金サポ翔太「真夏の夜の悪夢」1

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一、シューベルト事件 後半3(14番篠山から18番住谷までケツ竹刀敢行!)

 13番小平までゴリの仕置きが終ったわけッスけど、ケツ竹刀が終ったヤツも、これからのヤツも、みんな薄目あけて、クラスの仲間のヤツらの様子を観察しているようだったス。後ろから見ていると首の動きでわかるんスよね。ほんとアイツらかわいいッス(笑)。

 これからケツ竹刀のヤツは、竹刀の音と、戻ってくるヤツの様子から、

「今日のゴリ、マジいかってるぜ・・・」

「あの音・・・マジやっべぇ〜〜〜!」

「痛てぇ〜〜んだろうな・・・ゴリのケツ竹刀・・・」

って、そんなこと考えながら、足の痺れと戦ってるんスよね。

 一方、ケツ竹刀終ったヤツは、ケツさすりながら、

「畜生・・・ケツがジリジリ、いてぇ〜〜〜!」

なんて言いながら、クラスのヤツらに「報告」しつつ、自分の机に戻って、(上履き脱いで)椅子の上に再び正座っすけど、ケツのちょうど竹刀が炸裂した部分にかかとがあたるんで、そぉ〜〜と座らないと、

「いてぇ!」

って、小声で叫んで腰を浮かすッス。それからそぉ〜〜と腰を降ろして正座ッス・・・。

 それで、前の方のヤツは、チラッと目をあけて、後ろを振り向き、

「おまえもか!俺もだぜ!」

って感じで、いま戻ってきて座ったヤツのことを見て、お互いニヤリとするんスよね。クラスの絆っつか、連帯感が、ビンビンに高まる時ッス。

 説教と反省あわせてタップリ五十分の正座ッスから、ケツの痛みだけでなく、足の痺れも半端じゃなくて、アイツらの両足の脛はもう真っ赤ッス・・・。まあ、これもお仕置きのうち。谷岡先生のクラスをめちゃくちゃにした当然の報いッス。

「次!14番篠山!出てこぉ〜〜い!」

て、ゴリの声が廊下から響いてきたッス。

「ィ〜〜ス!」

 14番篠山は、ゴリが顧問をするサッカー部。さすが、動作がキビキビしていて、足の痺れも平気みたいッス。正座慣れっすかね・・・。

 ところで、サッカー部のことッスけど。サッカー部は、二高の中では、硬式テニス部に次いで、オシャレでイケメンな野郎が多い部ッス。

 まあ、どこの部かってのはあえて具体的にはいいませんけど(笑)、後輩の前で先輩が染み付きパンツを平気で晒している部では、後輩たちのブリーフも黄色いッス・・・。一方、先輩たちがオシャレだと、後輩たちもオシャレ。ブリーフも毎日コマメに取り替えて、真っ白ッス。

 だから、サッカー部の部員のブリーフは、真っ白でいつも清潔ッスよ。篠山のブリーフも真っ白で染みなしだったッス。

「お願いします!」

パァ〜〜〜ン!

「ありがとうございました!」

と挨拶して、篠山は、

「ひぇ〜〜〜半端じゃねぇ〜〜!」

とか言いながら、両手でブリーフのケツ揉みながら、席に戻っていったッス。

「次!15番佐藤!」

「ィ〜〜ス!」

 15番佐藤は、楠木と同じ剣道部ッス。けど、楠木と違ってさすが正座し慣れているのか、平然と立って、ブリーフ一丁になり、廊下に出てきたッス。篠山の真っ白なブリーフを見た後だけあって、佐藤のフロントの染みは、かなり濃かったッス。もちろん、先輩の命令で、はきッパしているからッス けど。

 ゴリは、佐藤のことをギロリと睨んで、そして、ニヤリとすると、

「佐藤!まさかおめえも、朝練遅刻したっていうんじゃねぇ〜だろうな?」

って聞いてきたッス。

 佐藤は、

「ィ〜〜ス!」

とだけ返事をして、楠木のように、ブリーフのケツ、ペロンとめくって、ゴリの前に生ケツを突き出したッス。

 佐藤のケツにも一本、うすいピンク色の横線がついていたッス。佐藤は、楠木の手はもう使えないってわかったんでしょうね。けど、そのまま朝練遅刻のことをゴリに秘密にして、自分だけブリーフのケツに竹刀を食らうっつうことは、楠木の手前できなかったらしいッス。まあ、同じ剣道部同士ってとこでしょうかねぇ〜〜。

「なんだ、おめえも、朝練遅刻かぁ!よし!生ケツ突き出すとはいい覚悟だ!」

とゴリは竹刀を構えて、

ベッチィ〜〜ン!

っと、佐藤の肉厚のケツを容赦なく打ち据えたッス。

「あ、ありがとうございました!」

と佐藤は元気に挨拶したッス。

 やたら気合が入った佐藤に、ゴリは苦笑いして頷くと、

「よし!明日は遅刻するんじゃねぇ〜〜ぞ!」

と、声をかけてやったッス。

 佐藤は、真っ赤な線が追加された生ケツを晒したまま、

「ィ〜〜〜ス!」

と返事をして、教室に戻っていったッス。もちろん、もうひとりの剣道部員・福田には、自慢げに、己の生ケツに焼き付けられた二本目の線を自慢するように見せびらかし、楠木とは、お互い、ガッツポーズで合図しあってたッス。

「次!16番信田!」

と、ゴリのケツ竹刀は、順調に進んでいくッス。

 信田は美術部ッス。運動部のヤツらと違って、 不安そうな顔で、パンツ一丁、廊下に出てきたッス。1Cの文化系部活野郎6人衆(囲碁将棋部・相原、科学部・井上、放送新聞部・岡島、技術工作部・久米、音楽部・小平、美術部・信田)のうちの一人ッス。

 信田は、色白で、二高では少数派のメガネ野郎ス。信田は、ゴリの前にくると、いきなり、

「せ、先生・・・メガネとらなくいいですかぁ?」

なんて、トンチンカンな質問をして、教室で正座している連中の笑いを誘っていたッス。

「バカヤロー!今日はビンタじゃねぇ!くだらんこと聞いてないでトットとケツを出せ!」

と、信田に命令したッス。

 信田は、

「オレって、いつも場違いなこと、言ったり聞いたりするんだよな・・・」

って、ちょっときまり悪い顔をしながら、教室の廊下側の 窓のさんに両手をつこうとした時だったッス。

 ゴリが、

「信田!パンツの名前がなんでカタカナなんだ!名前は漢字で書く決まりだろうが!」

と、信田のブリーフに書かれた名前に注文をつけてきたッス。

「あっ!こ、これはお、おふくろがま、間違えて・・・」

「バカヤロー!高校生にもなって、まだパンツの名前をおふくろさんに書いてもらってんのかぁ!」

 ゴリのこのつっこみにクラスの連中はガマンできずに笑い出したッス。信田は、もう真っ赤な顔になっちまったッス。

「す、すいません・・・」

「それにだ!たとえ、おふくろさんに書いてもらったものであったとしてもだ!男だったら、おふくろさんのせいになんてするな!」

って、ゴリは、信田に対して、お得意の「男はこうあるべし」論を説いたッス。

 信田は、ケツを出しながら、恥ずかしそうに、

「は、はい・・・・お、お願いします!」

って、ゴリにケツ竹刀を願いでたッス。

「よし!名前は明日までに直しておけ!」

 そう言うと、ゴリは、一度、信田のケツの下の方に竹刀をあわせたッス。信田のケツに、硬くて、いままでクラスメートのケツに何度も噛み付いて、熱気のこもった竹の感触が伝わり、信田を思わずブルブルッと身体を震わしたッス。

ブゥ〜〜〜〜ン!

 竹刀の空を切る鈍い音が信田の耳に入ってきたッス。

「あ・・・来る・・・」

と身構える信田のケツに、

パァ〜〜〜〜ン!

と、ゴリの竹刀は、信田の「期待」を裏切ることなく、厳しく着地したッス。

「い、いってぇ〜〜〜!!」

と思わず叫びながら、挨拶するのも忘れて、教室に戻ろうとしたッス。

 そんな信田に、ゴリは、

「信田!挨拶はどうした!」

と、嗜めたッス。

 信田は、教室の後ろのドアのところで、ハッとして振り向き、

「あ、ありがとうございました!」

って挨拶し、両手でケツをさすりながら、席の方へ戻っていったッス。

 ゴリは、

「ったく・・・甘えん坊めが・・・」

とでも言いたげな顔で、信田のことを見守っていたッス。

 次の17番鈴木は、1Cフィルホ5人組の一人ッス。やっぱし、金サポだったッス・・・。ヤバ・・・。

「夏合宿は厳しいぞ!それまでにしっかり気合入れとけよ!」

って言う俺に、アイツら、

「先生!なんか気合入れるいい方法ないッスかぁ?」

って聞いてくるんで、俺、ほんの冗談のつもりで、マジ、ほんの冗談のつもりだったんスよ・・・俺、アイツらに、

「まあ、だったら、夏合宿まで、ずっと一枚の金サポはき続けたらどうだ?」

って言ったッス。

 あいつら、最初は、ちょっとビビッた感じで、

「そ、それって、部活の時以外も、ずぅ〜〜と金サポってことッスかぁ?」

って聞いてきたッス。だから、

「あったりめえだろ!部活ん時だけはくんじゃ、はきッパにならねぇじゃんか!部活ん時はもちろん、部活以外の時も、気合を充電し続ける!でないと、たっぷり1週間の夏合宿はもたないぜ!まあ、はきッパ決めるか決めないかは、おめえらにまかせる!」

って、渋く決めといたッス・・・もちろん、アイツらをちょっとからかうつもりだけだったッス。

 あいつら、それ聞いて、かなり自信なさげに、

「ィ〜〜〜ス!ありがとうございました!」

とだけ俺に挨拶して、なにやらコソコソお互い相談しながら、戻っていったッス・・・。

 だから、まさかアイツらが本当に金サポはきっパを決め込むとは予想しなかったッスよ・・・もちろん、半分はすげぇ〜〜うれしかったッスけど・・・ゴリの手前、俺は、正直、ヤバイと思っちまったッス。

パァ〜〜〜〜ン!

「あ、ありがとうございました!」

って、鈴木は、榎本同様、金サポ一丁の生ケツに竹刀食らって戻ってきたッス。

 榎本同様、鈴木は、俺にガッツポーズして、その後、俺にケツの赤い一本線を見せびらかすように、俺の前にケツつきだしてきたッス。

「鈴木!そこでなにしてる!早く席にもどれ!」

って、ゴリからは早速、注文が入るッス。

 俺は、

「わかったから、早く戻れ!」

って、鈴木の金サポの腰ゴムをポンポンと叩いてやったッス。

 俺は、1Cのフィルホのヤツらの純心さに、ゴリのことを気にしちまう俺自身のことを、本当に嫌になっちまったッス・・・。

 実は、その日、すげぇ〜〜金サポな気分だったんで、俺も、ズボンの下は金サポ一丁だったッス。けど、決めたッス。俺も、夏合宿が終るまで、気合を入れるため、金サポはきッパ決め込むッス!!

「次!18番住谷!!出てこ〜〜い!」

と、ゴリの口調は、いままでより厳しくなったッス。まあ、いよいよ今年度の「シューベルト事件」の真打ち登場ってとこッスかね。

 教室からは、

「お〜〜〜〜!すっげぇ〜〜〜!!」

って、クラスの連中からの感嘆の声が聞こえてきたッス。

 俺も、パンツ一丁になった住谷の姿に、目が点になったッス・・・。

 机の上に正座させられていた住谷は、悪びれる風もなく、恥ずかしげもなく、こともなげに体操着上下を脱ぎ、廊下に出てきたッス。

 住谷のはいていたブリーフは、なんと、黒のビキニブリーフだったッス。

 ゴリが唖然としてみている前で、バスケ部で背がクラス一高い住谷は、

「ィ〜〜ス!」

とだけ、挨拶して、窓のさんに両手をついて、黒ビキニ一丁のケツをゴリの前に突き出したッス。

 住谷は「規則は破るためにある!」 がモットーのクラス一やんちゃでちょっと反抗的な野郎ッス。

 けど、 体制に反発するため、学校を自主退学しちまったり、「フフフ・・・学校に爆弾しかけてやる!」なんてエクストリームなところまでいっちまうヤツではないッス。

  まあ、おぼっちゃまのプチ反抗ッスね。ゴリを初めとする二高教師たちの「堪忍袋の緒」がどのくらい丈夫なのかをゲーム感覚で試して楽しんでいるヤツっす。

 ゴリはしばし唖然として言葉がでなかったみたいッス。その理由は、実は、ゴリがいつも穿いているお気に入りパンツってのが、黒ビキニだからッス。

 自分と同じ種類のパンツを生徒が、しかも一年生が、校則破ってはいてったってわけッスから、さすがのゴリもビックリしたらしいッス。

 もちろん、住谷が、ゴリへのあてつけでゴリと同じパンツをはいてきたのか、それとも、単なる偶然だったのか・・・それは住谷に聞いてみないとわからないッス。

 ゴリは、思わず、

「おめえはホストかぁ!?」

って口ばしっちまって、教室で正座してる1Cのヤツらは、反省そっちのけで、大爆笑ッス! 俺も笑いを堪えるのに必死だったッス。

 そんなクラスの雰囲気に、ゴリは、真っ赤な顔になって、

「バカ野郎!そういうパンツを穿くのは、おまえには10年、いや一生早い!!おもらしブリーフだ!おもらしブリーフに着替えて来い!!!」

と、お約束の命令を住谷に下したッス。名無しブリーフの木田に続き、1C二人目の「おもらしブリーフ」がでちまったッス。

 住谷は、平気な顔で、

「ィ〜〜〜ス!」

と返事をして、俺のところへ来て、タオルを腰に巻いて、おもらしブリーフに着替えていったッス。まあ、全く反省の態度なしっつうとこッスね。

 おもらしブリーフ一丁になった住谷は、

「ま、マジか・・・」

とかつぶやいて、ちょっと恥ずかしそうだったッスけど、ゴリのところにもどって再びケツを突き出すと、

「お願いします!」

って、デッカイ声で、ゴリにケツ竹刀を願いでたッス。

 もちろん、住谷へのお仕置きは、ただではすまなかったッス。

「規定のブリーフを穿いていなかった罰として、竹刀一本追加!さらに、谷岡先生に失礼なことを言った罰として、竹刀もう一本追加!」

と、ゴリは住谷に宣言したッス。

「ひぇ〜〜ケツ竹刀3発・・・きびしぃ〜〜!」

と、教室からは、悲鳴にも似たデッカイ声のつぶやきが聞こえてきたッス。

 住谷は、「よし来い!」とばかりに足を踏ん張り直し、ケツをグッとゴリの方へ突き出したッス。そして、口をへの字にギュッと結んだッス。

「よし!いい覚悟だ!数えろ!」

とゴリは言うと、竹刀を後ろへ大きく振りかぶり、住谷のおもらしブリーフのケツに狙いを定め、

ブゥ〜〜〜ン!

と、思い切り腰を入れて、竹刀を振り下ろしたッス。

パァ〜〜〜〜〜〜〜ン!

と、ド派手な音を立てて、ゴリの竹刀は、住谷のケツに食いこむように着地したッス。

「ま、まじかぁ・・・」

と、竹刀の打音のものすごさに、クラスの連中は生唾ゴクン状態だったッス。

 住谷は、しばらく、つらそうにギュッと目をつむり、頬をフグのようにプゥ〜〜と膨らまして、真っ赤な顔で、ケツから脳天へ突き抜けていった熱くて重い痛みに耐えていたッス。

「住谷!どした!」

のゴリの声に、住谷は、

「一!!ありがとうございました!」

と、デッカイ声で挨拶したッス。

「よし!」

 再び、ゴリは竹刀を大きく後ろへ振りかぶり、

パァ〜〜〜〜〜〜〜ン!

と、情け容赦なく、住谷のケツを打ち据えたッス。

 住谷は、ケツの燃えるような痛みと、必死で戦いながら、

「二!あ、ありがとうございました!」

と、挨拶したッス。そして、思わず、

「ヒィ〜〜〜〜、ケツがいってぇ〜〜〜〜!!」

と叫んだッス。

 ゴリは、ニヤリと笑い、

「どした!住谷!もうギブアップかぁ!」

と住谷に声をかけたッス。

 住谷は、その言葉に、ブリーフ一丁のケツは出したまま、後ろを振り向き、キッとゴリを睨み返すと、

「まだまだぁ!!お願いします!」

と、自分に気合でも入れなおすように、叫んだッス。

 それに対し、

「よし!それでこそ男だ!」

と言うと、ゴリは、思い切り腰を入れたフルスイングで、

パァ〜〜〜〜〜〜ン!

と、住谷のケツを、みたび、竹刀で打ち据えたッス。

「さ、三!ありがとうございました!」

と、ケツの焼けるような痛みと戦いながら、住谷は、気合を振り絞るように、ゴリに挨拶したッス。

「い、いってぇ〜〜〜!」

と、住谷は、思わず叫び、ケツを押さえようとしたッス。けど、フルスイングのケツ竹刀三発食らった住谷のケツは、ちょっと触れただけで、ズキリと痛みが走るようだったッス。

「あ、あっ・・・いっ、いて・・・」

と、住谷は、思わずケツを引くように仰け反ったッス。

 それを見て、ゴリは、

「住谷!ケツが痛てぇ〜かぁ?!まあ、しばらくのガマンだな・・・そのケツの痛みを十分噛みしめてよぉ〜〜く反省しろ!さあ、席へ戻れ、正座だ!」

って、言ったッス。

 住谷は、それがカチンときたのか、ゴリの方を振り向き、ゴリを睨みつけ、

「ケツが痛すぎて正座なんてできないッスよ!」

と、くってかかるように言ったッス。

 ゴリは、

「よし!それならば、正座しなくていい!そのかわり、全員が竹刀を受け終るまで、パンツ一丁で、校庭を走って来い!」

って、命令したッス。

 おもらしブリーフ一丁の罰ラン命令に、住谷は、たじろいだ様子で、沈黙しちまったッス。

 ゴリは、

「どしたぁ!パンツ一丁の罰ランは恥ずかしくていやか?ならば、グズグズ言っとらんで、おとなしく教室で正座してろ!」

と、住谷の男のプライドを逆なでするように言ったッス。

 その言葉に、住谷は、再び、ゴリをキッと睨み返し、

「男に二言はないッス!ケツが痛くて正座はできないッス!走ってきます!」

と宣言すると、恥ずかしさを気合で吹き飛ばすかのように、

「東和!!!ファイト!ファイト!」

と、一人で掛け声かけながら、廊下を走って、校庭に出て行ったッス。

 すでに1Cでのケツ竹刀は、校舎で授業を受けているすべてのクラスに知れ渡っていたッス。1C前廊下でのケツ竹刀を見物したくてうずうずしていた二高生たちは、住谷が他のクラスの前 の廊下を通り過ぎる度に、歓声と 爆笑と拍手で住谷を迎えたッス。そして、住谷が、校庭を走り始めると、1年生のクラスから3年生のクラスまで、校舎のすべての窓から、

「住谷!がんばれ!ファイト!」

の声援と拍手、そして、同時に、

「住谷!もう、お漏らしすんなよ〜〜!」

って、住谷を野次る、爆笑の声も響いてきていたッス。

 その日の5時間目は、たまたま校庭で体育の授業は他のクラスでもなく、だれもいない校庭を、住谷は一人、真っ赤な顔と、真っ赤なケツで、

「東和!!!ファイト!ファイト!」

と、気合のパンツ一丁罰ランに挑んだってわけッス。

 えっ?パンツ一丁の校庭罰ランってのはちょっとやりすぎじゃないかって?親が抗議に来ないかって?

 大丈夫ッス。ケツ竹刀の後、パンツ一丁の校庭罰ラン食らったなんて格好悪いこと、住谷の性格からして親には絶対いえないッス。だから、親は抗議に来ません!かりに来たとしても、ゴリは、「モンスターペアレント」以上にモンスターっすから 問題ないッス!!

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