S大南寮スピンオフ 目蒲君スペシャル
ギョウチュウ検査とケツピン棒 by 日光
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内容
明和学園は、六年一貫の男子校で、国鉄・東中野駅から徒歩10分ほどのところにある。
4月半ばの月曜日の朝。1年C組の教室では、朝のST(ショート・タイム)が行われている。入学から1週間ほど経って、新入生たちは少しずつこの学校での生活に慣れていきつつあった。
教壇のところには、保健委員の松野くんが立って、健康観察をしている。
担任で国語を教えている町田先生は、隅に置かれた事務机のところに腰掛けて、プリントの添削を進めている。齢すでに65を超えた老教師である。 はっきりとした定年が無いため、まだしばらくは教鞭をとり続けるつもりの町田先生ではあるが、年齢が年齢のため、学級担任をするのは今年で最後にと決めていた。
松野くんの健康観察は順調に進んでいく。といっても、特に体調の悪い生徒はいないため、
「相川くん」「はい、元気です!」
「石井くん」「はい、元気です!」
「井上くん」「はい、元気です!」
といった具合で、健康観察板に特にチェックを入れる必要は無かった。
全員の健康観察が終われば、松野くんは町田先生にサインをしてもらい、健康観察板を保健室へ届けることになっている。ただし、今日と明日に限っては、健康観察が終わった後でもう1つ重要な任務があった。
「三上くん」「はい、元気です!」
「水野くん」「はい、元気です!」
「目蒲くん」「はい、元気です!」
「森本くん」「はい、元気です!」
「和田くん」「はい、元気です!」
「では、ギョウチュウ検査を集めます。出席番号順に持ってきてください」
松野くんがそう言うと、相川くん,石井くん,井上くんと、順次教壇のところへギョウチュウ検査のセロハンが入った小袋を提出する。そして、松野くんは名簿にチェックを入れていく。皆が次々と提出していく中、
「うわー、やっちまったぜ…」
という顔をしている者が2人ほどいた。もちろん、彼らは、すっかりギョウチュウ検査のことなど忘れていたのだった。
順調に進んでいた提出の隊列が途絶えた。次は水野くんの番である。
「水野くん、忘れたの?」
「あ、うん」
名簿の水野くんのところに×印を書き入れた松野くんは、次の目蒲くんに声をかける。
「目蒲くんは?」
「お、俺も…」
松野くんは、引き続き名簿の目蒲くんのところに×印を書き入れなければならなかった。その後は、森本くんと和田くんが滞りなく提出し、結局1年C組でギョウチュウ検査を忘れたのは、水野くんと目蒲くんの2名であった。
町田先生は、松野くんから報告を受けると、健康観察板にサインをして、
「松野くんご苦労様。健康観察板と一緒にギョウチュウ検査も保健室へ持っていきなさい」
と指示をした。そして、
「水野と目蒲はこちらへ来なさい」
と呼び寄せた。
2人ともやんちゃ坊主であるが、今日ばかりは神妙になっている。はてさてどうなるのだろうと思いながら、町田先生の座る事務机のところまで出頭しなければならなかった。神妙な顔をして直立している2人を交互に見据えながら、町田先生は話し始めた。
「土曜日にあれだけ言ったのに、ワシの話をちゃんと聞いとらんかったのか」
「いえ、聞いていました」「聞いていました」
「じゃあちゃんと持ってこなけりゃな。どうするのかね?」
「明日、忘れずに持ってきます」
目蒲くんがそう答えたのだが、町田先生は首を振った。
「それは無理じゃなー。明日の昼前には業者が取りに来る。だから、1日目を今日,2日目を明日きちんとやらねばならん」
「……」「……」
沈黙してしまった2人に対して、町田先生は指示を出した。
「2人とも、今すぐ会議室へ行きなさい。場所は分かるな?」
「はい」「はい」
返事を終えた2人は連れ立って会議室へと向かった。
会議室への道すがら、水野くんと目蒲くんは自分たちがこの後どういう運命をたどる事になるのかについて、話をするのだった。
「会議室でどうなるんだろ」
「ギョウチュウ検査するんだろうなー」
「え、でも、あれって、お尻丸出しで恥ずかしいし…」
「そうだよな…」
「怖い先生じゃないといいよな」
「だなー……」
会議室の前へ到着すると、目蒲くんはドアをノックして、
「失礼します!」
と言いながら扉を開けた。
そして、中の様子が見えると、すぐに扉を閉めたくなった。扉を開けてすぐに目に入ってきたのは、一番お目にかかりたくなかった人物、体育担当の津島先生だったのである。
(うわー、まじかよ、津島かよ……)
もちろん実際に扉を閉めることなどできるわけもなく、2人は恐る恐る中へと入っていく。不気味な笑顔を浮かべた津島先生が手招きをしているのを見ると、さらに恐怖が募るのだった。
すでに会議室には何人かの生徒がいて、正座していた。そして、会議室の隅の方は、衝立で区画されていた。水野くんと目蒲くんは、津島先生のところへ到着すると、組と氏名を名乗るのだった。
「1Cの目蒲です」
「1Cの水野です」
それを聞いてチェックをつけた津島先生は、
「おお、町田先生のクラスだな!
よし、他のやつらと一緒に正座して待ってろ!」
と指示をした。水野くんも目蒲くんも、返事をすると、おとなしく正座するのだった。
その後もいくつかのクラスから、ギョウチュウ検査を忘れた生徒たちが会議室へ到着し、津島先生に組と氏名を名乗った後、正座という流れが続いた。
すべてのクラスからの到着が終わると、正座している生徒たちの数は、10名を超えていた。1年生が過半だが、2年生と3年生もそれぞれ一人ずつ混ざっていた。津島先生は、彼らの前に立つと、相変わらず不気味な笑顔を浮かべたままで話し始めた。
「ギョウチュウ検査を忘れてしまった諸君には、ここでこれからギョウチュウ検査を受けてもらうから、そのつもりでな!」
ギョウチュウ検査は臀部を露出する必要があり、羞恥を伴うものである。もちろん、津島はその点にしっかりと配慮することを忘れなかった。検査は他の生徒たちから見えないよう、衝立で区画された簡易の小部屋の中で行うのである。
「検査はあそこの中でやるから。名前を呼ばれるまでは、衝立の外側でパンツ一枚で正座して待機だ」
中には恥ずかしがっている者も居たが、身体測定のときもパンツ一枚であり、2年生・3年生にあっては抜き打ちブリーフ検査の経験も豊富であることから、生徒たちはさっさと学生服・学生ズボン・カッターシャツ・ランニングシャツを脱ぎ去った。皆一様に、校章が入れられた学校指定ブリーフを穿いている。フロント部分には、クラスと名前がネームペンで大きく書き込まれている。こうして、白ブリーフ一丁で正座して、ギョウチュウ検査の執行を待つ隊列が、衝立の前にずらりと形成された。
「では、1Aの大西!入って来い!」
津島先生に指名された1Aの大西くんが、やや緊張した面持ちで衝立の中へと入っていく。もちろん、クッキリと記名されたまだ真新しいスクール・ブリーフ一枚の姿である。
「こらこら、ちゃんと返事をしなさい。やり直し。1Aの大西!」
「はい!」
「では、早速検査だな! 四つんばいになって」
大西くんは少しだけためらったものの、すぐに四つんばいになり、津島先生のほうへ尻を突き出す体勢をとった。ギョウチュウ検査の準備万端である。
ブゥ〜〜ン!
ブゥ〜〜ン!
ブゥ〜〜ン!
背後で鈍い音が何度か響くのを大西くんは聞いた。そして、その音はもちろん衝立の外側の、スクール・ブリーフ一丁の隊列にも聞こえていた。
(え、何の音だろう?)
当たり前だが、ギョウチュウ検査をするときにこんな音はしない。大西くんも、衝立の外の隊列も、これから何が始まるのだろうかと緊張が高まるのだった。しばらく続いていた鈍い音が止むと、津島先生は大西くんに問いかけた。
「なあ、大西。何か言うことは無いのか?」
「えっと……、ギョウチュウ検査を忘れて、ご、ごめんなさい」
「反省してるか?」
「はい!」
津島先生は、四つんばいになっている大西くんの耳元へ歩み寄った。そして、眼前に白のビニルテープが巻かれた〈 ケツピン棒
〉を見せながら、声のトーンを落として話しかけるのだった。
「これは、わが校伝統の〈 ケツピン棒
〉だ。今からこの棒でお前の尻を一発叩く」
「……」
「いいか、ケツピン棒のお仕置きを受ける前には、この棒に『お世話になります!』と、大声で挨拶するんだぞ。そして、ケツピン棒が尻に飛んできたら回数を数え、再びこのケツピン棒に『お世話になりました!』と、大声で挨拶する。分かったか?」
「……はい…」
「痛ぇからな。歯を食いしばって耐えろよ」
大西くんは、何度か父親からお尻を叩かれたことがあったが、それは平手での〈 お尻ペンペン
〉であった。学校でお尻を叩かれるのが初めてなら、道具でお尻を叩かれるのも初めてであった。すでに羞恥と恐怖と緊張でガチガチの大西くんが、上ずった声で
「お世話になります!」
と言うと、津島先生は、白ブリーフで覆われた大西くんのかわいらしい双丘へ、ケツピン棒を振り下ろした。
ヒュッ!ビシッ!
今までに味わったことの無いような痛みである。大西くんは床についていた手を尻へと向かわせ、やさしくさするのだった。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「一!お世話になりました!」
そんな状況であっても、きちんとケツピン棒への挨拶を忘れない。立派な大西くんであった。
衝立の外の隊列へは、大西くんのケツピン棒への挨拶の声と、ケツピン棒が尻を襲った際の音のみが聞こえている。もちろん、隊列の中の2年生・3年生は、中で何が行われているのかをはっきりと分かっている。そして、目蒲くんや水野くんをはじめとした1年生は、はっきりとは分からないものの、〈
検査 〉に先立って〈 お仕置き 〉が行われるのだということは把握したのだった。
「よし!じゃあ検査やるぞ!」
その声を聞き、大西くんは再び床に手を付いて四つんばいの体勢を整えた。津島先生は大西くんの白ブリーフの腰ゴムに手をかけると、ブリーフをガバッとひざのあたりまで引き下げるのだった。
(そ、そんなに下げなくても……。恥ずかしいよぉ……)
恥ずかしがっている大西くんに構わず、津島先生はギョウチュウ検査用のセロハンの〈 1日目 〉の方をめくり、特殊糊の付いた部分を大西くんの肛門へと押し当てた。しっかりと寄生虫卵を採取するべく、津島先生は、太い太い人差し指と中指をグイグイと押さえつけるのだった。デリケートな肛門の部分を、セロハン越しに指で刺激されて、大西くんは何ともいえないような感覚に襲われていた。
「あぁ……んっ……」
思わずそんな声を漏らしてしまい、ただでさえ恥ずかしいというのにその恥ずかしさが何倍にも増幅され、大西くんはすっかり赤面していた。そして、精通を迎えてまだ間もない大西くんの竿は、気づけば硬く大きくなっていたのだった。実際にはほんの30秒ほどのことであったが、大西くんには5分にも10分にも感じられた。
バッチーン!
セロハンを押し当てる作業を終えると、津島先生は大西くんの尻を平手で叩き、
「よし終わりだ!ブリーフを上げて、外で待ってろ!」
と、検査の終了を宣告するのだった。
竿を硬くして赤面したままの大西くんは、スクール・ブリーフを慌てて穿くと、衝立の外へと出て行った。外で待ち受けている隊列からの視線が、いっせいに大西くんへ注がれる。
(うわあ、目に涙が浮かんでる……)
(顔が真っ赤だ……。ギョウチュウ検査、やっぱり恥ずかしいよな……)
(ブリーフの前が膨らんでるじゃん……)
誰も声を発することはしないものの、おのおのが大西くんの姿を見て、衝立の中でのことを読み取ろうと必死であった。そして、涙や赤面した顔やブリーフの前面の膨らみなどを見て、緊張と恐怖と羞恥の気持ちが高まる一方であった。
「よーし!次は1Cの目蒲、入ってこい!」
いよいよ目蒲くんの番が回ってきた。他の1年生たちと同様、真新しいスクール・ブリーフに身を包んだ目蒲くんは、大きな声で返事をすると、覚悟を固めて衝立の中へ入っていった。
「良い返事だな!」
「ありがとうございます!」
「町田先生から、いろいろ話は聞いているぞ」
「え、そうなの……ですか」
思わずタメ口になりそうになり、慌てて取り繕う目蒲くんであった。津島先生は、決してタメ口をきくことが許される相手ではない。目蒲くんにもその程度の分別はある。津島先生は、そんな目蒲くんのさまを微笑ましく思いながら、言葉を継いだ。
「町田先生によれば、〈 やんちゃでずる賢い 〉らしいな」
「いえ、そんなことはありません!」
「じゃあ、どんな子なんだ? 目蒲くん、先生に教えてください」
「もちろん、賢くてきっちりとした良い子に決まっているじゃないですか!」
あっさりそう言ってのける目蒲くんを前に、津島先生は
(こいつは度胸があるな。フフフ、これからたっぷり鍛えてやらなくちゃな)
と思いながら、さらに問いかけた。
「きっちりとした良い子がぎょう虫検査を忘れるのですか?
先生に教えてください」
「弘法も筆の誤りと言うじゃないですか」
「じゃあ、〈 筆を誤った 〉お仕置きを受けてもらうおうかな」
そう言いながら、津島先生は目蒲くんの前に、白のビニルテープが捲かれたケツピン棒をかざした。そして、大西くんたちにしたのと同様の説明を済ませると、
「まあ、お前の場合はコイツにお世話になる機会もかなり多いだろうからな。しっかり、覚えておけよ!」
と、相変わらず不気味な笑顔を浮かべながら告げるのだった。
「さ、さっさとケツを出せ!」
目蒲くんは、四つん這いになって、白ブリーフに覆われたケツを突きだした。小学生の頃から野球で鍛えてきたそのケツは、中1にしてなかなかに立派なものであった。
「お世話になります!」
威勢の良い目蒲くんの声が響く。津島先生は、目蒲くんのスクール・ブリーフに覆われた立派な双丘をめがけて、ケツピン棒を振り下ろした。
ヒュッ!ビシッ!
(うぉ……思ってたより痛いぜ……)
やんちゃ坊主の目蒲くんは、幾度となく父親から尻を叩かれてきた。したがって、尻叩きには耐性がある。だが、それでも痛いと感じた。
「こらこら、さっきの話をもう忘れたのか!」
「あ、一!お世話になりました!」
ケツピン棒への感謝の挨拶を完全に失念していた目蒲くんであった。
「もう一発やり直しだな!」
「そんなー、勘弁してくださいよー」
「ダメだダメだ。サービスしといてやる!」
目蒲くんは、
(そんなサービス、いらねーよ……)
と思いながらも、
「お世話になります!」
と再びケツピン棒に挨拶をした。
ヒュッ!ビシッ!
「二!お世話になりました!」
二度目はすかさず感謝の挨拶を済ませることができた。かくして、目蒲くんのケツピン棒デビューは、いきなり二発の大盤振る舞いとなったのだった。
「よし!じゃあ検査やるぞ!」
〈 お仕置き 〉が済めば、引き続き〈 検査
〉である。津島先生は、さっそく目蒲くんの白ブリーフをひざの辺りまで引き下ろし、尻を丸出しにした。これまで検査を受けた生徒たちは、皆一様に何も言わなかったが、口が達者な目蒲くんは、顔をうっすらと赤らめながらも、
「こんなに下ろさなくてもいいじゃないですか!」
とはっきりと思った通りに口にするのだった。
だが、津島先生は、
「ちゃんと尻を出さないとやりにくいからな!
元はといえば忘れてきたのが悪いんだから、我慢しろ!」
とあしらうと、ギョウチュウ検査用のセロハンの〈 1日目
〉の方をめくり、検査の執行を始めてしまった。
他の生徒たちのときと同様、津島先生は、これでもかというくらいにグイグイと、セロハンを押さえつけた。その刺激は、目蒲くんにとっては、痛みと言うよりもむしろ快感に近いようなものとして感じられた。
(おお……なんなんだ……この感覚は……)
ケツピン棒での尻叩きのお仕置き、そして、生の尻を晒してのぎょう虫検査と、とても恥ずかしい目にあっている。そんな状況であるにもかかわらず、なぜだか気持ちよさを感じている。羞恥と屈辱、そして、どことなく後ろめたいような感覚の中で、目蒲くんは、ただただ時間が早く過ぎることを願っていた。
バッチーン!
すでにケツピン棒が二度炸裂したために、痛みと赤みのある目蒲くんの尻に、今度は〈 検査終了
〉の印が押された。もちろん、津島先生の大きな平手が、検査終了印の役目を果たした。
「よーし!じゃあ、外で待機な!」
目蒲くんは、色々な感情が交錯するなかで白ブリーフを引き上げ、津島先生に
「失礼しました!」
と声をかけると、衝立の外へと出て行った。
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大西くんや目蒲くんと同じように、他のギョウ虫検査を忘れた者たちも、ケツピン棒を喰らった後にギョウ虫検査を執行された。
上級生にあたる二名は、もちろん中級者用の赤色のケツピン棒でのお仕置きである。2年生は二発,3年生は三発を己のケツに頂戴して、反省を深めた。
全員のギョウ虫検査が終了すると、津島先生は再び、スクール・ブリーフ一丁で正座している隊列の前に立ち、話を始めた。
「明日はしっかり2日目を実施して、忘れずに持ってくること!」
「はい!」
「もし忘れたら、明日もケツピン棒の世話になることになるからな!」
「はい!」
「2日連続の場合は、サービスで回数も倍増になるからな!」
「はい!(そんなサービス要らねーよ……)」
「では、さっさと制服を着て教室へ戻りなさい。1時間目が始まるぞ!」
こうして、ギョウ虫検査執行会は終幕となった。
翌朝、ギョウ虫検査を忘れてきた生徒はやはり居て、同じように執行会が開催された。もちろん、まずケツピン棒を尻に戴いてからのギョウ虫検査執行である。ただし、2日連続で忘れてくる不届き者はさすがに居らず、1日目と2日目の参加者は完全に別メンバーであった。
2日目に執行会に参加することとなった者の多くは、1日目の参加者に、
「いったい、どうなるのか」
と尋ねた。だが、1日目の参加者は、皆一様に、
「まあ、行けば分かるさ」
といった趣旨の、答えにならない返事を返したという。
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お尻にペッタンとセロハンを当てる、仄かに恥ずかしい感じのするギョウ虫検査。2014年現在では、小学校の1年生から3年生までの全児童を対象に実施されているようです。学校における健康診断の実施項目は、〈 学校保健安全法施行規則 〉の第6条で決められています。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33F03501000018.html
一 身長、体重及び座高
二 栄養状態
三 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
四 視力及び聴力
五 眼の疾病及び異常の有無
六 耳鼻咽頭疾患及び皮膚疾患の有無
七 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
八 結核の有無
九 心臓の疾病及び異常の有無
十 尿
十一 寄生虫卵の有無
十二 その他の疾病及び異常の有無
十一の〈 寄生虫卵の有無 〉が、ギョウ虫検査ですね。
さらに、学校保健安全法施行規則の第6条を読み進めると、
……前略……
小学校の第四学年以上の学年並びに中学校、高等学校及び高等専門学校の全学年においては第十一号に掲げるものを、……中略…… それぞれ検査の項目から除くことができる。
との記述があり、要するに、ギョウ虫検査は小学校の1〜3年生では必須項目であるが、それ以上においては必須ではないということですね。そのため、小学校4年生以上においては、ギョウ虫検査を実施しない学校が大多数ではないかと推測されます。(実際の所どうなのかは不明ですので、あくまでも推測です)
この学校保健安全法施行規則が改正され、座高の測定とギョウ虫検査は実施項目から省かれることが決まりました。平成27年度が、座高測定とギョウ虫検査のラストイヤーとなります。
衛生環境がよくなったことにより、今では、寄生虫卵の保有率は著しく低くなっています。
小学生の寄生虫卵保有率は、昭和33年度が29.2%,昭和58年度が3.2%,平成25年度が0.2%というデータがあります。
出典 :
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140512/edc14051210280003-n1.htm
これだけの低い保有率であれば、全国一律で、全児童に対して実施する必要性は、確かに薄いのかもしれませんね。
ギョウ虫検査のラストイヤーを翌年に控え、ぜひとも一篇の作品を記念に書いてみたいという思いで筆を執ったのがこの作品です。当初、現代の設定での作品をという構想もあったのですが、いろいろと考えたうえで、太朗さんの明和学園の設定をお借りすることとしました。
津島先生と目蒲くんの関わり,学年が上がるにつれてランクアップする(?)ケツピン棒,学校指定白ブリーフ(もちろん記名入り!)など、一人のファンとして、原作の世界観を大切にしながら仕上げたつもりです。
このような形で、作品を書くことを快諾してくださった太朗さんに感謝します。
なお、先述したとおり、中学校でのギョウ虫検査の実施は、おそらく当時も必須ではなかったと思われますが、まあ、目蒲くんたちの学校ではキッチリ実施していたということで(^^;)
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太朗の謝辞に代えて・・・こちらよりどうぞ。