日だった。
・・・・・・・・・・・・・・
ヒュッ!ビシッ!!!!
「いっ、いたい・・・・」
孝一の回想は、パパサンタ孝によって振り下ろされる愛のムチによって、再びさえぎられた。九発目は、下から二番目の赤い線への「上描き」焼入れであった・・・
孝一は、身構えた。最後の一発は、一番下に振り下ろされることがわかっていた。孝一に考える余裕を与えないほどに、すぐに、パパサンタ孝は、最後の十発目を孝一のケツに振り下ろすのであった。
ヒュッ!
それは、孝一のケツの一番下の部分のプリッと可愛らしく盛り上がったテンダーな「お肉」部分を下から上へ持ち上げるかのようにして、着地、いや着ケツした!
ビシィ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!
「あっ、あちぃ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
と、思わず上体を起こし、両手でケツを必死にもむようにさする孝一だった。
孝一に対する愛のムチはこうして終わった。孝一にとっては、久々に涙なしのクリスマスの朝だった。パパサンタ孝は、泣かずに愛のムチ十発を耐えられた長男をギュッと抱きしめてやりたい気持ちでいっぱいだった。
手に握っていた愛のムチを畳の上に放ると、
「孝一!えらいぞ!よく泣かずにがんばった!」
と、まだ椅子に跪いたままの孝一の傍に寄って
「よし・・・よし・・・ケツ痛かったか?」
と言いながら、スポーツ刈りの頭をゴシゴシッと少し乱暴に撫でながら、ギュッと抱きしめてやるパパサンタ孝だった。
父親の両腕にギュッと抱きしめられて、父親のゴツイ肉体を感じ、オヤジの強さを実感する孝一。同時に、いままでピンと張りつめてグッと堪えてきたものが急に緩んだのか・・・・
「うん・・・ちょっとだけ痛かった・・・でもボ、ボク平気だよ・・・父さん・・・グスン・・・」
と、少しだけ泣きべそをかく孝一だった。
「よし・・・よし・・・さあ、孝二の番が終わるまで、孝二の分もお祈りしてあげなさい・・・」
という父・孝だった。自分の分が終わっても、弟の分が終わるまでは、椅子に跪いてお祈りしなければならなかった。
・・・・・・・・
「さあ、次は孝二の番だぞ!」
と、再び厳しい声になって、パパサンタ孝は、孝二のプリッと突き出されたケツの後ろに立つのだった。
すでに、手には孝二用の愛のムチが握られ、それを左掌に
ピシッ!ピシッ!
と打ち付けているパパサンタ孝だった。
兄貴の尻に愛のムチが容赦なく振り下ろされている間、その音を聞きながら、孝二は、ブルブルと震えていたのだった。ブリーフの跡が白くついた可愛く無垢な孝二のケツの双丘も、その振動が伝わるかのように、
プルプル、プリプリ!ブルルッッ!プルプル、プリプリ!ブルルッッ!
と震えていた。
パパサンタ孝が、自分用の愛のムチを左手で試している音を聞いて、孝二は、再びべそをかき始めるのであった。
「怖いよぉ・・・・痛いよぉ・・・・グスグス・・・」
「メソメソしやがって・・・仕方のないヤツだ・・・」
そう思いながらも、心を鬼にして、
「さあ、始めるぞ!神様に祈りなさい!」
と、厳しく孝二に命令するパパサンタ孝だった。
孝二は、
「はぁ〜〜〜〜い・・・グスン」
と頼りなげに返事をすると、
「父さん・・・グス・・・ボクが来年はいい子になれますように・・・グスグス・・・・神父様からいただいた愛のムチで・・・グスン・・・ボクのお尻を・・・・グスン・・・12回叩いてください・・・グスグス・・・神様、来年はきっといい子になれますように・・・グスン・・・アーメン!」
と、涙声で父親に応える孝二だった。
それを聞いて、孝二の隣で机の前に正座して、「儀式」が終わるのを待っている孝三は、孝一が泣かなかったことに内心がっかりはしていたが、今度こそ兄貴が泣くと、胸を高鳴らせるのだった。
一方、隣で祈っている孝一は、
「孝二がんばれよ・・・孝三の前で泣くなぁ〜〜〜兄貴だろ!!母さん・・・父さんがどうか孝二には手加減してくれますように・・・アーメン!」
と、弟を応援し、そして、天国にいる母親に祈るのであった。
孝二の回数は12回。教会の研修会では、2本線×6上描き、3本線×4上描き、4本線×3上描き、6本線×2上描きなどがためされているが、パパサンタ孝は、「6本線×2上描き」法を息子たちのケツには採用していた。
すなわち、愛のムチ一巡目6発でケツに6本線を描き、二巡目では、その6本線の上をなぞるように愛のムチを振り下ろすのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・
孝二に対するその年の12回のお仕置きのうち、9回までが「寝小便」が原因のお仕置きだった。
孝二は、夜中にトイレにいきたくて目覚めると、孝一を起して
「お兄ちゃぁ〜〜〜ん・・・オシッコもれちゃうよぉ〜〜〜〜!!一緒にトイレまで行ってよぉ〜〜〜〜!」
と甘えることを、パパサンタ孝は知っていた。
そして、孝一が起きてくれない時は、いつも寝小便をしてしまうのだった。パパサンタ孝は、孝二には、夜中に一人でトイレにいける「勇気」を持った男の子になってほしいと願っていた・・・
「よし!孝二が来年はもっと勇気を持った男の子になれるように、神父様に代わって父さんが、神父様からあずかった愛のムチで、孝二のケツを12回叩くことにする!神様にお祈りしなさい!」
と、さらに厳しい口調で宣言するパパサンタ孝。
父親が「お尻」ではなくて、「ケツ」というのを聞くと、いつもビビりが入ってしまう甘えん坊の孝二だった。
「痛いのぉ〜〜〜〜?・・・グスン・・・・」
と泣きべそをかく孝二。
それを無視するかのように
「孝二!さあ、神様に祈りなさい!」
と、ケツ叩きへの心の準備を促すパパサンタ孝だった。
「孝二!痛くない!男なら我慢しろ!メソメソするな!」
と、五本の赤紫の線がついたケツを誇らしげに後ろに突き出し祈りを捧げている長男・孝一が、甘えん坊孝二を突き放すかのように、再び、叱責するのだった。
愛のムチに泣くことなくグッと耐えた長男の言葉は重かった。
「・・・グスグス・・・はぁ・・・い・・・アーメン・・・・グスン・・・」
と、泣きながらも、どうにか返事をして、ケツを後ろにプリッと突き出し、神様に祈りを捧げる孝二だった。
再び、ヒュッ!ヒュッ!と愛のムチを空でためし打ちするパパサンタ孝。ヒュッ!ヒュッ!と聞いているだけでケツに突き刺さりそうになる「痛い」音だった。そして、ますますブルブル、ガクガクと震え始める孝二だった!
いよいよ、孝二の愛のムチ・デビューだった。
「来るよぉ〜〜〜〜!痛いよぉ〜〜〜〜!恐いよぉ〜〜〜〜!」
と思いながら、震えて目をつむる孝二だった。
ヒュッ!ビシッ!!!!
と、孝二のかわいいケツのど真ん中に、愛のムチの「ご挨拶」があった。
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜いだぁ〜〜〜い!!!お尻が焼けちゃうよぉ〜〜〜〜〜〜〜!」
と悲鳴を上げて飛び上がり、椅子から降りると、ケツを両手でつまむようになでながら、ピョンピョンと飛び跳ねる孝二だった・・・
「痛いよ・・・すごく・・・痛いよぉ〜〜〜〜〜〜〜!ごめんなさぁ〜〜〜〜〜い・・・」
と、目に大粒の涙を浮かべながら、もう叩かないでと必死で訴えかけてくる孝二だった。
しかし、パパサンタ孝は、心を鬼にして、首を横に振り、「元の位置にもどってケツを出せ」といわんばかりに、愛のムチで、孝二の机と椅子の方を指し示すのであった。
首をガックリと落とし、べそをかきながらも、椅子に戻って再びケツを差し出す孝二だった。
ヒュッ!ビシッ!!!!
と容赦なく厳しい二発目のお見舞いだった。
再び、「ぎゃぁっ!」と悲鳴をあげて飛び上がり、
「あ、あ、あっ・・・熱いィ〜〜〜〜〜〜、お尻が燃えるぅ〜〜〜〜〜〜〜!」
とケツを両手で押さえてピョンピョン跳ね回る孝二。
「早くもどれ!!!孝二!」
と、孝二を嗜めたのは、今度は孝一だった。
孝一の一喝に、グズグズべそをかくのをピタッと止めて、ガックリと肩を落とし、位置に戻る孝二だった。
ヒュッ!ビシッ!!!!
「もう、おねしょしませぇ〜〜〜〜〜〜ん!いだぁ〜〜〜〜〜〜〜い!うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜!お尻が燃えちゃうよぉ〜〜〜〜〜〜!許ぢてぇ〜〜〜〜〜!グスン!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「助けてママァ〜〜〜〜〜〜!うわぁ〜〜〜〜〜ん!」
と、三発目、四発目、五発目と、愛のムチがケツに飛んでくるたびに、大騒ぎし、ケツを抑えながらピョンピョンと飛び跳ねる孝二。
その度に、兄貴、そしてパパサンタ孝にたしなめられ、渋々、所定の位置に戻ってケツを差し出す孝二だった。
そうしている間にも、パパサンタ孝は、冷静に狙いを定め、狙いをはずすことなく、孝二のケツに赤い5本の線を、等間隔に描いていた。
そして、次は6発目、6本目の線は、ケツの一番下、腿との境界の一番神経過敏のところに描かなければならなかった。
パパサンタ孝は、甘えん坊の次男を許してやりたい気持ちをグッと抑えて、愛のムチをグッと握りなおした。そして、心を鬼にして、振り下ろしたのだった。
ヒュッ!ビシィ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!
「うぅ〜〜〜〜〜〜!」
隣でその着ケツ音を聞いていた孝一が、思わずキュッとケツを引き締めた。さまに、腿との境界にビシッと決まった一発だったのだ。
「ギャァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いだぁ〜〜〜〜〜い!!!!!!」
と、いままでよりもいっそうデカイ悲鳴を上げると、飛び上がって、ケツを両手で掴むように押さえながら、部屋の中のをピョンピョンと飛び跳ねて回る孝二だった。
「お尻がほんとに燃えちゃうよぉ〜〜〜〜!グスン・・・もうやだよぉ〜〜〜〜〜〜!グス、グス・・・もう打たないでぇ〜〜〜〜〜〜!グスン・・・・」
と、必死でパパサンタ孝に訴える孝二だった。
「アホたれ!ケツが燃えるわけなかろうが!!ケツの皮が厚くなるんじゃ!!」
と、パパサンタ孝が、教会の愛のムチ研修会で後輩パパたちをシゴク時の厳しい言葉を息子に投げかけようとしたその時だった。
パパサンタ孝もビックリするようなド迫力の大声で、孝一が、
「孝二!逃げるなぁ!はやくケツ出せ!!!」
と、一喝したのだった。
パパサンタ孝は、大きく頷いた。そうだ。まさにこの愛のムチは「辛いことから逃げるな」という男の人生訓を少年たちにビシッと教え込む儀式でもあったのだ。
「所定の位置に戻って、ケツを出しなさい!」
と、やさしい中にも厳とした口調で、孝二に命令をするパパサンタ孝だった。
「はぁ〜〜〜〜〜〜い・・・・グスン」
と、長男孝一のド迫力に圧倒されたようにシュンとして、自分の椅子の上に跪き、再び、ケツを出す孝二だった。
ヒュッ!ビシッ!!!!
「ギャぁ〜〜〜〜〜いだぁ〜〜〜〜い!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「うわぁ〜〜〜〜〜ん!ごめんなさぁ〜〜〜〜い!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「痛いよぉ〜〜〜〜〜!!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!いだぁ〜〜〜〜〜い!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「もう我慢できないよぉ〜〜〜〜〜〜〜!」
ヒュッ!ビシッ!!!!
「いだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!」
と、後半の六発には、ド派手に悲鳴をあげ、泣きつかれることもなくワンワンと泣きながらも、なんとか飛び上がることもなく耐えられた甘えん坊孝二だった。
そして、約束の12発が終わって、パパサンタ孝から立っていいといわれると、
「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!パパぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
と言って、父親のところに飛び込んで行くのだった。
自分の腰のところに手を回して抱きついてくる次男をグッと受け止め、ギュッと抱きしめてやるパパサンタ孝。
「よし、よし・・・よくがんばったな・・・孝二は強いぞ・・・さあ、もう泣くのは止めなさい・・・」
とやさしく孝二を褒めてやるパパサンタ孝だった。
「う、うん・・・ぼ、ボク・・・グスン・・・強いもんね・・・」
と、孝二だった。
こうして兄貴二人に対するお仕置きは終わった。
部屋から父親が出て行くと、両手で必死に尻を撫でようとする二人の兄貴だった。しかし、そぉ〜〜〜と触れないと、まだ尻が痛んだ。
しばらくは、おケツにやさしい肌触り!のはずのグンゼブリーフも、痛くてあげることはできなかった・・・孝一はケツに等間隔に並んだ五本の赤紫の線を、そして孝二は六本の線を、ニヤニヤ笑うグリンチ孝三に晒さざるを得なかった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
教会脇の島の広場は、クリスマスの朝、いつもの元気な腕白坊主たちのはしゃぐ声もなく静かだった。
島のシンボル・ガジュマルの木の下に設えられた、普段は子供たちもよりつくことなく、誰も座ることのないベンチに、南の島教会の前・主任司祭である喜名伸一(85)が座っていた。
そこに座っていると 島のあちこちから島民たちの生活の音がよく聞こえてくるのだった・・・
もちろん、教会に近いこともあるが、山田家のお仕置きの音が一番派手に聞こえてきた。
ヒュッ!ビシッ!!!!
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜、痛てぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!許して、父ちゃぁ〜〜〜ん、いい子になりまぁ〜〜〜す!」
「まだまだぁ〜〜〜、もっとしっかりケツを出せぇ〜〜〜〜!」
と喜名の少し遠くなった耳にもはっきりと聞き取れるのだった。
「信君のところの息子さんは、痛がり方もお父さんそっくりじゃのぉ〜〜〜〜」
と、ニヤニヤしながらつぶやく喜名だった。
「甘えるな!」
「もう打たないでぇ〜〜〜〜〜!!!グスン」
「まだまだぁ〜〜〜〜〜!打たれたくなかったら、来年は、もっといい子になるんだ!」
と、島の信者で腕白坊主がいるあちこちの家からそんな父子の会話が喜名の耳には聞こえてくるのだった。
もちろん、鈴木家の次男のド派手な叫び声も喜名の耳には届いていた。
ヒュッ!ビシッ!!!!
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜!お尻が燃えちゃうよぉ〜〜〜〜〜〜!許ぢてぇ〜〜〜〜〜!グスン!」
「お!鈴木孝君の家は、息子さんが『愛のムチ』デビューじゃの!がんばれよ!腕白坊主!」
と、心の中で応援するのだった。
喜名は、そのベンチにすわり、微笑を浮かべながら、さかんに満足げに頷いていた。全員、自分がかつて「悪い子」と認定した島のガキ大将たちが、いまは、こうして立派に父親になり、「愛のムチ」を握り、息子たちを厳しくも温かく、その父性愛によって正しい方向へと導いている。
各家庭から聞こえてくる、息子たちの懇願の声と父親の叱咤激励の声、そして、それに続くムチが唸る音を聞きながら、自分の指導法が間違っていなかったことを85歳の喜名は確信するのであった。
そう、その南の島では、クリスマスは、ガキ大将、腕白坊主たちが泣く日なのであった。そして、絶対に来年こそはいい子になろうと決意する日だったのだ。
もちろん、男の子は、所詮、男の子。あの焼けるようなケツの痛みも翌日には忘れ、もう、あらたなるいたずら・やんちゃを考え出し、早いものはもうそれを実行にうつし、運悪くすれば、その晩には、もう父親の膝の上で、父親のデッカイ平手をむき出しのケツに食らっているのではあるが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
クリスマスの朝のプレゼントタイム!が終わると、その後は、教会で催されるクリスマス・ミサであった。
教会の信者のどの家庭でも、愛のムチを受けた後で息子の尻がどんなに痛くてもクリスマス・ミサの欠席は、父親が絶対許さなかった。
鈴木孝一も孝二も、そして、山田信二も田所俊平も、まだヒリヒリと痛む、ジーンズ半ズボンのケツをさすりながら、真っ赤に腫れた目と、頬についた涙の筋を隠すかのようにうつむきながら、父親の後について教会へやってきていた。
お互いにケツをしこたま叩かれた後である。お互いに目が合うと、真っ赤な顔になり、気まずそうに、
「オッス・・・」
と、挨拶を交わすだけだった。
ミサでは、愛のムチ筋が何本もついたまだヒリヒリと痛む尻を、右ケツから左へ、時には左ケツから右へ体重移動させてモジモジしながら、小村司祭のありがたくも長いお説教に耳を傾けていた。
その日ばかりは、どんな腕白坊主でも、神妙にしているのであった。
司祭見習いの田原・27歳は、司祭服の下のブリーフの中の自分の一物の強張りを抑えることができなかった。昨日司祭から愛のムチを受けた尻が痛むのか、常に体重移動して落ち着かないオヤジたちの後姿を見て、ニヤニヤ笑いをするのだった。
そして、その隣に座っている小学生の腕白坊主たちも、父親と全く同様にどちらかの尻に長時間体重がかからぬように落ち着きなく常に体重移動を繰り返す様を後ろから眺めながら、さらにサディスティックな笑みを口元に浮かべるのだった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
荘厳なクリスマスミサが終わると、子供たちには、今度こそお楽しみが待っていた。教会主催の小さなパーティが開かれるのだった。
ミサの後、子供たちのために開かれた小さなパーティで、いつもの父親がつくる食事よりも贅沢な食べ物に食いつく鈴木家の三人兄弟だった。
愛のムチ以外は、結局プレゼントなし!だった鈴木家の兄貴二人にとっては、そのパーティで、やっと楽しいクリスマスを味わえたのだった。
そんな中、ジュースやコーラの飲み物のビンが置いてある机のところで、いつも独りぼっちの孝三が欲張りなことをしていた・・・
「げ〜〜〜〜〜まじぃ〜〜〜〜!」
「なにこの味・・・薬みたぁ〜〜〜〜い!」
と、どの子供も一口飲むともう二度と飲もうとしないドクターペッバーをここぞとばかりにガブ飲みする孝三だったのだ。
父・孝は、飲みすぎると虫歯になる、腹をこわすと、普段は清涼飲料水を飲むことを息子たちに許さなかったのだ。
教会に手伝いに来ているお姉さんが、孝三に話しかけてきた。
「孝三君は、ドクターペッパーが好きなのね!」
「うん!ボク!ドクターペッパーだぁ〜〜〜〜い好き」
「そう、よかったわねぇ〜〜〜〜!孝三君!」
「ねえ、この余ってるの全ぇ〜〜〜〜ん部飲んじゃっていい!」
「えぇ・・全部飲めるの?」と内心驚愕する教会のお姉さん。しかし、神父様から「世界中の餓えた子らが・・・」の説教で、いつも余ったドクターペッパーを残さず飲まされる羽目になるよりはマシと思い、
「いいわよ!たくさん飲んでってね!」
と、にっこり笑いながらも、
「ドクターペッパーが好きなんて・・・変わった子ネェ〜〜、あの子・・・でも、あんなガブ飲みしておなかこわさないのかしら・・・まあ、いいわ、こっちも助かるし・・・ああいう変わった子は放っておきましょう!」
と思い、孝三の傍を離れる手伝いのお姉さんだった。
結局、そのバーティで、15本のドクターペッパーをガブ飲みしてしまった孝三だった・・・