金サポ翔太「真夏の夜の悪夢」1
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一、シューベルト事件 後半4(19番瀬戸内から35番渡辺までケツ竹刀敢行!)
「次!19番瀬戸内!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
クラスの半分の野郎のケツを竹刀で打ち据えて、ますます絶好調のゴリっす。
一方、1Cの野郎たちは、正座がかなりきつくなってくる頃だったッス。サッカー部の瀬戸内は、足がかなり痺れたらしく、足をしっかりふんばってケツを出せなかったらしく、
パァ〜〜〜〜ン!
と、ゴリの竹刀が瀬戸内のケツに着地するやいないや、腰くだけっつか、ケツを引くような格好になっちまったッス。
「バカもん!ケツを引くとは卑怯だぞ!瀬戸内!」
と、ゴリから言われ、瀬戸内は、
「ひ、引いてませんよ!痛かったですよ!」
と、真っ赤な顔で、口とんがらかせて、主張したッスけど、結局、
「やりなお〜〜し!グズグズ言っとらんで、もう一度、ケツを出せィ!」
と、ゴリからもう一丁宣言を食らっちまったッス。
「ィ〜〜〜〜ス!」
と、ケツを出した瀬戸内に、ゴリの竹刀は、
ベッチィ〜〜〜ン!
とフルスイングで容赦なかったッス。こころもち、一発目より、強かったような気がしたッス。ゴリは、顧問をしているサッカー部の連中には、日頃から、他の生徒よりもキツクあたることが多いッス。「あ、ゴリのヤツ、ひいきしている!」なんていわれるのが、ゴリとしては、いやなんでしょうね。
瀬戸内は、半べそで、
「汚いッスよ・・・ヒィ〜〜半端じゃねぇ〜〜」
ってつぶやきつつ、ケツに響かないよう、ソロソロっと歩いて、席に戻っていったッス。
席に戻っても、瀬戸内は、なかなかきちんと正座できないらしく、何度も、
「いってぇ〜〜!」
と言いながら、腰を浮かしていたッス。
「次!20番外山!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
「ィ〜〜〜ス!」
外山の返事は、どこか誇らしげだったッス。そうッス。外山は、1Cフィルホ5人衆の一人ッス。外山は、クラスの「薄目」視線を、自分の金サポにビンビン感じながら、クラスの前の教壇のところを通って、廊下に出てきたッス。
薄目開けてるクラスの連中も、外山を始めとするフィルホのヤツらの「サポーター」に興味津々だったに違いないッス。
「あ、あれがもしかして、先輩がこの前言ってた『金サポ』かよ・・・カッコいいじゃん!」
「金サポはけるんだったら、フィルホもいいよなぁ〜〜、俺、マジで部を移ろっかなぁ・・・」
なんて、あいつら、きっと思っていたに違いないッス。こうなったら、1Cのヤツラ全員に、俺の金サポはきッパ体験のことコクって、1C全員に金サポはかせるしかないッスよね!!
パァ〜〜〜〜ン!
なぁ〜〜んて思っている間に、外山の金サポ一丁、生ケツにゴリの竹刀が炸裂したッス。
戻ってきた外山は、
「ヒィ〜〜〜!」
って悲鳴をあげながら、左手でケツさすりつつも、右手では俺にガッツポーズ決めて、席に戻って正座し直したッス。
「次ィ!21番高山!時間がねぇ〜ぞ!ダッシュで出て来ぉ〜〜〜い!!!」
ついに、ゴリの「時間がねぇ〜ぞ!ダッシュだ!」が出ちまったッス。これは、実際に時間がないってことではなくて、ゴリがかなりノッてきたってことッス。
高山は、木田と同じバレー部のヤツで、二高にあってはやや色白で、背は中位、なかなかのイケメンっす。希望ポジションはセッターっす。まじめなヤツで1Cの連中からもクラスで1番、信頼されているヤツっす。
高山は、廊下に出てくると、
「自分は、学級委員長としての責任があります!ケツ竹刀、二発お願いします!」
って、ゴリにケツ竹刀の追加を願い出たッス。
それに対して、ゴリは、
「バカもん!生意気なことをほざいてんじゃねぇ!!竹刀の回数を決めるのは、おめえじゃなくて、俺だ!グズグズしとらんで、ケツを出せィ!」
と、高山の願い出を一蹴したッス。
「ウ、ウッス!」
と、高山は、真っ赤な顔で戸惑ったように返事をすると、特に、口答えすることもなく、ケツを出したッス。
ベッチィ〜〜〜〜ン!
高山に対するケツ竹刀は、他の連中のよりもやや強めだったッス。ケツ着地音と、竹刀のブリーフへの食い込み度でわかるッス。
竹刀をケツに受けた高山は、
「うぅ・・・あ、ありがとうございました。」
と、ちょっとつらそうにゴリにペコリと頭を下げて戻ってきたッス。ケツをさするのをグッと堪えてガマンしているようだったッス。
俺の前を通る時、
「ません!」
って挨拶して、俺にもペコリとお辞儀するんで、俺は、
「気にすんな!」
って気持ちを込めて、高山のスポ刈りの頭をグッと押さえてやったッス。高山のホロ苦ケツ竹刀デビューだったッス。
「次ィ!22番田辺!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
と、ゴリは田辺を呼び出したッス。
体操着を脱いで、教室の前を歩き、廊下に出ようとする田辺の姿に、教室の「薄目」軍団からは、再び、
「おぉ〜〜〜〜〜、アイツ、やるじゃん!」
の驚きと賞賛の声が漏れてきたッス。なんと、田辺のパンツはトランクス。明らかな校則違反ッス。けど、田辺は、その賞賛にも反応を示さず、頬をプッと膨らませ、真っ赤な顔で廊下に出てきたッス。だれの「薄目」から見ても、ちょいわけありってことが、バレバレだったッス。
田辺は、硬式野球部で、夏の大会の気合入れのため、クリクリの五厘坊主。連日の先輩の「応援」で、真っ黒に日焼けしていたッス。ポジションはキャッチャー候補で、柔道部の神崎・森口とともに、1Cのガチムチ三兄弟の一人ッス。丸顔でちょっと太目。ケツはムッチリ。トランクスのケツでさえも、はちきれんばかりにピチピチだったッス。
田辺は、ゴリの前に出ると、まるでゴリに詰問させないかのように、
「自分、校則違反ッス!ブリーフにはきかえてきます!」
って、自ら申告したッス。
ゴリは、それに対して、何かを知っているって感じでうなづ いたッス。まさにちょいわけありッスよね。理由を聞かないのは武士の情けッスかね。
そして、
「よし!穿き替えて来い!校則違反の一本を加算して、お前のケツには竹刀二本だ!」
と、重々しい口調で言ったッス。
もちろん、そのわけは、放課後になるとわかるッス。いまは5時間目の体育。みなさんにはもうちょい待ってほしいッス。
田辺は、俺のところへ来て、タオルを腰に巻いて、「おもらしブリーフ」に着替えたッス。1C三人目のおもらしブリーフ野郎の誕生ッス。
そして、田辺は、ゴリのところへ戻り、そのブリーフがはちきれんばかりのピチピチ・ガチムチのケツを後ろへ突き出すと、
「バッチ来ぉ〜〜〜い!!」
と気合を入れ、
「お願いします!!」
って、ゴリのケツ竹刀を待ったッス。
二高の硬式野球部では、東和大のOBが指導にくる夏合宿以外は、「公式」にはケツバットはないってことになっているッス。けど、 俺も二高へ来て早三年目。生徒たちのポロリこぼれ話とか噂では、「非公式」には、先輩からのケツバットはかなりあるらしく、二高の硬式野球部員のケツは、一年生の一学期の終わりともなれば、かなり打たれ強い男の「堅尻」になっているッス。
もちろん、最近は遠ざかっているッスけど、二高の硬式野球部は、マジで甲子園めざしてるんで、ケツバットのことは、まあ、見ざる言わざる聞かざる状態ッスね。
で、ゴリも硬式野球部員の「ケツバット慣れ」は十分知っているらしく、野球部員のケツを殴る時のゴリの気合の入れようったらないッス。
「よぉ〜〜し!いくぞ!」
とか、気合入れちゃって、ゴリは竹刀をグッと握り締めると、振りかぶる前に、まず狙いを定めるため、田辺のブリーフ一丁のケツのちょっと下の方の肉厚の部分に竹刀を軽くあてがったッス。
ガッツゥ〜〜〜ン!脳天直撃の「拳骨」ケツ叩きの代表格といえば、ケツ竹刀とケツバットっすけど、そのケツ味わいの「好み」は、野郎それぞれで、野球部の野郎は、受けなれているケツバットに比べてケツ竹刀が苦手ってヤツが多いッス。
ブルブルって、田辺は思わず「武者震い」ッス。田辺のケツったら、その竹刀の硬くて「熱い」感触に、もう鳥肌もんだったろうッスね。
そして、ゴリは、おもむろに、竹刀を振りかぶると、思い切り腰を入れて、
ブゥ〜〜〜〜〜ン!
と、渾身のフルスイングで、
パァ〜〜〜〜〜ン!
パァ〜〜〜〜〜ン!
と、二発連続で田辺のケツを打ち据えたッス。
本来なら、一発目と二発目の間を十分にとって、被打者が一発目の痛みを十分に味わった頃に、二発目を見舞うのが、厳しいケツ竹刀の常道ッスけど、今回は、二発連続。これじゃ、一発と大差ないッス。これも事情を知っているゴリの情けッスかね・・・。
田辺のケツ筋はかなり 鍛えられているらしく、ゴリのフルスイング竹刀は、田辺のブリーフ一丁のケツに食いこむっていう感じではなく、田辺のケツの堅さに負けて曲がりしなって着地したッス。
田辺はちょっとつらそうに顔をしかめるも、
「シ、シタァッ!」
って、硬式野球部式に挨拶すると、つらそうにソロソロ歩きながら、席に戻っていったッス。
田辺の挨拶が思わず野球部式になっちまったのは、ゴリへの感謝の気持ちが本物だったからかもしれないッス。もちろん、それは、「間隔をおいて二発」ではなく「二発連続」にちょっとだけオマケしてくれたことへの感謝の気持ちッス。
次の23番辰巳は、1Cフィルホ・金サポ軍団の一人ッス。やっぱ、金サポに生ケツ竹刀食らったッス。そして、俺にガッツポーズ決めて、席に戻っていったッス。
そして、24番月岡は、スキー部員。スキー部は、ゴルフ部と並ぶ、二高における代表的リッチお坊ちゃま軍団ッス。夏は、基礎トレ中心のメニューながら、今年は、四年に一回、スイス・ローザンヌで行われるインターナショナル・ジュニア氷河カップへの遠征が決まっていて、気分はすでにヨーロピアンっす。
てなわけで、月岡のブリーフ一丁のケツにパァ〜〜〜ン!と決まったゴリの竹刀は、まさに「気をつけていって来い!土産はチョコレートでいいぞ!」のメッセージがこもった「はなむけ」のケツ竹刀。ケツ竹刀デビューと相まって、月岡は、涙目で喜んでいたッス!
「次ィ!25番勅使河原!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
「ウィ〜〜〜ス!」
と、場違いに元気な返事をして、ブリーフ一丁、廊下へ飛び出して来たのは、硬式テニス部の勅使河原(てしがわら)ッス。
東和二高ではサッカー部と並ぶイケメン野郎が多く集う硬式テニス部の中にあって、勅使河原は、一番愛嬌のある二枚目半。悪く言えば、二高テニス部にはちょっと場違いな、「らしくない」野郎ッス。
そんな勅使河原は、1Cでは、かなりの人気もので、クラスの連中からは、「テッシー」のあだ名で呼ばれてるッス。
テッシーは、一応テニス部員らしく、ツンツンのオシャレ坊主。さわやかシトラス系コロンの匂いをあたりにふりまきながら も、テニス部員らしからぬ、かなり濃い黄色い染みをフロントにこしらえたブリーフ一丁、ケツをゴリの前に突き出したッス。
二高の硬式テニス部においては、一年生部員は、全員、坊主頭ってことになっていて、他の部から甘く見られないよう、上下関係の厳しさを演出してるッス。
けど、オシャレ・テニス部なんで、バリカン坊主はダメダメっす!
一年生部員は全員、オシャレな街・自由が丘にある先輩いきつけの美容院を紹介されて、そこで、ちょっと不揃いで「自然な感じ」の坊主頭、そう、「オシャレ坊主」になるべく、「総挟丸刈り」(バリカンを使わず、すべてハサミで丸刈りにすること)をしてもらうッス。そして、シトラス系のさわやかコロンをシュゥ〜〜〜とふきかけてもらって一丁あがりッス。
でも、「場違い」テッシーは、かなり硬派なところがあって、「男は、やっぱ、床屋で、バリカン坊主ッス!」って、最初、美容院に行くことを拒否したらしいッス。
けど、
「美容院ではなぁ〜〜〜、床屋と違って、仰向けに寝て、きれいなお姉さんが頭、洗ってくれるんだぜ!ちょ〜〜楽ちんで、ちょ〜〜リラックスできるんだぜ!」
って言う、先輩の誘惑に負けて、硬派なテッシーも、今では、月二の美容院通いッス。チェッ!やっぱ金持ちの息子っつうのはうらやましいッスよね。俺なんて、いまだに、洗髪・顔剃り込み込みで1300円の駅前大衆理容通いッスよ・・・トホホ。
もちろん、アイツらテニス部員のコロンの種類は、先輩からの命令で、季節ごとに変わるッス。夏場はやっぱ、シトラス系ッスよね〜〜!
テニス部員が入ってくると、さわやかなコロンの匂いが、教室にただようッス。けど、その匂いは、「男はなんでもハキッぱ」が信条の汗臭ぇ〜〜武道系三部活の野郎たちには、逆に臭いらしく、
「おめえら、くっせぇ〜〜よ!」
「ばぁ〜〜か!くっせぇのはおめえたちの方だろ!」
って、いつもアイツら言い争ってるッス。
おっと、テニス部の話はこんくらいにして、話を元に戻すッス。テッシーの突き出されたブリーフ一丁のケツを見て、ゴリは、
「なんだ、そのケツに書かれた「河原」ってのは?」
と、早速、テッシーのスクールブリーフにダメだしを入れてきたッス。
テッシーは、
「ウッス!じ、自分、字をちっちゃく書くのがメチャクチャ苦手で、デッカイ字しか書けないんで、それで、パンツの前には『勅使』しか書けず、『河原』はケツの部分に書きました!」
って、答えたッス。もちろん、クラスからは笑いが漏れ、ゴリも苦笑いッス。
「ばかもん!小学生じゃねぇ〜〜んだ!高校生になったら、少しは、字を小さく書く練習もしろ!」
と、ゴリは説教すると、
パァ〜〜〜〜〜ン!
と、テッシーのケツを竹刀で打ち据えたッス。
「ィ〜〜〜〜ス!ありがとうございました!」
と挨拶して、テッシーは戻ってきたッス。
テッシーは、意外に平気そうな顔して、俺にガッツポーズ決めて、戻っていったッス。テニス部では一番のやんちゃ坊主ッスから、中学までに、かなりケツ叩かれて、こういうの慣れっこなのかもしれないッス ね。テッシーみたいなヤツ、ちょっと仕込めば、金サポのとりこになることうけ合いッスよね。今後の成長が楽しみな野郎ッス。
「次ィ!26番奈良崎!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
「ィ〜〜〜ス!」
と返事をして、痺れる足をガマンして立ち上がり、ブリーフ一丁になった26番・空手部・奈良崎。
罰ラン食らった住谷以外の正座して反省タイム中の1Cの「薄目」は、奈良崎の濃ぉ〜〜いブリーフ、一点に注がれたッス。
「うっわぁ・・・すっげぇ〜〜。」
「はんぱじゃねぇ〜〜。」
と、クラスからは、賞賛とも驚愕ともとれる叫びに似たつぶやきが漏れてきたッス。
空手部の場合、柔道部、剣道部と違って、「まだ穿ける!」と、 先輩から男のブリーフ有効活用法を指南されるッス。そうッス。ブリーフを裏返しにしてはきッパ続行させるので、半端じゃなく、汚くて、臭うッス!
奈良崎は、住谷の次に背が高く、クラス一、ゴッツイ体型で、足は蟹股、肩はいかり肩、スポ刈りに顔は真四角。しかも、汗かきで脂性なので、まさにこの季節、アツ苦しいほど男 なヤツっす。金サポはかせれば、かなり似合うと思うッス。
奈良崎のブリーフの、本来は裏になるべき、表に返されたフロント部についた、濃ぉ〜〜い染みについて、もちろん、ゴリから指摘を受けたッス。
「おめえ、いい加減、汚すぎるぞ、そのブリーフ。今日で何日とりかえてない。」
「ウッス・・・表で7日、裏に返して3日目ッス!」
「このくそ暑い時期に10日もはきッパかぁ・・・よし!その根性だけは認めてやる!ケツを出せィ!」
「ウッス!ありがとうございます!お願いします!」
そう言って、ちょっと誇らしげにケツを出す奈良崎に、ゴリの竹刀が、
パァ〜〜〜〜ン!
と炸裂したッス。
もちろん、根性は認めても、仕置きは仕置き。お情け無用のフルスイングだったッス。 けど、さすが空手部。先輩の「蹴り」で日夜ケツを鍛えられているのか、さしものゴリ竹刀も奈良崎のケツには、ちと「威力不足」を否めないようだったッス。
奈良崎の「堅尻」に、打ちつけられた竹刀を通して、逆に今度は、ゴリの腕に衝撃が走ったようだったッス。
それでも、奈良崎は、ちょっと顔をしかめながら、
「いってぇ〜〜」
と言って、ウン筋も鮮やかなブリーフ一丁のケツさすりつつ、教室へと戻っていったッス。
その後姿を見送りながら、ゴリは、苦笑いして、
「バカ野郎・・・痛てぇのはこっちだ・・・だから、空手部のケツは殴りたくねぇ〜〜んだ・・」
って、ボソリと本音をこぼしていたッス。
ケツ竹刀も残り9人。ゴリの呼び出しもテンポを速めていったッス。
次の27番野村は、田辺と同じ硬式野球部。お約束通りのトランクスだったッス。もちろん、おもらしブリーフに穿き替えて、トランクスは没収。
「バッチ来ぉ〜〜〜い!!」
と気合を入れる中、
パァ〜〜〜〜ン!
パァ〜〜〜〜ン!
と、ゴリの竹刀二連発をケツに食らって、戻っていったッス。
野村の次は、28番林。1C5人目のフィルホ金サポ野郎ッス。
パァ〜〜〜〜ン!
と、生ケツに竹刀食らって、俺の前でガッツポーズ決めて、席に戻っていったッス。それにしても、1Cフィルホ5人揃って金サポだなんて、俺、なんかうれしくて、マジ、目頭が熱くなったッス。
次の福原は卓球部。愛ちゃんとは縁もゆかりもない野郎ッスけど、泣き上戸だけは似ているみたいッス。もちろん、愛ちゃんのテレビカメラ向けウソ泣きとは違って、マジ泣き の泣きべそッス。
「お、オレ・・・竹刀で叩かれるの、生まれて初めてッス・・・グスン!」
って、ウルウルの目で、ゴリにお情けを請っていたッスけど、
「だからどうした!甘えるな!男だろ!もっと、しっかりケツを出せ!」
と、厳しくあしらわれ、
パァ〜〜〜〜ン!!
と、フルスイングの竹刀が、ケツ竹刀デビューの福原のケツに、容赦なく噛み付いたッス。
「ひぇ〜〜〜!」
って叫びながら、必死でケツを擦って、その場でピョンピョン飛び跳ねている福原に、もちろん、ゴリは、
「コラァ!そんなところでケツ擦ってる暇あったら、さっさと、席に戻れ!全員が終るまで正座して反省だ!」
と一喝ッス。こうして福原も、めでたく、涙のホロ苦ケツ竹刀デビューを果たしたッス。
次の30番福田は、剣道部員。楠木、佐藤にならって、ブリーフのケツをペロリとめくって、潔く、生ケツ竹刀食らっていったッス。どうやら、1Cの剣道部員三人とも、朝練遅刻したらしッス。ったく、しょうがないッスね〜〜。
31番細川は、テッシーと同じ硬式テニス部。けど、テッシーと違い、こちらは正統派。クラス一、オシャレでイケメンっす。
そのイケメン度は、半端じゃなく。中学生の時、高校生向け女性雑誌「ハイティーン」の、「自慢したい私の弟」コンテストに細川の姉貴が勝手に応募して、グランプリに選ばれたらしいッス。もちろん、オシャレ坊主もちょい茶髪で、コロンの匂いプンプンっす。
そんな細川に、ゴリは、
「おめえ、耳ピアスやってんのか?」
と、疑わしい声で、聞いてきたッス。
「や、やってませんよ!!」
と、耳を真っ赤にして言ったッスけど、クラスの連中は細川にはあまり同情的ではなく、
「うん!やってる!やってる!」
なんて、ゴリに聞こえるようにつぶやいているヤツが多かったッス。
ゴリは、
「まあいい。今回は大目にみてやる。今度までにその耳たぶの穴ふさいで来い!」
って、細川に無理な命令すると、細川のブリーフ一丁のケツに
パァ〜〜〜ン!
とフルスイング・ケツ竹刀を見舞ったッス。ゴリは、日頃から硬式テニス部員の一部がやっている耳ピアスを苦々しく思っていて、その取締りに躍起になっているッス。近々、テニス部に、ゴリの「ガサ入れ」が入るっていう噂もあるッス。そうしたら、イケメン・テニス部員全員、 床屋バリカン五厘坊主に、ケツ竹刀、プラス、ブリーフ一丁校庭罰ラン十周!くらいあるかもしれないッスね〜〜。お楽しみにィ〜〜〜!!
次の32番牧村は、ゴルフ部。もちろん、杉並学園のハニカミ王子の石川君にライバル心ビンビンで、打倒!ハニカミ王子って燃えてるッス。もしハニカミ王子を破って、マスコミから「ブリーフ王子」なんて騒がれたら、東和二高も、一気に、全国区の有名高校ッスね!来年の入試は、忙しくなるぞ〜〜!なんちゃって!
33番南は、田辺、野村と同じ硬式野球部。やっぱ、トランクスだったッス。もちろん、おもらしブリーフに穿き替えて、トランクスは没収。
なにか試練に耐えているっつう感じの神妙な面持ちで、
「バッチ来ぉ〜〜〜い!!」
と気合を入れ、
パァ〜〜〜〜ン!
パァ〜〜〜〜ン!
と、ゴリの竹刀二発をケツに連続して食い、席に戻っていったッス。
そうこうしているうちに、授業時間は、残り5分。すでに授業の終ったクラスからの野次馬が、1Cの廊下のところを埋め尽くし始めていたッス。 特に、はやく授業が終っていたゴリがクラス担任の1Aの連中がほぼ全員出てきて高みの見物ッス。
34番森口、35番渡辺にとっては、多くの連中に見られて、ちょっとかわいそうだったッス。
「次ィ!34番森口!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
と、ゴリの呼び出しがかかると、廊下からは、
「も〜りぐち!も〜りぐち!」
の手拍子を交えてのやんや、やんやの歓声ッス。
「うるせぇ!」
と、ゴリの一喝に、ギャラリーは一瞬、静まり返ったッス。
けど、森口の染み付きブリーフを見て、
「あ!汚ったねぇ〜〜!」
「あいつ、しょんべんおもらしだぁ〜〜!」
って、再び、ギャラリーは騒ぎ始めたッス。
そうッス。柔道部のガチムチ森口は、ブリーフ一丁、しかも先輩から命令される夏の伝統行事「ブリーフ・ハキッぱ」の最中で、かなり目立つ染みを、ブリーフのフロントにこしらえていたッス。
真っ赤な顔の森口は、その「晒し者」の試練に耐えるかのように、ギュッと口を結んで、ケツをゴリの方へ突き出すと、
「お願いしますっ!」
って、ギャラリーに、「おめえら黙れ!見せもんじゃねーぞ!」って怒鳴りちらすかのようなデッカイ声で、叫んだッス。
思わず飛び上がってしまうようなデッカイ声の森口の挨拶に、ギャラリーは再び、シ〜〜ンとなり、ゴリの竹刀が、
パァ〜〜〜〜ン!
と、森口のケツに着地する音が廊下に響くと、
「おぉ〜〜〜〜〜!」
と、感嘆の声が、再び、ギャラリーから起こったッス。
1Cの連中からは、
「なんだよ・・・これじゃ、オレら、いい晒しもんじゃん!」
「ゴリ、なんで注意しないんだよ・・・ゴリも、自分が担任のクラスのヤツらには甘いよな・・・」
って、つぶやきが漏れてきたッス。
そのつぶやきを聞いたのか聞かないのか・・・ゴリは、ギャラリーの連中を無視するかのように、
「次ィ!35番渡辺!出て来ぉ〜〜〜い!!!」
と、最後の渡辺を呼び出したッス。
廊下のギャラリーから、
「わ〜たなべ!わ〜たなべ!」
の歓声と手拍子の中、渡辺は、ブリーフ一丁廊下に出てくると、そのフロントの染みをギャラリーに見せつけるように、股間をグィと前に突き出してポーズを決めると、さらに湧き上がるギャラリーたちの歓声の中、
「オッス!ケツ竹刀!お願いしますっ!」
と、気合の挨拶をして、ゴリの竹刀の前にケツを突き出したッス。恥ずかしそうに試練に耐えているといった風の柔道部の森口とは対照的だったッス。
渡辺は陸上部。ケツから太腿にかけてかなり立派に鍛えられていて、白ブリーフにつつまれたその突き出されたケツは、まさにピチピチだったッス。
ヒーロー気取りの渡辺に対して、クラスの連中からは、
「ったく・・・ナベのヤツ・・・調子に乗りやがって・・・」
と、漏れてきたッス。
一方、ゴリは、苦虫をつぶしたような顔をして、
「渡辺!パンツの名前は、なんでナベなんだ?」
って、いきなり聞いてきたッス。それを聞いたギャラリーたちは大爆笑。
今度は、
「ナァ〜〜〜ベ!ナァ〜〜〜ベ!」
と、手拍子交じりの歓声が起こったッス。
「オッス!渡辺って書くの面倒くさかったからです!」
と、渡辺。
その返答に、
「バカ野郎!ふざけんじゃねぇ!この無精者!」
と、ゴリは怒鳴ると、竹刀を振りかぶり、思い切り腰を入れたフルスイングで、
パァ〜〜〜〜〜ン!
と、渡辺のケツを打ち据えったッス。
その瞬間だったッス!その場にいた全員の耳に、携帯カメラのカァシャッ!っていう音が、飛び込んできたッス。その音にシィ〜〜〜ン!とその場は静まり返ったッス。
渡辺は、
「あ、ありがとうございました・・・」
と、挨拶すると、そのいやぁ〜〜な雰囲気から逃げ出すかのように、そそくさと教室に戻ってきたッス。
一方、ゴリは、今度は、渡辺とゴリを遠巻きに囲んでいたギャラリーたちをギロリと睨み眺め渡すと、
「いま、写真を撮ったヤツは誰だ!」
と、怒鳴り散らしたッス。
キンコンカンコ〜〜〜ン!カンコンキンコ〜〜ン!
と、ウエストミンスター寺院の鐘の音を模した5時間目の終わりを告げるチャイムが、シ〜〜ンと静まり返った廊下に響いていたッス。
その終業ベルが鳴り終わると、
「自分ッス・・・記念撮影と思って・・・」
と、真っ赤な顔の1A大林が、そのギャラリーの中から一歩前に出てきたッス。1A大林は、1C渡辺と同じ陸上部ッス。
ゴリは、
「なぁにぃ〜〜〜!記念撮影だと!ふざけんじゃねぇ〜〜!」
と怒鳴るが早いか、
バチィ〜〜〜〜ン!!!!!
ベチィ〜〜〜〜ン!!!!!
と、大林の頬に、往復ビンタ一往復を食らわしたッス。バァ〜〜〜ン!とゴリの右手から離れた竹刀が、床に倒れ落ちたッス。
そのあまりの迫力に、大林は、よろけ、携帯を床に落としてしまったッス。ゴリは、その携帯を拾うと、ゴリの手のひらの痕が両頬に真っ赤にベットリとついた大林に、
「携帯電話を返してもらいたかったら、放課後、体育教官室へ覚悟を決めて来い!」
と言ったッス。
大林は、泣きそうな真っ赤な顔で、
「オッス・・・・」
と、小声で返事したッス。
この騒ぎに、ギャラリーは、蜘蛛の子を散らすように、それぞれの教室へ戻っていったッス。
大林の周りには、陸上部の連中が寄ってきて、
「ま、マジ、やべぇんじゃねぇ〜〜!」
「親に連絡されちゃうぜ!」
とか、大林を励ますつもりなのか、励ましにもならない言葉を次々かけていたッス。
全員のケツ竹刀が終わり、ゴリは、教室へ戻り、ゴリの指示で高山が、校庭で罰ランの住谷を呼び戻し、ちょっと自慢げに、何事も知らずキョトンとした顔で、住谷が戻ってくると、全員がつらい正座から解かれ、高山の
「起立!礼!」
「シタァッ!」
の挨拶で、長かった5時間目の体育が終ったッス。
俺は、あいつらのケツの心配をする暇もなく、職員室に戻るゴリの後を追い、今回の1Cの騒ぎを謝ろうとしたッス。
するとゴリは、大林にビンタを張ったさっきまでの剣幕はどこへやら、やさしいそうな声で、
「藤本先生!担任のあんたをさしおいて、でしゃばったマネして悪かったな。」
と、俺に謝ってきたッス。
俺、マジ、恐縮しちまって、
「い、いえ・・・申し訳ありません・・・ぼ、僕の指導力不足で・・・」
って、言ったッス。
すると、ゴリは・・・
「今回のことに関してはあんたは悪くない。谷岡先生の責任だ・・・俺がこの学校にきてから、毎年だからな・・・」
「え、えっ・・・」
「まあ、今年も無事一件落着ってとこか・・・おっと、明日のことを忘れてたぜ・・・」
「え、えっ・・・まだ明日なにかあるんですか・・・」
「心配しなくていいぜ・・・藤本先生には迷惑かけんからな!それより、今日は1Cのヤツらのこと面倒みてやってれよ!アイツらケツが痛くて、今日一杯、もうまともに座れんだろ!ワハハハ!
♪あ〜あ、今夜はもう座れません、わ〜たし♪
ってかぁ〜〜!ワハハハハ!」
って、よくわかんない歌を唄いながら、ゴリは機嫌よく職員室へ戻っていったッス。
あとで一年の担任・副担任が集まっての学期末・お疲れ・カラオケ大会でわかったことッスけど、あの歌は、岩崎宏美って歌手の「熱帯魚」の替え歌だったッス・・・。ゴリのカラオケ定番曲らしいッス。