「色柄を持たないパンツはく山崎すぐると、彼の担任の中村大悟」
五、県立一高3年生・山崎すぐると、家庭教師・中村大悟
「すぐる!海パンめくって、おまえのケツみせてみろよ!」
「やだよ・・・はずかしいよ・・・」
「いいじゃん!はずかしがるなよ!!男同士だろ!!」
「やだよ・・・やっぱ、はずかしいよ・・・」
「じゃあ、オレからだな・・・どうだ?中村先生の手形、ついてるか?」
「うわぁ・・・両方のおしりにクッキリ・・・ほんとにもみじみたいに真っ赤だ・・・」
「エヘヘ・・・だろ!先生、学級委員のオレには手加減なしだもんな・・・さあ、今度はおまえがケツを見せる番だぞ!!男らしく海パンめくって、オレにケツみせてみろよ!!今日はおまえも先生からケツもみじ食らっただろ!!どっちのケツだったんだ?右か?左か?さあ、はやく!!海パンめくれよ!!」
「えぇ〜〜やっぱ、恥ずかしいよ・・・」
「ズルいぞ!!オレだけおまえに生ケツみせて、おまえはオレにケツ見せないなんて!!」
「コラァ!!そこの二人!!整列もしないで何してるんだ!!水泳の授業が始まるぞ!!」
「うわぁ!!な、中村先生!!」
「うわぁ!!だ、大悟兄ちゃん!!」
「せ、先生、ここで何してるんですか?」
「小暮先生は病気でお休みだ!!なので、今日の水泳の授業は、おまえらの担任のオレが担当することになった!!よって!!授業が始まるまでに整列していなかったおまえら二人には、ケツにもみじスタンプ二発ずつ追加だ!!」
「えーーー!」
「えーーー!」
「えーーーじゃない!!二人とも、そこに並んで、回れ右して、海パンを下ろしてケツをだせ!!」
「は、はい・・・」
「は、はい・・・」
「よし!!まずは、シンジからだ!!行くぞ!!歯をくいしばれ!!」
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
「いってぇーーーー!!」
「よし!!次は、すぐるだ!!行くぞ!!歯をくいしばれ!!」
「あぁ・・・こ、今度は、ボ、ボクの番だ・・・ど、どうしよう・・・や、やばい・・・あっあぁ・・・や、やばいよ・・・だ、だいご兄ちゃん・・・ほ、ほんとうに・・・・や、やばいって・・・・や、やばいって・・・もう、我慢できないって・・・・・・・・・・・うわぁ!!!!」
ハッと目が覚めた卓の耳に、開け放たれた部屋の窓の外からセミの鳴く声が聞こえてくる。夏休み。自室のベッドの上で、パンツ一丁、タオルケットにくるまって昼寝をしていた卓は、ベッドの上で全身汗だくになっていた。
山崎卓は、県立第一高校の三年生。母親のキミと二人で、中一の時のクラス担任だった市立第三中学校の数学教諭・中村大悟の実家の「離れ」に住んでいた。
卓の母親のキミは、中村家の住み込み家政婦。中村家の「母屋(おもや)」には、大悟が大悟の両親と暮らしている。大悟には二人の兄がいるが、彼らは二人とも結婚、独立し、別居していた。そして、「離れ」では卓たち母子が暮らしている。大悟の父親の温情を受け、卓たち母子は、家政婦親子としては、中村家から破格の厚遇を受けていたのである。
「や、やばい・・・また、やっちゃった・・・」
目覚めた卓は、すぐに、自分の白ブリーフの中のいつもより生暖かい感覚に気がつくのだった・・・。それが汗でないことは確かだった。
「あぁ・・・また、夢精か・・・」
卓は、男子高校生としての性の「日課」を怠っていたわけではなかった。「日課」をしっかりこなしても、なお、処理しきれない男の青春のほとばしりが、卓を悩ませていたのだった。
卓は、高校生になり、大悟の勧めもあって陸上部に入るのだが、部活で非常に疲れた時などは、その夜、必ず、夢にうなされ、日課では処理しきれなかった己の股間にたっぷりとたまった精虫を、ドピュッドピュッと己の白ブリーフの中にぶちまけてしまう。しかも、卓がうなされる夢はいつも同じだった・・・。
三年生の卓は、すでに部活は引退していたが、身体を鈍らせないために、その日も、前日に、陸上部「夏休み錬」に自主参加してかなり疲れていたのだった。
「今日もまた夢精のあとの哀しさよパンツの染みをじっとみている・・・ボク・・・か・・・。あーあ、夏休みに入ってこれで何回目になるんだろう・・・」
ベッドの上にあぐらをかいて、ジッと自分がブリーフにこしらえてしまった染みを見つめる卓。卓の白ブリーフのフロント部分からは、クリーム色の粘液が浸みだしていた。
「はやくパンツとりかえないと・・・あっ!!やばい!!今、何時?」
卓は、あわてて、顔を上げ、時計を見る。
「うわぁ!!もう3時ちょうどだ・・・や、やばい!!初日から遅刻なんて、いくら大悟兄ちゃんが家庭教師だからって、シャレにならないよ・・・」
と、卓は、あわてて、ベッドから抜け出すと、汚してしまったパンツを、ベッドの下にわからないように隠してあった「ニコニコ(^^)ドラッグ」の黄色い袋の中に投げ込むのだった・・・。
その黄色い袋の中には、何枚かのゴワゴワの染みつき白ブリーフが入っていた。
「やばい・・・もうこんなにたまってる・・・最近、自分で洗濯する暇、なかったからなぁ・・・かあさんが気がつかないうちに洗濯しなきゃ・・・あ、やばい・・・・こんなことしてる場合じゃない・・・」
卓はあわてて、新しい白ブリーフにはきかえると、白のランニングシャツに、アディダスのジャージ上下(下はハーフパンツタイプ)を着て、数学の受験参考書とノート、筆箱を持って、母屋の方に急ぐのだった。
高3の夏休みだけ限定で、卓は、大悟の都合がいい時に、大悟から数学を教えてもらうことを自ら志願していた。大悟も快くそれを引き受け、その日の午後3時に、母屋2階の大悟の部屋へ出向くことになっていたのだった。
庭を横切り、母屋の勝手口から入って、使用人用の階段を二段飛ばしで一気に駆け上がり、大悟兄ちゃんの部屋の前に行き、ドアをノックする。熱い夏の日の午後3時。卓は、すでに汗だくだった。
「卓か?遅いぞ!!早く入って来い!!」
と、部屋の中から、大悟兄ちゃんの声が聞こえてくる。
「やばい・・・大悟兄ちゃん、いつもより機嫌が悪そうだ・・・」
それは確かだった。大悟は、卓が部屋にやってくるまでの間、二学期になったらすぐに学校に提出しなければならないラグビー部関連の二学期活動予算計画書類の作成にとりかかっており、それがなかなか思うように進捗していなかったのだ。
「は、はい・・・遅れてごめんなさい・・・よろしくお願いします・・・」
と言って、部屋に入り、大悟の机の前に立つ卓。
冷房がよく効いた部屋に、大悟の男くささにコロンが混じった匂いが充満している。大悟はあいかわらず真っ黒に日焼けし、ガッシリした体型のメガネマッチョなお兄さんだった。
「あぁ・・・大悟兄ちゃんのいつもの匂いだ・・・」
そう思っているだけで、ジャージと白ブリーフにつつまれた卓の愚息は、またムクムクと、元気に息を吹き返してきてしまう。
早く椅子に座りたい・・・しかし、大悟兄ちゃんから「座っていいぞ!!さあ、勉強を始めるか!!」との声はいつまでも聞こえてこない。卓は、大悟の机の前に立たされたままだった。
「昼寝でもしてたのか?」
「は、はい・・・寝坊しました・・・きのう、陸上部の夏休み錬に参加していて・・・それで、ちょっと疲れて・・・」
「いいわけはするな!!遅刻は遅刻だろ!!」
いつになく厳しい大悟の言葉に、卓は、ついつい不満そうな表情を顔をにだしてしまう。
「なんだその顔は・・・おまえから勉強をみてほしいって言ってきたくせに、初っ端から遅刻だなんて、どういうつもりなんだ!!いいか、おまえが、オレと同じ帝都理科大の数学科を受験したいと言うから、オレもお前の勉強をみてやる気になったんだ。でも言ったよな・・・オレは、オレの後輩になろうとしているおまえのこと、ビシビシしごくぞって!!」
「は、はい・・・遅刻して・・・ごめんなさい・・・」
「よし!!遅刻した罰だ!!」
というと、大悟は、急にニヤリとして、右手のひらをバッと大きくひらいて卓の前にみせつけると、
「ケツもみじだ!!どうだ?懐かしいだろ!!」
「えっ!?もみじスタンプ?そ、そんな・・・」
全身がカーッと熱くなり、心臓がドキドキ高鳴る卓。もちろん、大悟兄ちゃんからの意表をついたお仕置き宣告に、すでに大悟の男臭さに反応していた、卓のブリーフの中の一物が、今度は、急にムックっと鎌首をもたげるのだった。
「そんな・・・じゃない!!高3にもなって時間の約束でさえ守れないヤツは、中学生並みの扱いがちょうどいいんだ!!勉強に先立ち、ケツにもみじスタンプでたっぷり反省してもらう!!さあ、そこに両手をついてケツを後ろに出せ!!」
大悟のデッカクて堅い手のひらから繰り出される平手打ちをケツに食らえば、勉強の最中、ずっとおケツはホッカホカだ。高3生といえども、その日の遅刻を反省するには十分な懲戒だった・・・。
「い、いやだ・・・ダ、ダメ・・・ぜ、絶対に・・・や、やばいんです・・・だから・・・そ、それだけは許してください・・・」
「なに女みたいにグズグズ言ってんだ!!ケツもみじが嫌だったら、いますぐ部屋から出ていけ!!もうお前とは二度と一緒に勉強はしない!!」
そうキッパリと大悟から言われ、部屋から出ていくこともできず、かといって、大悟の机の上に両手をついてケツを出すこともできないで、そこにモジモジと、ジャージの前に両手をやって隠しながら、立ちつくしてしまう卓・・・。
そんな卓の態度に、チッ!と一つ舌打ちだけすると、大悟は、机を挟んで自分の前に立ち尽くしている卓のことを無視するかのように、机の上に雑然とひろげてあった書類に再び目をやり、机の正面やや横においてあるウインドウズ98の入ったPCのキーボードをカチャカチャと叩き始めるのだった。
5分・・・10分・・・時間だけは過ぎていく・・・卓は、下を向いたまま、大悟の机の前に、ただ立ち尽くしている。部屋には冷房が入っているにもかかわらず、ランニングシャツとブリーフはもう汗でグッショリだった・・・。
大悟は本気で卓のことを怒っているのか。いっさい卓の方を向くこともせず、書類とPCの画面を交互ににらめっこしながら、ワープロソフトでなにやら書類を作成している。部屋には、エアコンのモーター音と、大悟がキーボードを叩く音だけが響いていた。
「どうしよう・・・ボ、ボク・・・なにやってんだ・・・どうしようもないバカだ・・・」
そんなことを思っているうちにどんどん時間がすぎていく。15分ほど過ぎた頃だったろうか、急に部屋のドアが「トン!トン!」とノックされ、部屋の外から、「大悟さん!!三中の藤田先生からお電話ですが?いかがいたしましょう?」との女性声が聞こえてくる。それは、家政婦であり、卓の母親であるキミの声だった。
「や、やばい・・・」
と思う卓。
一方、
「はい!!すぐ下へ降りて行きます!!」
と、大悟はデカい声でキミに応え、椅子から立ち上がる。インターネットも携帯も一般的にまだまだ普及していなかった時代だ。大悟の部屋にもPCはあったが、電話設備はまだ敷かれていなかった。
大悟は、机の前にまだ立っている卓に、
「すぐる!!最後のチャンスだ!!オレが部屋に戻ってくるまでに決めておけ!!ケツを出すのか?それとも、お前が部屋から出ていくかをだ!!」
と言って、電話に出るため、部屋を出ていくのだった。
大悟の部屋に一人残される卓。それは、悪魔のささやきか・・・それとも、天使のささやきか・・・
「すぐる・・・おまえがずっと夢みてきたことだろ・・・大悟兄ちゃんのもみじスタンプ・・・さっさとケツ出しちゃえよ・・・こんなチャンス、もう二度とこないぜ・・・」
「すぐる・・・やめとけよ・・・あのことがバレたら、大悟兄ちゃんから、マジで嫌われちゃうぞ・・・」
頭の中で自分にささやいてくる二つの相反する声に、大悟の心は揺れ動く。そして、卓の予想よりも早く大悟兄ちゃんは戻ってくるのだった。
「さあ、大悟、どうするんだ!!ガキみたいにいつまでそこでグズグズ立ってねぇで、早く、決めろ!!オレも、そんなにひまじゃ・・・」
と、卓の後ろで大悟が言っている。
しかし、その大悟の声は、卓の頭の中には全く入ってこなかった。
卓は、
「ええい!!!こうなったら、もういいや、あのことがバレたって・・・遅刻したのは、ボクが悪いんだから・・・・」
と思うと、両手を一気にバン!!と、大悟の机の上につき、ケツを後ろに突き出して、
「ごめんなさい!!もう二度と遅刻しません!!反省します!!ボクのお尻叩いてください!!」
と、堰を切ったような勢いで、大悟に遅刻の罰のケツ叩きを志願するのだった。
大悟は、うれしそうにニヤリとすると、
「よし!!遅刻1分につきもみじスタンプ2発の大サービスだ!!おまえは、7分の遅刻だから、14発だな!!覚悟しろ!!」
と言うのだった。
卓は、大悟の冗談に笑うどころではなかった。自分の股間に急に襲ってくる、あのやるせない、熱くて重くてむずがゆい感覚を必死で我慢していたのである。
「な、なんだ・・・この感覚・・・い、いつもより強烈だ・・・あ、あそこが、すごく熱くて、重くて・・・ムズムズしてきて・・・・ああ、このままだと・・・あぁ・・・腰から力が抜けちゃうよ・・・ど、どうしよう・・・・」
だんだん自分のケツに近づいてくる大悟兄ちゃんの気配を背後に感じ、卓の、すでに汗でグッショリとなっているブリーフの中のイチモツは、もうはちきれんばかりに、ギンギンに、屹立してしまっていたのである。
< 番外編04 家政婦の息子は見た!!必殺ブリーフ仕分け人!!家政婦キミのブリーフ洗濯術!! >
(番外編04にケツ叩きシーンはありません。)
六、叱責と告白と・・・
大悟は、後ろに突き出された卓のややテカッたジャージのケツを見ながら、卓の背後に近づくのだった。卓のはきこまれたジャージの尻の部分に、卓のはく白ブリーフのブリーフラインが、くっきりと浮かび上がっている。
大悟は、ニヤリとして、
「あっ・・・コイツ、オレと同じでブリーフはいてやがる・・・最近の高校生にしてはめずらしいな・・・去年の夏、家庭教師したヤツは、トランクスだったしな・・・。」
と思うのだった。
大悟は、毎年、夏休み、数学の家庭教師の「内職」アルバイトを家でしていたのであった。もちろん、家庭教師の教え子であっても、男子の場合は、遅刻や宿題忘れに対しては厳しく叱りつけ、教え子のケツをビシビシ叩いていた。
大悟が家庭教師の教え子のケツを叩く音は、部屋の外にも漏れ聞こえ(ただし、「離れ」にまでは聞こえない。)、母屋(おもや)の者たちも、大悟が家庭教師の教え子のケツを時にはビシビシ叩いていることを知っていた。
大悟は、家庭教師の授業料を、大悟の念願かなってつくられた三中のラグビー部の活動費の一部にあてていたのであった。もちろん、今回の卓への個人授業は、完全なボランティアではあったが。
「そういえば、すぐるのケツを叩くのは、今回が初めてだったな・・・中一の時のすぐるのケツは、柔らかくて、叩くと壊れてちゃいそうなケツだったけどな・・・どれどれ、高校に入って陸上部で鍛えたらしいから、さぞかし叩き甲斐のあるケツに成長しているかもしれないぞ・・・フフフ。」
と思いながら、大悟は、卓の左後ろに立ち、卓の左肩に自分の左手をかけるのだった。
大悟の手を左肩に感じ、そして、大悟の男臭ささを嗅覚に感じ、卓はもうたまらなくなってしまう。
「あっあぁ・・・も、もう我慢できないよ・・・ど、どうしよう・・・」
と思いながら、どうにか必死で股間の高まりを抑えようとして、最初は左右に開いていた両足を閉じて、モジモジ奇妙に動かすのだった。しかし、股間に感じる狂おしいほどの熱い重みで、両膝でさえもきちんと伸ばしてはいられなくなってしまう。
「 コラ!!女みてぇにモジモジしてねぇで、男らしく、もっと両足をひらいて、両ひざをスクッと伸ばして、ケツはグッと後ろに突き出すんだ!!グッとな!!」
「は、はい・・・」
卓の声は、妙にうわずっていた。ほんの少し前、夢の中で果てたはずの卓の股間の逸物(いちもつ)は、白ブリーフの綿生地の中で、完全復活を果たしていたのだった。
卓の股間の逸物を、戦艦の搭載砲に例えるならば、それは、まだまだ主砲級の大砲ではなく、副砲級の速射砲だったが、すでに弾が十二分に再充填され、点火され、艦長の「打ち方始め!!」の大号令を待つのみなのであった。
そうとは知らない大悟は、卓に遅刻したことへの反省を促すため、他の男子生徒にもいつもやっているように、なんの遠慮もすることなく、卓のジャージのケツをめがけて、思い切り、バッと拡げた右掌を打ち下ろすのだった!!
バッチィ〜〜〜〜ン!!
その打擲は、テカテカジャージと白ブリーフの綿生地に覆われた卓のケツの双丘に、強烈なインパクトを与えた。
「あっあぁ・・・・・・」
己のケツに感じた大悟兄ちゃんのデッカクて堅い手のひらの痛打に刺激され、卓の股間の速射砲は、 ドピュ!ドピュ!ドピュ!ドピュ!と、卓のパンツの中に、卓の雄の性魂を、ぶっ放し、まき散らしたのであった。
己の男竿の中心部を貫き抜けていく、熱くてやけるような快感に、腰砕けになってしまう卓。なんと卓は、いまさっき自分のケツを打った大悟の右手のひらの上に、腰くだけになってケツを下ろしてしまうのだった。
「おぉっ・・・なにやってんだ・・・おまえ・・・」
と、卓の想定外のリアクションに驚く大悟。教師になって十年弱、「もみじスタンプ」のすぐあとに、自分の掌の上に座り込んできてしまう生徒なんて初めてであった。
しかし、大悟も日ごろから多くの思春期男子に接している中学教師である。あたりに漂い始めたツーンと鼻をつく青臭ささに、大悟は、卓の股間に起った異変にすぐに気がつくのだった。
「ま、まさか・・・おまえ・・・」
とつぶやくと、大悟は、卓のジャージの腰ゴムに両手をかけ、卓のジャージを下ろそうとする。
卓は、ブリーフの股間に感じている何とも気持ちの悪い生温かい感覚に後悔し、「あぁ・・・出しちゃった・・・も、もうお終いだ・・・」と思うのだった。そして、自分のジャージを下ろそうとしてくる大悟に抵抗するかのように、ジャージの腰ゴムの前の部分を手でしっかりとつかみながら、
「や、やめて・・・それだけは許して・・・反省してるから・・・許して・・・」
と、卓に懇願するのだった。
しかし、大悟は、卓の懇願に答えることなく無言のまま、卓のジャージの腰ゴムの後ろの部分を、ムンズとつかむと、それを一気に引っ張り下ろすのだった。
卓は、ジャージを下ろされまいと、ジャージ腰ゴムの前の部分をギュッとつかんで抵抗する。しかし、ラグビーで鍛えた大悟兄ちゃんの力に卓が勝てるわけがなかった。卓の必死の抵抗むなしく、卓のジャージはガバッと引きずりおろされ、卓の白ブリーフがむき出しになるのだった。
スゥ〜と、冷房の冷気をケツに感じ、肩をガクリと落とし、うなだれてしまう卓。
大悟の手が、卓の白ブリーフの股間にやさしく触れてくる。卓は、恥ずかしくて、そして、切なくて、泣けてきてしまうのだった。
すすり泣き始めてしまった卓のことを、大悟は、後ろからそっとやさしく自分の方へ引き寄せると、
「心配すんな・・・おまえだけじゃないから・・・だから、泣くなよ・・・」
と言うと、卓の胸のところに両手をまわして、卓のことをギュッと力強く抱きしめてやるのだった。
中学の頃は小柄だった卓だが、高校に入って陸上部に入った頃から身長も伸び始め、身長約175cmの大悟よりもやや背が低い程度。足の長さは、大悟と同じだった。
大悟が自分のことを怒っていないことがわかり安心する卓・・・。泣いてしまったことが、ちょっと照れくさかった。ずっとこのまま、大悟に後ろからギュッと抱きかかえられていたかった。
「うわぁ・・・大悟兄ちゃん、すごく鍛えてる・・・」
大悟のデッカイ手のひら、太い両腕、ラグビーで鍛えた厚くて堅い胸板、しっかり六つに割れた腹筋、そして、ぶっとくて、鍛えられた筋肉に包まれた両太腿・・・それらを、卓は、己の背中、ケツ、そして、太股でいっぱいに感じるのだった。
卓が中一の時、大悟が、「オレは、おまえたち男子のケツをビシビシ叩くために、腕立てと腹筋とスクワット、それぞれ100回ずつ毎日欠かさずやって鍛えているんだぞ!!」って言っていたことがウソではなかったことを、いま己の身体で感じるとる卓だった。
「あっあぁ・・・でも、大悟兄ちゃん体の中で、いちばん硬くて、いちばん逞しいのは・・・あっあぁ・・・大悟兄ちゃんのおチンチンかも・・・」
卓は、大悟の白ブリーフの中のギンギンに硬くなった逸物(いちもつ)を、さっきバチィ〜〜ンと一発叩かれて、ちょっとホカホカしている己のブリーフのケツの谷間に食い込むように触れていることをしっかりと感じていたのだった。
「さあ、オレの方を向くんだ・・・」
と、大悟は、卓の肩に両手をおいて、卓に自分の方を向くようにやさしく言う。大悟は、はいていたハーフパンツを、すでに膝のところまで下ろしていて、ブリーフ丸出しであった。
大悟は、自分の方を向いた卓の白ブリーフのケツに、両手を持っていくと、卓の股間を自分の股間に密着させるように、卓のケツを両手でかかえてグッと自分の方へ押し付けるようにするのだった。
「あぁ・・・大悟兄ちゃん・・・」
卓は、己の白ブリーフと、大悟兄ちゃんの白ブリーフが、完全に密着したことを感じる。卓の股間の逸物は、すでに完全に、元気を取り戻していた。
そして、大悟は、再び、ギュッと卓のことを抱きしめてやるのだった。卓は、大悟の右肩のあたりに顔をうずめる。今度は、体の前面で、大悟兄ちゃんの鍛えられた身体を感じ取る卓。
卓は、もう我慢できなかった・・・大悟兄ちゃんの体の中で、いちばん硬くて、いちばんたくましい部分を、触って握ってみたい衝動にかられるのだった。
そんな卓の右手が、大悟の白ブリーフのフロント部分をまさぐり始める。そして、白ブリーフの綿生地の上からだったが、ブリーフの中で屹立している、大悟兄ちゃんのいちばん硬くて、いちばんたくましいものを、卓は右手で、ギュッと握りしめるのだった。
「コラ!!そこを触っていいって誰がいったんだ!!このわんぱく坊主め!!おまえ、口では反省してますとかいって、全然、反省してねぇーな!!遅刻の罰が、まだ13発残っていることを忘れるなよ!!」」
と、大悟は急に厳しくなり、そのまま、いきなり、
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
と、卓の左右のケツを交互に一発ずつ打ち据えたのだった。
大悟の平手打ちの急襲を両ケツに受け、卓は、
「あぁ・・・大悟兄ちゃん・・・痛いよ・・・」
と言って、大悟にギュッと抱きつくのだった。
「コラ!!甘えてもダメだ!!」
そういうと大悟は、自分にギュッと抱きついたままの卓のブリーフのケツを、思い切り、
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
バチィ〜〜ン!!バチィ〜〜ン!!
と、左右交互に、連続十発、打ち据える。
卓は、ケツを一発打たれるごとに、大悟兄ちゃんにギュッと強く抱きつき、そして、一発ごとに、自分のブリーフの股間を大悟兄ちゃんのブリーフの中のいちばん硬くていちばん逞しいものに、グイグイッと押し付けていくのだった。
そして、
「よ、よし・・・さ、最後の一発だ!!」
バッチィ〜〜〜〜ン!!
と、最初の一発を入れて、ちょうど十四発、大悟が卓のブリーフのケツを打ち据え終わったときだった・・・大悟兄ちゃんが、卓のことを再びギュッと抱きしめ、
「す、すぐる・・・あっあぁ・・・たまんねぇ・・・」
と切なく低いうめき声を上げる。
卓は、大悟兄ちゃんのいちばん硬くていちばん逞しいものが、急に熱を帯び、ドクンドクンと何度か脈打つのを感じる。ほどなく、卓は、大悟兄ちゃんのブリーフのフロントに押し付けていた己の股間に、生温かいものを感じるのであった。
そして、卓のケツを叩き、卓を抱きしめながら果てた大悟兄ちゃんは、卓をギュッと抱きしめたまま、卓に全身を寄せてくるのだった。
「大悟兄ちゃん!!」
卓は、そう叫ぶように言うと、大悟の体重を全身で受け止めようとして、大悟のことを再びギュッと抱きしめるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・
いったいどのくらいの時間が過ぎたのだろうか・・・
「さあ、パンツはきかえて、勉強するか・・・」
卓を抱きしめていた大悟が決まり悪そうに言う。
卓も決まり悪そうに、
「はい・・・」
と返事をする。
大悟が、部屋の洋服ダンスの、上から二番目の引き出しから、二枚のブリーフを持ってくるのだった。卓は、その引き出しに、きれいにたたまれ、整頓されてはいっている大悟の白ブリーフをみて、ドキドキ胸が高鳴ってしまう。
「なに、ボケェーっとしてんだよ・・・早く、はけよ・・・おまえとの勉強時間はあと30分しかねぇんだぞ!!オレのブリーフじゃ、いやか?心配すんな・・・おまえのおふくろさんが、きれいに洗濯してくれたパンツだ。汚くねぇよ・・・」
と言って、タンスの引き出しから出してきた白ブリーフを一枚、卓に差し出すのだった。
卓は、「そりゃそうでしょう!」と思うのだった。「でも、大悟兄ちゃん、うちのかあさんの、あの超恥ずかしい、パンツの洗い方、知ってんのかなぁ?フフフ・・・知ってるはずないよね・・・知ってたら、かあさんにパンツの洗濯なんて頼めるはずないもの・・・」
と思いながら、ニヤニヤするのだった。
「コラ!!なにニヤけてんだよ!!気持ちわりぃなぁ・・・またケツ叩かれてぇのか?」
と、いつもの大悟兄ちゃんに戻っていた。
大悟は、汚してしまった白ブリーフを、恥ずかしげもなく豪快に脱ぎ捨てると、卓の前に、股間のデッカイ逸物をブラブラと晒しながら、その脱いだパンツを、ポイと、部屋の隅にある汚れた洗濯物を入れておくカゴの中に投げ込むのだった。そして、そのカゴに会釈するようなしぐさをして、短く、
「キミさん、感謝します!」
と言うのだった。
これは、大悟の父親のしつけによるもので、キミが家政婦として中村家にやってきたとき、大悟の父親は、当時まだ中学生だった大悟に、「キミさんのことはいつも感謝するように!!キミさんへの感謝の気持ち忘れたら、お前をこの家から追い出す!!」とキツク言い渡していたのであった。
卓も、大悟からパンツを借りることは、まんざらでもなかったので、汚してしまったパンツを脱いで、一瞬のためらいの後、「まあ、今回だけは、パンツの染み、かあさんに見られてもいいか・・・」と思い、大悟がやったように、脱いだパンツをカゴに投げ込むと、
「キミさん、感謝します!」
と言うのだった。
それを聞いていた大悟兄ちゃんは、
「バカ野郎!!お前の場合は、『おふくろ、感謝します!』だろが!!そんくらいの応用力がないと、帝都理大の数学科なんか受かんねぇーぞ!!」
と言うのだった。
卓は、ちょっと顔をあからめ、ちょっとくちごもりながら、
「お、おふくろ・・・感謝します!!」
と言いなおすのだった。
二人ともパンツをはきかえ、気分一新!!午後5時までの残りの30分間、数学の勉強に集中する。卓は、こういう場合の、大悟兄ちゃんの集中力に大いに感心し、自分も第一志望の大学に現役合格するためには、大悟兄ちゃんのような集中力を身に付けないとダメだと思うのであった。
そして、その30分間は、あっと言う間に過ぎ、大悟の机の上の時計のアラームが、大悟と卓に午後5時を告げたその時だった。
トン!トン!
大悟の部屋のドアがノックされ、外から、
「失礼します!!午後5時から勉強をお願いしている木村です!!」
との声が聞こえてくるのだった。
「えっ!!なんで・・・」
と思い、驚いたように大悟の顔をみつめる卓。
大悟は、ニヤリとして、
「おお、シンジか!!入って来ていいぞ!!」
と、部屋の外、ドアの前に立っているその声の主に言うのだった。
七、男子学級委員 リターンズ!!
「よし、シンジ!!時間だ!!みせてみろ!!」
「は、はい・・・」
木村真司は、戸惑いと悔しさを、その紅潮させた顔にありありと浮かべて、一枚の数学プリントを大悟に渡すのだった。
大悟の部屋で机をはさんで向き合った大悟と木村真司。卓と同じく、木村は、大悟の内職・家庭教師の教え子だった。しかし、卓の場合と違って、木村真司は、知り合いのつてで、偶然、大悟に紹介された生徒だった。もちろん、授業料も払っていた。
木村は、卓と同じ県立第一高校に通う高校3年生。市立三中・中一の時は、卓と同級生だった。
木村真司は、高校に入っても、優等生。硬式テニス部に所属し、女の子にはモテモテ。もちろん、男子たちからも、「アイツ、いいヤツだよな!」と人気があり、毎学年・毎学期、男子クラス委員に選ばれていた。
そんな木村真司の第一志望は、文系では最難関とされる、国立・帝都大学・法学部。文系ながら、二次試験にも数学の試験が必須である。そのため、大悟に紹介されて、夏休み期間中、数学の勉強に来ていたのだった。
「いま採点するから、ちょっと待ってろ。」
「は、はい・・・。」
文系の生徒ながら、木村が、理系の生徒なみに数学ができるとみてとった大悟は、毎回、「復習特訓ドリル」を木村に課していた。
それは、高校2年生までに習った範囲の中から、基本から標準に分類される問題を、50分で5問、集中して解かせるテスト形式のドリルだった。
そして、大悟は、国立・帝都大学・法学部・第一志望の木村に、「復習特訓ドリル」でのノーミス解答のプレッシャーを課していたのだった。
これは、授業というよりは、まさに実戦に即した「演習」であった。国立・帝都大学・法学部の二次試験では、例年、数学4問を80分で解答するのだが、ほとんど毎年、基本から標準に分類される問題が出題されていた。すなわち、国立・帝都大学・法学部を受験する生徒のレベルの高さを考慮すれば、数学で満点近い点数をとることは、合格への必要条件の一つであると言っても過言ではないのだった。
大悟の赤ペンの動きを、いつになく不安そうな面持ちで見つめる木村真司。
「ああ・・・今日はマジでやばいよな・・・あの4番の問題は飛ばして、5番から先にやるべきだったんだ・・・ボクの判断ミスだ・・・あの約束、先生、本気なのかな・・・」
と気が気ではない木村。採点の最中、先生との「あの約束」のことが頭によぎるのだった。
「シンジ!!なにがなんでも満点をとれとは言わん!!だが、つまらんミスをしでかした時はただでは許さんぞ!!ケツもみじ、バチィ〜ン!!といくからな!!覚悟しとけ!!ワハハハ!!」
と、冗談めかして言っていた大悟のことを思い出してしまう木村だったのだ。
「高3にもなって、ケツもみじだなんて・・・ふつうはありえないよな・・・」
しかし、中一の時、担任だったあの大悟だったら、本当にやりそうな感じだった。そんなことを思いながら、耳まで顔を真っ赤に染めながら、大悟の赤ペンの動きをジッと見つめる木村だった。
しばらくすると、いままで順調に動いてた大悟の赤ペンの動きがピタリと止まる。
「ああ・・・ヤバい・・・先生、ボクの4番の解答を見ているんだ・・・」
そして、大悟がためいきをつくのが聞こえてくる。さらに真っ赤な顔になり、下を向いてしまう木村。
そんな木村に、大悟が、
「シンジ!!わかってるな・・・今回の出来では、ボーダーラインにも残れんぞ!!」
「は、はい・・・わかってます・・・」
「よし!!わかっているなら、今回は、どこで失敗したのか言ってみろ!!」
「は、はい・・・今回は4番の問題が突出して難しかったです。なので、4番の問題は後回しにして、5番から先にやって、5問中4問を確実に取るべきでした・・・なのに、ボクは・・・」
「そうだな・・・おまえは、4番を解くことにこだわりすぎて、時間切れ、5番には全く手がつけられなかったってわけだ・・・4番が完答であれば、まだ救われるが、4番の計算は、焦って、ミスだらけ、これでは、いくら時間をかけて解いたって1点にもならんぞ!!」
「は、はい・・・今回はボクの完敗です・・・」
その言葉に、大悟がドヤ顔をのぞかせてニヤリとする。そして、
「シンジみたいな勝ち組の優等生から、完敗ですなんて言われると、オレのS心がくすぐられるぜ・・・こりゃ、一丁、ケツをビシッと叩いてやらんといかんな!!」
と思いながら、
「よし!!つまらん戦略ミスだったな!!約束通り、ケツもみじだ!!そこに立って、机に両手をつくんだ!!」
と、大悟は、木村に、さっき卓が立ってケツを出していた場所を指し示すのだった。
八、はみパン禁止!!硬式テニス部・男子部員は、全員、白ブリーフ着用のこと!!
「あー、もうそろそろ50分だ・・・大悟兄ちゃんとシンジ君、部屋でなにやってんのかなぁ・・・あっ、そっか・・・数学の勉強か・・・でも、なんか気になるなー、大悟兄ちゃんの部屋に二人きりだなんて、ちょっと嫉妬だなー・・・」
木村真司のケツに、大悟の右平手による「もみじスタンプ」が、バチィ〜ン!と押印されようとしていた、まさにその時、同じ敷地内の「離れ」の自室で、山崎卓は、大悟の部屋にいる大悟と木村のことが気になって仕方なかった。
「シンジ君、制服だったけど、ズボンのお尻のあのライン・・・あぁ・・・すごく気になるよー!!」
卓は、自室の窓から、中庭を挟んだ向こう側にみえる大悟の部屋の窓を、時々、チラチラとみつめるのだった。もちろん、「離れ」の卓の部屋からは、大悟の部屋の室内までは見えないし、室内音も聞こえてこなかった。
同じ県立一高の生徒同士だったが、卓と木村は、クラスも部活も別々であり、校内ですれ違った時に、お互い気がつけば挨拶する程度だった。
「よぉ!!すぐる!!久しぶり!!元気!?じゃあな!!」
「あっ、ああ・・・じゃあ、また・・・」
こんな短い、会話にもならない言葉を交わすだけの卓と木村。特に、卓は、さわやかなテニスボーイ優等生の木村から声をかけられるとドギマギしてしまい、まともに挨拶することさえできなかった。そして、ただ、さわやかに去っていく木村の後ろ姿をジッとみつめるだけだった。
卓は、高校になってからの、木村の後ろ姿の変化にすぐに気がつくのだった。
「あれ?!制服のお尻のあのラインは・・・もしかして・・・」
もちろん、卓の予想はズバリ的中だった。
それは高1の一学期、5月・GW明けのある日の体育の着替えの時間だった。
「よぉ!!ショーパンマン!!」
卓は、クラスの前の方から聞こえてきたその声にドキリとする。中一の時を思い出し、それが自分にかけられたからかいの声ではないかと思い、真っ赤な顔になり、下をうつむいたままになってしまう。
「ど、どうして・・・あのことを知っているんだ・・・」
中一の時、卓がクラスメートの男子から「ショーパン君」とからかわれていたこと。それは県立一高では、木村以外、誰も知らないはずの、そして、今は、「世を忍ぶ仮のパンツ」のトランクスをはいている卓にとっては、誰にも知られてはいけないはずの歴史的事実だった。
卓はドキドキして、その声が聞こえてきた方を向くことができないでいると、
「よぉ!!ショーパンマン!!」
「よぉ!!ショーパンマン!!教壇にあがって、声出ししろ!!声出し!!」
そんな声が次々と教室から上がる。そして、ほどなく、教室で着替え中の男子から、「イェ〜〜!!」と拍手が沸き起こる。
その段になって、卓は、やっと、「ショーパンマン」の声が自分に投げかけられたものではないことに気がつくのだった。
そして、教室の前の方に目をやる卓。目に飛び込んできたものは、硬式テニス部の谷山君が、白ブリーフ一丁で、教壇の上に教室の方を向いて立ち、両足は少し広げて、テニスラケットを背中の方にまわし、それを腰あたりにあてるようにして両手で持っている姿だった。
「あっ!テニス部の谷山君・・・ブリーフ・・・なんでだろう?」
卓は、谷山の白ブリーフのフロントをジッとみてしまう。フロント部分には、うす黄色い染みが透けて見えており、普段からはき込んでいるパンツであることがよく観察できた。
谷山といえば、浅黒くテニス焼けした、なかなかのイケメン男子高校生。体育の時間、身長順に並ぶと、卓のすぐ後ろが谷山だった。
「おまえ、1Dの木村と同じ中学だったんだろ?オレ、木村と同じ硬式テニス部なんだ!よろしくな!!」
と、卓に挨拶してくれた。卓にとっては、そんな谷山が、1Aの男子クラスメートの中で一番好印象だった。
黒板の前、教壇上に、恥ずかしげもなく堂々と、白ブリーフ一丁で立った谷山。ブリーフはBVDで、その白ブリーフを内包するように、谷山のへそやや上と、両太腿にクッキリとできた、テニパン日焼けのラインがまぶしかった。
谷山は、ブリーフのフロントを、クラスの前に突き出すように上体を黒板の方に反らせると、
「1A谷山!!ファイト!!ファイトぉ〜〜〜〜〜!!」
と、デカい声を出すのだった。
クラスから、拍手とともに、笑い声の混じった「ファイト!!ファイトぉ〜〜〜〜〜!!」の応答がある。
その応答に、「イェ〜〜!!」とガッツポーズを決めると、ブリーフ一丁、谷山は満足したように教壇を降りて、着替えのため、自分の机の方へ戻るのだった。
それは、硬式テニス部の練習前の「声出し」で、一年生と二年生の男子部員が毎回交代で行う、県立一高・硬式テニス部の伝統だった。
「学年、クラス名、ファイト、ファイトぉ〜〜」が定型で、二番目の「ファイト」は「トぉ〜〜〜」と最後をのばすのがポイントだ。
そして、部員全員から、「ファイト!!ファイトぉ〜〜〜〜〜!!」の応答があれば終わり。もちろん、声が小さいと判断されれば、三年生の先輩から「もとぉ〜〜〜い!!」の声がかかり、何度でもやり直しだ。
卓もそれは知っていた。 時々、テニスコートの方角から、「1D木村!!ファイト!!ファイトぉ〜〜〜〜〜!!」と、木村の声が聞こえてくると、「あっ!シンジ君も声出ししている!!がんばって!!」と思ったものだった。
卓は、机のところにもどった谷山と、谷山の友人たちの会話も聞き逃さなかった。
「おめえら、よく恥ずかしくねーな?ショートパンツの下のブリーフ、スケスケだぜ!!」
「テニス部・男子のショートパンツ、生地が薄すぎ!!」
「恥ずかしいけどよー、伝統なんだから、しゃーねーじゃん!!ブリーフはいてかねぇと、五厘なんだ・・・」
「ブリーフか、五厘か・・・究極の選択だな・・・」
「オレなら五厘の方がいいよ・・・」
「えっ!オレはブリーフにするよ・・・五厘じゃぜってぇー女の子にモテないって!」
「白ブリーフだって気持ち悪がられるだろ!」
卓は会話を聞きながら、「フフフ・・・シンジ君も白ブリーフだったんだ!!いつか見てみたいなぁ・・・シンジ君の白ブリーフ姿・・・」と思い、にやけてしまうのだった。
もちろん、それ以来、卓は、一高・テニスボーイたちをこまめにチェックするようになる。
たしかに、一高・硬式テニス部の男子用ショートパンツは、その頃、流行り始めていたハーフパンツタイプのものだったが、色は白で、生地はかなり薄かった。
「フムフム・・・あれでは、透けて見えるパンツを、みんなに見て下さいって言っているようなものだよね・・・」
と、卓は思った。
もちろん、下にトランクスを穿いても、ハミパンしないほど、テニス部のショートパンツの両腿の部分の長さは十分な余裕があった。
しかし、「神聖な」テニスコートで、男子が白ブリーフを穿くのは「伝統」と、男子部員たちの間では、白ブリーフ穿きが綿々と受け継がれていたのであった。進学校の運動部にも、こんな、ちょっと赤面の伝統がまだまだ残っていた時代であった。
また実用面でも、一度、白ブリーフに戻ってしまうと、白ブリーフを穿いたときのパンツの中での男性自身のおさまり具合、いわゆる「チンポジ」には、白ブリーフ独自のしっかり収納感、包まれ感があり、男子高校生たちを虜にする何かが白ブリーフにはあったのだった。
そんなわけで、
「部活の時、いちいち、穿きかえるのもめんどーだしな・・・まあ、今日は一日中ブリーフでいっか・・・」
と、部活以外でも白ブリーフを常用し始める男子テニス部員たちも多かったのである。
卓にしてみれば、テニス部員たちのブリーフ・ラインは、まさに悩ましいものであった。特に、テニパンのケツにクッキリ浮き出るケツ・ブリーフ・ラインのみならず、フロント部のフロント・ブリーフ・ラインに、新たなるエロスを見出してしまう卓だった。
それは、一学期後半の汗ばむ季節。練習が終わったばかりの男子テニス部員とすれ違うと、汗ばんで彼らの腰からケツ、そして両腿にピタッと張り付くテニパンの前の部分に、ブリーフがクッキリと透けて見えているのである。
「あっ!小島君は、BVDスタンダードだ!!」
「あっ!谷山君は、今日はグンゼYGだね!!フフフ・・・また前の部分に染みこしらえちゃって・・・谷山君のパンツの場合、うちのかあさんが出張して洗濯してあげないとダメかな!!」
「うわぁ!!主将の岡本先輩は、グンゼのセミ・ビキニだ!!」
「えっ!!島田先輩は、高校生なのに、前開きなしのワコール・ブリーフ!?渋すぎるーーー!!」
「うわぁ!!アバクロンビー・アンド・フィッチの白ブリーフだなんて!!日本ではまだまだレアだよね!!さすがテニス部で一番マッチョな河田先輩!!どこで買ったのかなぁ?もしかして、海外旅行のお土産かな?ボクも欲しいなぁ・・・」
と、テニパンにくっきり浮き出る、ブリーフのフロント部分の前開きのラインで、その前開き構造が観察でき、卓にとっては、男子テニス部員たちが、どこのメーカーのどの銘柄のブリーフをはいているか、一目瞭然なのであった。
(モデルの年齢は21歳以上です。)
しかし、なぜか、木村とは、木村がテニパン穿いて汗まみれの時、すれ違ったことがなく、高3の夏休みになるその時まで、まだ木村がどのメーカーの白ブリーフを穿いているのか、卓にとっては、ずっと気になっていたのだった。
< 番外編06 オマケ 懐かしのブリーフネタ2題 > (ケツ叩きシーンはありません。)
九、時代遅れのもみじスタンプ
「よし!シンジ!!今回の特訓ドリルの合格点は80点だが、おまえは、1から3番までの3題のみ正解で60点だ!!よって、今後の奮起を促すため、足りない20点分、ケツに20発のもみじスタンプだ!!」
「えっ!!4番の部分点はないんですか?」
机に両手をついてケツを出しながら、木村は、後ろを振り向いて、ちょっと不満そうに大悟のことを見るのだった。
「甘い!!おまえの答案では、最小値は一応求めてはいるが、計算間違いをしている。さらに、最大値の方は、時間切れで計算にすら手をつけていない。これで部分点などあるわけないだろ!!」
「は、はい・・・」
「いいか!!入試は、中学や高校の定期試験じゃないんだぞ!!大学入試の採点に、努力賞などない!!今回の問題は、高3であれば、誰でも方針はたてられる。あとは、いかに計算を工夫して、ミスなく要領よく解答までたどり着けるかだ!!」
「で、でも、計算量が半端じゃなくて、10分とか20分じゃ無理です!」
「ならば、帝都大はあきらめるんだな!!いいか、今回の特訓ドリルの4番の問題は、高3夏休みの現時点では、いわば捨て問題だが、帝都大の問題の中では、計算量は標準だぞ!!」
「は、はい・・・そ、それは、わかってます・・・」
「よし!!だったら、自分が試験中にした判断ミスとその結果にグズグズ言い訳などせず、ケツもみじ20発、潔く受けるんだな!!」
「はい!!お願いします!!」
木村は、悔しそうに唇をギュッと噛むと、大悟の机の上に両手を突きなおして学生ズボンのケツを後ろに突き出すのだった。
しかし、大悟は、それでは許さなかった。
「なにしてんだ!!ズボンを下ろして、ケツを出せ!!」
「えっ・・・そ、それは・・・ちょ、ちょっと・・・ボ、ボクもう高3ですよ・・・」
「何がそれはちょっとだ!!いいか、帝都大などの難関校の入試は、し烈な戦いだ。まさに受験戦争だ。おまえは今回のドリルでオレに完敗を認めた。勝てば官軍、負ければ賊軍だ!!おまえに、ケツもみじを受けるときの恰好について、とやかく主張する権利はない!!さあ、ズボンを下ろせ!!」
「は、はい・・・」
木村は、真っ赤な顔で、学生ズボンのベルトを緩めようとする。木村の夏用学生黒ズボンのベルトは、オーソドックスな黒のスクールベルトだった。
カチャ!カチャ!カチャ!!
木村真司は、着替えの時などズボンを下ろすとき、いつもやっているように、両手でベルトを緩めようとする。しかし、かなり緊張しているのか、いつもやっているようにベルトを緩めることができない。
「あ、あれ・・・いつもは簡単にはずれるのに・・・な、なんでできないんだ・・・これじゃベルトを緩められないよ・・・」
木村は、なぜか、ベルトを緩めることができずバックルと格闘することになり、焦りに焦りまくってしまう。
「フフフ・・・こいつ、焦りまくってやがる・・・オレから高3にもなってパンツ一丁のケツを叩かれるってことで、気が動転しているな・・・まだまだ精神的に弱いな・・・・まあいい、シンジみたいな優等生にはいい薬になるだろう・・・」
と思いながら、
「コラ!!なにグズグズしてんだ!!ズボンをサッサとおろせ!!」
と、優等生の木村に厳しく命令する大悟。
「は、はい・・・」
カチャ!カチャ!
いつもよりかなり時間がかかり、やっとのことでベルトを緩め、恥ずかしそうに遠慮がちにズボンを下ろす木村だった。
「ったく、ズボン下ろすのに、何分かかっているんだ!!さあ、シャツの裾をめくって、ケツを出せ!!」
と、さらに厳しく命令する大悟。
「は、はい・・・」
真っ赤な顔に悔しさをにじませながらも、素直に、夏の制服開襟シャツの裾をペロリと両手でめくり、再び、大悟の机の上に両手をつく木村。
木村は、覚悟を決めたかのように、いままでよりも股をやや大きく開くと、ケツを後ろにグッと突き出すのだった。
「えっ・・・コイツ・・・白ブリーフはいてやがる・・・」
木村の後ろに突き出されたケツを覆っていたパンツの白綿生地・・・それは、まさしく、白ブリーフのものだった。そして、その腰ゴムのブルーラインと、ケツ・センターの部分の生地がやや厚くなったデザインから、大悟は、それがグンゼYGのスタンダードブリーフ(腰ゴムブルーライン入り)であると見てとるのだった。
「ま、まさか・・・・」
大悟は、卓にやったように、シンジをうしろからやさしくギュッとハグハグし、「心配しなくてもいい、おまえだけじゃねぇーんだぞ・・・」と声をかけてやりたい衝動にかられるのだった。
しかーし、「はいはい、そこのオッサン!勘違いしなーい!!」と言わんばかりに、木村は、間髪を入れずに、
「ト、トランクスだと、テニパンからパンツがはみ出すんです!!だから、県立一高のテニス部では、男子は全員、テニパンの下は白ブリーフなんです!!先生との勉強が終わったら、近くのテニス練習場で、友達と気分転換にテニスやって、一時間くらい汗を流す予定なんです。」
と大悟に聞かれてもいないことをやけに詳しく説明するのだった。
もちろん、一高・硬式テニス部の男子部員は、学校外のテニスコートでも、テニパンと白ブリーフを着用することになっていた。もし、違反がみつかれば、学校外での違反であっても、「五厘」が待っていた。
白ブリーフを穿いていることを大悟に見られてしまい、木村はさらにはずかしそうに顔を赤らめるのだった。
「コイツ・・・白ブリーフのこと、かなり恥ずかしがってるな・・・フフフ。シンジ、なかなか似合ってるぜ・・・よし、一発目は、あのケツ・センターの部分にバチンと強烈なのをお見舞いするか!」
大悟は、木村の白ブリーフのケツを見ながら、そう思うのだった。
「よし!シンジ、一発目いくぞ!!覚悟しろよ!!」
と、大悟が言うが早いか、大悟の平手が、バッチィ〜ン!と、木村のブリーフのケツのド真ん中に炸裂するのだった。
「い、痛い・・・センター剛速球だ・・・」
木村は、ギュッと目をつむり、「痛い」と声に出さないようにグッと我慢する。しかし、ケツの穴から脳天へズゥ〜〜ンと突き抜ける様な衝撃に、木村は、思わず、大悟の右手の方を見るのだった。木村は、大悟が、なにかヘラのようなもので自分のケツを打ったのではと錯覚したのであった。
「どうだ、シンジ・・・オレの平手打ち、パワーアップしているだろう!」
と、いま木村のケツを打ち据えた己の右手のひらをバッと開いて、木村に自慢げにみせつける大悟だった。
「うわぁ・・・手が真っ赤だ・・・」
それはまるでもみじスタンプを押印するための赤インクを手のひらにベットリと塗ったようだった。
「おお、さっき、お前が来る前、すぐるのケツも叩いたからな・・・いつもは、一発叩いたくらいじゃ、こんなに真っ赤にはならねーけどな・・・」
と、大悟は、木村に説明する。
木村は、驚いたように、
「えっ・・・すぐるも、ケツを・・・」
とつぶやくのだった。
「すぐるのことはこの際、どうでもいい!!さあ、二発目だ!!シンジ!!歯を喰いしばれ!!」
「はい!!」
バッチィ〜ン!
・・・・・・・・・
こうして、優等生の木村は、大悟から、もみじスタンプを、みっちりと20発、ケツに押印してもらうのだった。
仕置きが終わり、恥ずかしそうにズボンを上げ、カチャ!カチャ!と、今度は、いつも通りに、ベルトを締める木村。先生の前では、意地でもケツはさするまいと思うのだった。
そして、数学の勉強が再開される。残りの時間は、木村がドツボにはまった4番の解説が中心だった。
木村は、勉強に集中しようとするが、時々、ケツがホカホカと温かいことに気がつき、悔しそうに唇をかみしめるのだった。
そのたびに、木村は、大悟から、ペンで頭を小突かれ、
「コラ!!いつまでも悔しがっているな!!気持ちを切り替えて勉強に集中しろ!!」
と注意を受けるのだった。
そして、予定の2時間を10分ほどオーバーし、勉強が終わる。
木村は、帰り際、
「今日は先生からケツ叩かれて、すごく悔しかったです!!次からは、絶対に合格点取ってみせます!!失礼します!!」
と言って、大悟の部屋から退室するのだった。
大悟は、ちょっとテカった木村の黒ズボンのケツを見送りながら、
「フフフ・・・あいつ、今日は相当悔しかったらしいな・・・かわいい顔して、なかなか負けん気の強いヤツだ・・・まあ、アイツだったら、もう二度と同じミスはしでかさんだろう・・・このまま順調にがんばれば、帝都大も現役で通るだろう・・・。」
と思うのだった。
大悟は思うのだった。たとえどんなに時代遅れと言われようと、パンイチ・ケツもみじ・・・これが男の子の負けん気とガッツを引き出すもっとも効果的な方法であると。もちろん、白ブリーフのパンイチならば、その効果は2倍増だ!!と信じて疑わなかったのである。
十、尻紅(しりくれない)のもみじ較べ
大悟と木村の勉強が始まってからずっと、卓は「離れ」の自室の窓から「母屋」の大悟の部屋の窓をジッと見つめたままだった。
「あーあ・・・大悟兄ちゃんとシンジ君なにやってんだろう・・・ちょっと嫉妬だなぁ・・・」
と、大悟と木村が数学の勉強をしていることは百も承知していながら、卓は、大悟の部屋に二人きりでいる大悟と木村のことが気になってしまうのだった。
そして、勉強終了予定時刻の午後7時をまわっても、木村が「母屋」の玄関からなかなか出てこない段になると、
「もう!!あの二人、許せない!!もう7時5分過ぎなのに!!5分も延長して、大悟兄ちゃんとシンジ君、なにしてんだろう!!もう勉強は終了!!」
と、卓の胸の内には嫉妬の嵐が吹き荒れ始め、もう気が気ではなくなってくるのだった。
もし、卓の部屋と大悟の部屋に内線電話のホットラインが通じていたならば、卓は、ラブホのフロント係のように、
「ちょっとお客さん!!時間過ぎてますよ!!延長ですか?退室ですか?」
と電話を入れていたに違いない。
胸に沸き起こる嫉妬心を抑えきれないまま、卓は、「母屋」の玄関の方をみつめるのだった。
やがて、午後7時10分を過ぎた頃、あたりはまだ少し明るかったので、木村が、大悟との数学の勉強を終えて、母屋の玄関から出てくるのが、卓の部屋の窓からも見ることができた。
「あっ!!シンジ君がやっとでてきた!!もう遅いよ!!遅すぎる!!10分も過ぎてる!!あ、でもシンジ君・・・もう帰っちゃうんだなぁ・・・あーあ・・・今日もシンジ君とぜんぜんお話できなかった・・・」
卓は、さわやかなテニスボーイで優等生の木村の前にでると、いつもドギマギしてしまい、話どころか、挨拶さえまともにできなくなってしまうのだった。
母屋の玄関をでて、中村家の「お屋敷」の表門の方へと向かうはずの木村真司君。しかし、卓の予想に反して、木村は、卓が母親のキミとともに住む「離れ」の玄関の方へ歩いてくるのだった!!
「えっ!?シンジ君・・・なんでこっちに・・・ダ、ダメ・・・ボ、ボクはいま忙しいんだってば・・・」
と、卓は、あわてて自室の窓の陰に身を隠そうとする。
しかし、木村は、すでに、その窓に卓の姿を見つけてしまっていた。
「ったく・・・卓ったら、なんで隠れるんだ?そうか・・・あそこが卓の部屋なんだ・・・」
とつぶやきながら、木村は、卓の部屋の窓のところまで近寄り、窓ガラスをトントンと叩いてくるのだった。しかし、卓は返事をすることができないでいた。
「あら・・・あなた、さっき、大悟さんの部屋で勉強していた・・・あぁ、卓と同じ制服・・・卓と同じ学校の方ね・・・卓に用事なのかしら?」
木村は、後ろから聞こえてきた女性の声に驚いて振り向く。それは、卓の母親のキミだった。
「こ、こんばんは!卓君と同じ学校の木村です。山崎君、いるのかなぁと思って・・・」
と、木村は、キミに挨拶するのだった。
「ええ、卓なら部屋にいると思うけど・・・さあ、こっちへどうぞ・・・卓のお友達なら、遠慮なく入って下さいな。」
と言って、キミは、木村のことを「離れ」の玄関の方へ案内し、家の中に招き入れてしまうのだった。
もちろん、母親・キミと木村のやりとりは、部屋の中にいる卓にも聞こえていた。
「も、もう・・・か、かあさんったら!!ど、どうしよう・・・シンジ君がボクの部屋に入ってきちゃうよー!!」
しかし、卓は、いまさら逃げることも隠れることもできず、ただ部屋の中をウロウロするばかりだった。そして、つい数時間前、大悟兄ちゃんから借りてはいている白ブリーフを、卓にとっての「世を忍ぶ仮のパンツ」であるトランクスにはきかえることも忘れていたのだった。
ほどなく、キミの声が部屋のドアの外から聞こえてくる。
「すぐる、いるの?高校のお友達よ!!」
「は、はい!!い、いま行くから、ちょっと待ってて!!」
そう答えて自室の部屋のドアを開ける卓・・・。
「よぉ!!ひさしぶり!」
ドアの前に立っていたのは木村真司だった。
「あっ・・・ひ、ひさしぶり・・・」
「入っていいか?」
「も、もちろん・・・」
こうして木村は、卓の部屋に入ってきてしまう。そして、卓の部屋をめずらしそうに眺めまわしながら、
「おまえの部屋、結構、広いんだな・・・」
と言うのだった。
「ま、まあ・・・」
と答えたものの、そのあとの言葉が続かない卓。卓は、自分で自分のことがもどかしかった。
「どうして隠れたんだよ?」
「えっ・・・べつに・・・」
「べつにってなんだよ?」
「だって・・・シンジ君が、こっちに来るとは思わなくて・・・ちょっとビックリして・・・」
「あっ!そっか!それもそうだよな・・・驚かして悪かったな。自転車を裏門の方にとめてあるんだ。」
「なんで?」
「オヤジから、中村先生の家の表門の前には、絶対に自転車をとめるなっていわれたんだ・・・一応、オヤジの言うことは聞いておかないとな・・・それでだ。」
「そうだったのか・・・」
そんな中、キミが麦茶を持って卓の部屋に入ってくる。
「まあまあ、二人とも、そんなところに突っ立てないで、座ってゆっくりすれば?」
と言い、持ってきた麦茶の入ったコップを二つ、卓の勉強机の上に置くのだった。
そして、木村に、
「麦茶どうぞ。ゆっくりしていってくださいね。」
とだけ言うと、部屋を出ていくのだった。
「ありがとうございます。いただきます。」
そして、キミが卓の部屋のドアを閉めると、木村は、ちょっと照れくさそうに声をひそめて、
「あのさー、もしかして聞こえた?あの音・・・」
と卓に聞いてくるのだった。
「あの音ってなに?」
と聞き返す卓に、木村は、答える代わりに、
「すぐる、先生からケツ叩かれただろ!!」
と言うのだった。
卓は、その言葉に、ドキッとする。恥ずかしさで、すぐさま顔が紅潮してくるのが、自分でもわかった。
「えっ!なんでそんなこと知ってるの?」
「じつはさー、オレもさー、先生からケツ叩かれちゃってさー・・・そのとき、先生、すぐるのケツも叩いたって言ってたんだ。」
木村のその言葉に、卓は、
「もう大悟兄ちゃんったら、おしゃべりなんだから!!ボクが、お尻叩かれたなんて、言わなくたっていいのにィ!!でも、シンジ君、大悟兄ちゃんからどうやってお尻叩かれたのかな・・・もしかして、ボクみたいに、ブリーフのお尻、バッチィ〜ンってやられたのかなぁ・・・フフフ。」
と思うのだった。
しかし、卓は、恥ずかしくて、木村にその時の状況を聞くことなどできないでいた。すると、木村の方から、
「なんでケツ叩かれたんだ?特訓ドリルで計算ミスしたのか?」
と聞いてくるのだった。
「特訓ドリル?」
「あっ、そっか、おまえは理系だから、教え方が違うんだな・・・きっと・・・オレの場合は、特訓ドリルがあってさー、すげぇプレッシャーなんだけど、つまらないミスすると、ズボンおろして、パンツ一枚のケツ、バチィ〜ンってやられるんだ・・・」
そう言って、恥ずかしそうに頬をうっすらと赤く染める木村。一方、卓は、木村が大悟からケツを叩かれる時の状況を聞いて、心臓がドキドキと鼓動を打つのだった。
「ボ、ボクは、遅刻したから・・・昨日、陸上部の夏錬に参加したんで、ついつい疲れて昼寝してたら、寝坊しちゃって・・・それで、お尻、叩かれたんだ・・・」
「なんだ寝坊してケツ叩かれたのか!ダッセーなぁ・・・」
「えっ・・・」
卓は、木村のその言葉に、「そんなはっきり言うことないじゃん!」とちょっとムッとしてしまうのだった。もちろん、木村は、その空気にすぐに気がつく。
「まあ、オレも、難しい問題に舞い上がっちゃって、高3にもなって、パンツ一枚のケツ、バッチィ〜ンだもんな・・・結構、ダサいよな・・・まあ、ここはお互い、ダサかったっていうことで、なあ、すぐる、オレにケツみせてみろよ!」
「えっ・・・なんで?」
「すぐるは、中一の時、中村先生から、一度も、もみじスタンプされたことないじゃん!!だから、先生の手形がついた、すぐるのケツ、みてみたいよ!!」
それは、まったく下心のない、ノンケ男子の「ケツ見せろ」リクエストであった。卓にもそのことが痛いほどにわかった。 もし、これが逆の立場だったら、卓は、木村に、そんな風に屈託なくケツを見せてとは言えなかったであろう。
「えっ・・・でも・・・恥ずかしいよ・・・」
と、なかなか決心がつかない卓。
「なに恥ずかしがってんだよ!!いいじゃん!男同士だろ!!それにここには、オレとおまえの二人しかいないんだぞ!!」
「・・・・・」
そんな木村のさっぱりとした男らしい「ケツ見せろ」リクエストにも、なかなかジャージとパンツをペロンと下ろそうとしない卓に、木村は、
「 よし!!じゃあ、オレからだ!!オレもおまえにケツみせるから、おまえもオレにケツみせろよ!!絶対だぞ!!」
と言う。
木村は、すぐさま後ろを向き、ベルトのバックルに手をかけて、カチャカチャとベルトを緩めると、黒の学生ズボンと白ブリーフを、ケツのちょうど下あたりまでペロンとおろして、制服の白シャツの裾をペロリとめくり、卓に己のケツを惜しげもなく見せるのだった。
「うわぁ・・・大悟兄ちゃんの手のあとがベットリだ・・・それに、思った通り、シンジ君、白ブリーフだね!!グンゼYGのスタンダードブリーフ(腰ゴムブルーライン入り)なんだー、知らなかった!!でも、大悟兄ちゃんもシンジ君の白ブリーフみたんだ・・・ボクよりも先にみるなんて!!なんか嫉妬だなぁ。」
と、卓は思う。同時に、木村のテニスで鍛えたプリッと引き締まったケツを、人差し指でツンツンとしたい衝動を、必死で抑えるのだった。
「どうだ?20発叩かれたんだぜ!!先生の手形ついてるか?」
「う、うん・・・結構、クッキリついてる・・・」
「やっべぇー、今夜、これからさー、3Eの鈴木と一緒に軽くテニスで汗流すんだけど、シャワーは家に帰ってからにしよう!その方がいいよな!?すぐるもそう思うだろ?」
「う、うん、そう思う・・・鈴木君からダッセーって言われちゃうよね・・・きっと・・・」
「あいつ、口悪いからな・・・絶対、ヤバいよな・・・よし!シャワーは家に帰ってからだ・・・」
そう言うと、木村は、パンツとズボンを上げて、再び、ベルトのバックルをカチャカチャならして、ベルトを締めるのだった。
「さあ、すぐるの番だぞ!!グズグズしてないで、ケツ見せろ!!」
と、木村は、再び、卓に「ケツ見せろ」リクエストをしてくるのだった。
こうなってはもう見せるしかないと決心をしたのか、卓も、ようやく後ろを向くと、ジャージと大悟から借りて穿いていた白ブリーフを、ケツの下あたりまで、遠慮がちに下ろすのだった。
「おぉ〜〜、スッゲェー、バッチリ、ついてる、ついてる・・・手形が両側のケツにくっきりだ!!すぐるは、先生から何発やられたんだ?」
と、木村は、卓のケツについた「もみじスタンプ」に講評を加え、聞いてくるのだった。
そして、「14発・・・」と答える卓に、木村は、「オレの勝ちだな!!」とガッツポーズを決めるのだった。
そんな木村のリアクションに、ケツ丸出しの卓は、恥ずかしくて、けれども、なぜか、とってもうれしくて、「やったー!!」と叫びたいほどだった。
さらに、木村は、卓の白ブリーフをみて、
「あっ、おまえも白ブリーフなのか・・・中一の時、あんなにからかわれたのに、まだはき続けてるなんて、すごいよ・・・すぐるは、信念の男だな!!マジで尊敬するよ!!」
と言ってくるのだった。
木村から、「信念の男」と呼ばれて、卓は、「世を忍ぶ仮のパンツ」であるトランクスに転向してしまった自分のことを、少しうしろめたく思うのだった・・・。
木村にケツを見せ終わり、パンツとジャージをあげ、木村の方を向き直る卓。木村は、卓の肩に右手をおき、卓の目をジッと見つめながら、
「 次からは、絶対に、先生からケツを叩かれないようにお互いがんばろうな!!」
と言うのだった。
「う、うん!!もちろん!!」
と、それに応える卓。
木村は、そんな卓の反応に満足したようにうなずくと、時計をチラッと見て、
「あっ、やっべぇー、もういかないと、鈴木との約束に遅刻だ・・・」
と言う。そして、キミが出してくれた麦茶をゴクゴクと飲み干すのだった。
卓は、麦茶をゴクゴクと飲むときの、木村の「ノドボトケ」の動きに、男らしさとエロスを感じてしまい、思わずうっとりと、木村のことを見つめてしまう。
しかし、木村の、
「じゃあ、オレ帰るから!!また寄っていいか?」
との言葉に、思わずハッと現実に引き戻され、卓は、あわてて、
「あっ、ああ、もちろん!!」
と返答するのだった。
木村は、卓のその返答に安心したような表情を浮かべ、
「じゃあな!!」
とだけ言うと、卓を部屋に残して、帰っていくのだった。
そんな木村の後姿をうっとりと見つめてしまう卓。「玄関まで行って、見送らないと・・・」とは思っても、体がなぜか動かなかった。部屋の外で、「麦茶、ごちそうさまでした!失礼します!」と、木村がキミに挨拶している声が聞こえる・・・。
「あっ、ボクも玄関まで行かないと・・・。」
あわてて部屋を出て、玄関の方へ行く卓。しかし、そこにいたのは、母親のキミだけだった。
「あんた、なにしてんの・・・木村君なら、もう帰っちゃったわよ。」
「そんなのわかってるよ・・・シンジ君、待って・・・」
卓は、あわてて「離れ」の玄関を出て、裏門へと急ぐ。そして、裏門をくぐり、道に出てみる。しかし、すでに木村はそこにもおらず、卓は、自転車に乗った木村の後ろ姿を、街灯に照らされた道のはるか向こうに、やっと見つけるのだった。
「シンジ君!!また来てね!!」
そうつぶやきながら、木村の後姿が夜のとばりに消えて見えなくなるまで、卓は、木村のことを見送るのであった。
その日以来、卓は、あの悩ましい夢を見て、夢の中でパンツの中を生温かく濡らしてしまうことはなくなった。
もちろん、卓も、木村も、それ以降、大悟からケツを叩かれることはなく、翌年の春には、それぞれ第一志望の大学に、見事、現役合格を果たすのであった。
十一、禁断の反省会 2013
「先生・・・中間テストの採点が終わりました・・・。」
5月も下旬になろうとする頃。市立第三中学校の職員室。2年A組担任で、数学担当教諭の山崎卓が、教頭の中村大悟に、2年A組の数学の採点済み答案と、2年生全体の集計済み平均点表を見せるのだった。
48歳になる中村教頭だったが、白のポロシャツを着こみ、浅黒く日焼けした逞しい腕は、さすが学生時代にラグビーで鍛えただけあって、40代後半にしてはなかなか立派なものであった。
中村教頭は、卓が手渡した答案と平均点表にザッと目を通す。そして、顔をあげると、真っ赤な顔で下をうつむいたまま、自分の机の前に立っている卓のことを、ギロリと睨むのだった。
すでに一時間目の授業は始まっており、その時間、たまたま受け持ちクラスがなかった、卓と教頭の大悟しか、職員室にはいなかった。
もう30過ぎの卓は、まるで中学生が先生からの叱責を待つかのように、不安そうな面持ちで、中村教頭の机の前にモジモジと立っているのだった。
高校時代、陸上部で鍛えた卓の下半身は、なかなかこれでムッチリとしており、かなりピッチリ目の「もてスリム」スーツのケツには、卓が愛用している白ブリーフのラインがクッキリと浮かびあがっていた。
教師になって早10年。授業の時はいつも、自分のスラックスのケツに浮き出るブリーフラインを、教室で授業を受ける生徒たち、特に男子生徒たちに、これでもかと見せつけるようにして、やや腰を落とし、ケツを後ろにプリッと突出しつつ、板書きしてきたのだが、「先生のケツのブリーフライン、エロいッス!!」と言ってきてくれる「お仲間さん」の男子生徒は、いままでのところ一人もいなかった・・・。
「うむ・・・よし・・・反省会は、土曜日の夜9時から、俺の部屋で行う!!遅刻はするなよ!!」
「は、はい・・・パ、パンツ一枚ですか・・・」
「バカもん!!学校でくだらんことを聞くな!!反省会の時は、白ブリーフ一丁で俺の部屋に来い!!といつも言っているだろうが!!」
「は、はい・・・や、やっぱり・・・そうでしたよね・・・」
「あたりまえだ!!さあ、わかったら、早く自分の机に戻って、次の時間の予習でもしてろ!」
「は、はい・・・」
もちろん、卓もそのことは百も承知していた。しかし、卓にしてみれば、大悟兄ちゃんの口から、直接、「反省会には白ブリーフ一丁でオレの部屋に来い!!」と言ってほしかったのだ!!
「でないと、興奮できないんだも〜〜ん!!やっぱ、大悟兄ちゃんは、いつまでもやさしくて、でも、ちょっと怖くて、そして、ちょっとエロくないとね!!」
と思いつつ、卓は、自分のスラックスの股間の盛り上がりを隠すこともせず、自分の机のところへと戻るのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土曜日の夜。卓の母親のキミと大悟の両親は、帝国劇場へミュージカル「レ・ミゼラブル」の観劇に出かけており、中村家の広い邸宅には、大悟と卓の二人だけだった。
すでに、卓の母親キミは、中村家の住み込み家政婦を引退しており、その退職金代わりに、キミの残りの人生、中村家の「離れ」に住み続けてもよいことを、大悟の父親から認められていた。
キミにしてみれば、卓もやがては結婚し、独立するだろうと思っていた。しかし、息子は、教職にはついたものの、30歳過ぎても、一向に、結婚する気配も見せず、中村家の「離れ」に住み続けていたのだった!!
それはまるで、結婚もせず、いつまでも「母屋」に住み続けている大悟に歩調をあわせているかのようにも思われた。
しかし、キミも、大悟の両親も、「まったくうちの息子たちは、いつまでたっても結婚しないで、何を考えているのやら・・・」と思いつつ、そのことに関しては、「言わざる聞かざる」で、深くは触れないままだった・・・。
さて、そんな卓と大悟しかいない中村家の邸宅。午後8時55分をまわろうとしていた。
「あ〜、すごい緊張しちゃうよ〜、誰かに見つかったらどうしよう・・・でも、早くしないと、反省会に遅刻して大悟兄ちゃんから怒られちゃうよ・・・。」
「反省会の時は、白ブリーフ一丁で俺の部屋に来い!!」との大悟の命令通り、卓は、白ブリーフ一丁で、「離れ」の自室から「母屋」2階の大悟の部屋まで行かなければならなかったのだ。
「離れ」にも「母屋」にも自分と大悟以外誰もいないことがわかってはいても、白ブリーフ一丁で「離れ」の自室を出るときに、卓が感じる緊張は、いつも半端ではなく、卓の心臓は、まるで喉から飛び出るのでは思われるほど、高鳴ってしまうのだった。
もちろん、家には、自分と大悟以外、誰もいない・・・けれど、誰かが予想外に早く帰ってきて、自分の白ブリーフ一丁の姿を見られてしまったら・・・。そう考えただけで、卓の白ブリーフの股間は、異様に盛り上がり、元気にテントを張ってしまうのだった。
「よし!!行くぞ!!」
そう心に決めてゴクリと生唾を呑み込み、自室のドアをあけて廊下に飛び出す!!
「神様・・・お願い・・・誰にも会いませんように・・・」
とつぶやきながら、グンゼYGスタンダード(白)一丁で決めた卓は、小走りに、離れの玄関の方へと向かい、中庭へと出るのだった。
中庭に出てきたパンツ一丁の卓の姿を、大悟は、母屋の2階の自室の窓を少しだけ開けて、見下ろしている。
「フフフ・・・あいつ走ってきやがる・・・よしよし、俺の言いつけ通り、パンツ一丁だな・・・それにしても、暗くても、白ブリーフっつうのは、結構、目立って見えるもんだな・・・まるでパンツに蛍光塗料を塗ったみたいだぜ・・・フフフ」
もちろん、30歳過ぎても、卓のパンツは、母親キミが使う「ブリーフ・ブリーチャー」で、真っ白、純白に漂白され、暗闇でも輝く白色になるまで、徹底的に清潔に洗濯されていたのだった!!
壁に囲まれた家の中とは違い、中庭でのパンツ一丁の解放感は、卓の羞恥心をさらに刺激するのだった。それは、反省会前に、ドSの大悟が、ドMの卓にいつも与える羞恥責めの試練だったのだ。
「うわぁ・・・恥ずかしいよ・・・向こうのマンションの部屋の人に見られてるかも・・・外を歩いている人に見られたらどうしよう!!」
と、卓は、パンツの股間の前を両手で隠しながら、ダッシュで中庭を横切り、「母屋」の勝手口の方へ急ぐのだった。
昔は、まわりに平屋建ての民家が多かった中村家の邸宅も、いつしか、マンションに囲まれるようになり、まわりのマンションの新しい住人からは、「古いけど立派なお屋敷」と呼ばれるようになっていた。
そんな「古いけど立派なお屋敷」の中庭を、パンツ一丁、股間を両手で恥ずかしそうに隠しながらダッシュする卓。そんな卓の「かわいらしい」姿を、自室からニヤニヤして眺め下ろす大悟。
「ハハハ・・・アイツ、両手でパンツの前、隠してやがる・・・誰もみてねぇんだから、隠しても意味ねぇだろが・・・アイツ、かなり恥ずかしがってるな・・・フフフ・・・まあ、そういうところが、アイツのかわいいところだがな・・・よし!オレも準備するか!!」
そう言うと、大悟は、室内着であるアディダス・ジャージの上下と、白のランニングシャツを脱ぎ捨て、卓と同じく、白ブリーフ一丁になるのだった。白ブリーフは、卓とお揃いのグンゼYGスタンダード(白)だった。
「もう!!すごく恥ずかしいよ・・・早くお家の中に入りたいよ!!」
卓は、穿いている白ブリーフの腰ゴムのところにちょこんとかけて持ってきた鍵で、「母屋」の「勝手口」の錠をあわててあけて、「母屋」に飛び込むようにしてあがり、そして、階段をダッシュであがり、午後8時59分30秒、パンツ一丁、大悟の部屋のドアの前に立ち、ドアをトントンとノックし、「卓です!!」と、部屋の中の大悟に自分が来たことを知らせるのだった。
部屋の中からは、いつものように、「よし!!卓か!!入っていいぞ!!」と、大悟兄ちゃんの入室許可の声が返ってくるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うわぁ・・・大悟兄ちゃん、もうパンツ一丁だ・・・大悟兄ちゃん、今夜の反省会、なんかもう気合十分だな・・・」
大悟の部屋に入り、パンツ一丁の大悟の姿を見つめながら、そう思う卓。何気にパンツの前を両手で隠しながら、大悟の机の前に立っていた。
「よし!!卓!!こっちへ来て、俺の膝の上でケツを出すんだ!!」
いつも通りの大悟兄ちゃんの命令に、卓は、覚悟を決めたようにコクリと頷くと、椅子に座った大悟の逞しい太股の上に、自分のブリーフ一丁のケツを乗せるようにして屈むのであった。
卓は、大悟のラグビーで鍛えた男の堅くて太い両ももを、自分の太股と股間に感じながら、両手と両足を床にしっかりとつくのだった。
大悟は、卓を膝上にのせると、上体をややかがめて両腕をのばし、机に置いてあった「平成25年度第一学期・中間考査・中2クラス別平均点表」をとり、その表をみながら、
「数学の平均点は、A組63点、B組67点、C組69点・・・・なんだおまえ担当のクラスが、また平均点最下位じゃないか!!」
と言うが早いか、いきなり、
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
と、自分の膝上にのった白ブリーフ一丁の卓のケツを、右ケツペタ、左ケツペタと、右手のひらで思い切り2発連続で叩きのめすのだった!!
「いっ、痛い・・・!!」
と、ケツに感じた熱い衝撃に、卓は、思わず声をもらすのだった。
中二の数学担当は、クラス毎に教師が違っていた。A組は卓の担当。B組は新人の岸本先生。そして、C組はベテランの伊藤先生だった。
「なんでお前のクラスが平均点・最下位なのか言ってみろ!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっ、いっ痛い・・・は、はい・・・ボクの教え方が下手だからです・・・」
「よし!わかってるじゃないか・・・新人の岸本先生にも負けているぞ!!悔しくないのか!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっ、いっ痛い・・・は、はい・・・悔しいです・・・」
「よし!!だったら、もっと教え方を研究するんだ!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっ、いっ痛い・・・は、はい・・・精進します!!」
「よし!!じゃあ、個別に答案を見ていくか・・・まずは・・・」
そう言いながら、大悟は、ブリーフ一丁でケツを出す卓のことを、膝上に抱きながら、上体を屈め、両手を机の方へ伸ばし、2年A組の採点済み答案を自分の方へ持ってくるのだった。
そして、一番上にある答案に目を通すのだった。
「秋本総和・・・なんて読むんだこの名前は・・・そうわ君か?」
「い、いえ、しぐま君です。父親が帝都大学・理学部・数学科の教授です。」
「なに!!しぐまだと!!なんだこの名前は!!名前からしてけしからん!!しかもオヤジが数学科の教授だと!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっ、いっ痛い・・・今のはお尻の真ん中に・・・は、はい・・・いま流行りのキラキラネームっていうヤツです。」
「ふん!そんなことはどうでもいい!!しかし、しぐま君は、オヤジには似なかったようだな・・・56点とは、かなり情けない・・・特に、単項式の除法の理解が今一つのようだ・・・」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっあぁ、いっ痛い・・・そ、そこは、さっき思い切り叩かれた場所・・・は、はい・・・すいません・・・単項式の除法のところは、中間試験直前で、結構、端折ってしまいました・・・・」
「バカもん!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっあぁ、いっ痛い・・・す、すいません!!」
「単項式の除法のところは、中2数学・数量分野で、連立方程式と並ぶ最重要項目だぞ!!そこを端折るとはなにごとか!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっあぁ、いっ痛い・・・み、右のお尻を連続して・・・は、はい・・・すいません・・・」
「いいか!!いつも言っているだろう!!さほど重要でないところは適当に端折り、重要なところはゆっくりと丁寧に授業を進める!!おまえは、その緩急のつけ方が、昔からへたくそなんだ!!だから最後になって、試験期日にあわせようとして、重要なところまで飛ばしてしまうんだ!!わかってるのか!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっあぁ、いっ痛い・・・!!は、はい・・・」
「よし!!次いくぞ・・・秋山七音・・・なんだこの名前は・・・ななねちゃんか?」
「い、いえ・・・どれみちゃんです・・・これもキラキラネームですね。秋本君と秋山さんは、ボクのクラスでもピカイチのキラキラネームコンビなんですよ!!」
「ったく、なにがキラキラネームだ!!こういう日本人ともつかない名前をみているとこっちの頭がクラクラしてくる!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっあぁ、いっ痛い・・・今のはお尻のど真ん中にドス〜ンと響いて、ボクの頭もクラクラきてます・・・」
「そんなことどうでもいい!!どれどれ・・・どれみちゃんの答案をみるとするか・・・」
「プッ・・・フフフ。」
「何がおかしい!!か、勘違いするなよ!!い、いまのはオヤジ・ギャグではないぞ!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・そういうとこで、ボクのお尻を叩かなくても・・・」
「うるさい!!そういうところでグズグズいうな!!よし!どれみちゃんの答案にいくぞ!!出来はどうかな・・・うん・・・86点か・・・かなりいい線いっているぞ・・・しかし、この子は、計算ミスが多いなぁ・・・間違ったところのほとんどが計算ミスだ・・・そういえば、オレがかなり前にお前に教えてやった計算ミスを減らすための計算用紙の使い方を、生徒たちに教えてやったのか?」
「い、いえ・・・まだです・・・すいません・・・」
「バカもん!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「い、痛い・・・」
「いいか!!まだ教えていないのならば、早速、来週にでも教えてあげなさい!!あれで、生徒たちの計算ミスはかなり減るはずだ!!まさか、おまえ、俺が教えてやったことを忘れたんじゃあるまいな!?」
「い、いえ・・・おぼえてますよ・・・忘れるはずないです・・・大学生の時、大悟兄ちゃんからパンツ一枚のお尻をたっぷり叩かれながら、叩き込まれたんですから・・・」
「バカもん!!反省会では、大悟兄ちゃんではなく、教頭先生と呼ぶんだ!!何度言ったらわかるんだ!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・・は、はい・・・教頭先生、すいません・・・」
「おまえはすいませんが多すぎる!!すいませんで済むんだったら、反省会などいらんのだ!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・・は、はい・・・わかりました・・・反省してます・・・・きょ、教頭先生・・・」
「よし!!では次の答案に行くぞ・・・次は・・・井上健太君か!!うん!!なかなかいい名前だ!!こういう日本人の男の子らしい名前に出会うとホッとするな・・・しかし・・・う〜〜ん、この点数はいかんぞ・・・15点とは・・・健太君は、一学期前半の内容をほとんど理解していないようだ・・・」
「は、はい・・・井上君は、野球部で、朝練でつかれているのか、ボクの授業ではいつも深い眠りについています・・・」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・・いきなり叩かなくても・・・・心の準備が・・・」
「バカもん!!オレの膝の上で、心の準備などいらん!!ケツの準備だけしとけ!!ケツを天井にむけてしっかり突き出しておけばいいんだ!!それから、井上君がおまえの授業中、いつも深い眠りに落ちてしまうのは、朝練で疲れているからではない!!お前の授業がつまらないからだ!!」
「は、はい・・・・」
大悟のその言葉が、卓の心にグサリと刺さり、今度はケツではなく、心が痛かった・・・。そして、大悟も「しまった・・・チト、言い過ぎたか・・・」と思ったのか、今度は、自分の膝上に突き出された卓のブリーフ一丁のケツを右手のひらで撫でながら、
「いいか・・・こういう時はだな・・・中学生の男子が興味を持つような、彼らがどんな深い眠りについていてもパッと目が覚めるような、ちょっとエッチな話をするんだ・・・ただし、ここが重要だぞ!!よく聞けよ!!数学と全く関係のない話ではダメだぞ・・・数学と関係がある、ちょっとエッチな話をするんだ・・・」
と、いままでとは打って変わって、卓にやさしくアドバイスするのだった。
「は、はい・・・でも、どんな話をすればいいんでしょうか?」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い!!」
「バカもん!!痛くてあたりまえだ!!それを考えるのが、お前の仕事だろうが!!おまえは、何年教師をやっているんだ!!」
「は、はい・・・すいません・・・」
「で、どうなんだ・・・どんな話がいいと思うんだ?お前の考えをいいなさい!!」
「は、はい・・・あっ!そうだ!!ペニスケースの話なんかどうでしょう?」
「おお、ペニスケースか!!これは、おまえにしてはいい線いっているぞ!!」
「はい!!ありがとうございます!!」
「で、どうやって数学と関連づけるんだ?」
「そうですね〜。ペニスケースの体積を求めるってのはどうでしょう?」
「おお、これはおまえにしては上出来・・・」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・また、いきなり叩かなくても・・・」
「バカもん!!ペニスケースの求積問題は、積分が必要になる!!中学生では無理だ!!しかも、アソコの反り具合で場合分けが必要になり、角度によっては、かなり高度な積分も必要になるぞ!!高校生でも無理だろうが!!最近のおバカな大学生にもできんぞ!!」
「い、いえ・・・ペニスケースを円錐形で近似して考えれば、中学生でも求められると思います・・・」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・な、なにがダメなんですか・・・」
「却下!!絶対に却下だ!!男の大切な部分をやさしく包み込む、あのペニスケースを、円錐形に近似するなど、円周率を3で近似するするのと同じくらい愚かしいことだ!!そういう単純化ばかりをやっているから、日本人の数学力が年々低下し、インド人に越されてしまうんだ!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ、痛い・・・じゃ、じゃあ、こうやれば求められます!!ペニスケースに水を満たし、その満たした水をメスシリンダーに移し替えて測定すれば、容積ですが、わかります!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「バカもん!!数学は理科の実験でない!!数式と計算でエレガントに解くのが数学だ!!数学の教師のくせにそんなこともわからんのか!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「あっあぁ!!痛い!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
「よし!次だ、次は・・・木村条文・・・うん?じょうぶん?なんだこの名前は、なんて読むんだ?また例のクラクラネームか?」
「えだふみ君ですね!キラキラネーム以外では、2A一番の難読ネームです!」
「クラクラネームも困るが、こういう嫌味なほどに難しい読みの名前を子供につける親の顔をみてみたいもんだ!!まったく!!」
「大悟兄ちゃん、もう知ってますよ!!えだふみ君のおとうさんも、おかあさんも!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「大悟兄ちゃんではない!!教頭先生と呼べ!!」
「いっ、痛い・・・す、すいません・・・教頭先生・・・」
「知っているってどういう意味だ!!」
「シンジ君ですよ!!えだふみ君のおとうさんは、木村シンジ君なんですよ!!」
「なに!!木村って、おまえの同級生で、帝都大・法学部に現役合格した、あの木村真司のことか!!弁護士になったってことは知ってたがな・・・」
「そうです!!」
「でも、おかしいぞ。アイツはおまえと同じ年だろう。もう中学生の子供がいるのか?」
「はい!シンジ君は、学生結婚したんですよ!!」
「なに!!学生結婚だと!!アイツ、優等生のくせして、なかなかやることは早いな・・・」
「フフフ・・・奥さんは、6歳年上の看護師さんなんです。真司君が、大学2年生の時、虫垂炎で帝都大の附属病院に緊急入院した時、担当の看護師さんだったらしいんです。それがきっかけでつきあい始めて、プロポーズしてきたのは、奥さんの方かららしいですよ!!」
「なんだ・・・そうだったのか・・・アイツ、なかなかイケメンだからな・・・それにしても、帝都大の男は、年上の女に弱いっていう噂だが、あれは本当らしいな・・・。で、えだふみ君のおかあさんってのは?」
「校医の黒坂先生のところの看護師さんですよ!!身体検査とか予防注射の時、黒坂先生と一緒に来るじゃないですか!」
「あっ!あの怖そうなおばさんか!!」
「おばさんなんて言ったら、失礼ですよ!!シンジ君の奥さんなんですから!!」
「あの女はヤバいぞ・・・シンジは、きっと、尻に敷かれてるな・・・」(しみじみ)
「そうかもしれませんね〜」(しみじみ)
「でも、おまえ、シンジのこと、やけに詳しいな?」
「フフフ・・・実は、ボク、シンジ君の結婚式に招待されたんです!!」
「そうか・・・いや、ちょっと待てよ!!おまえが招待されて、なんで俺は招待されなかったんだ?数学のことでは、アイツの面倒を結構みてやったつもりだがな・・・」
「フフフ・・・教頭先生のこと招待すると、もみじスタンプのこと、奥さんの前で、暴露されちゃって恥ずかしいからですよ!!」
「なに!!そんなの男だったら、恥ずかしがることじゃねーだろ!!中学時代の懐かしくて楽しい思い出の一つだろが!!」
「違いますよ!!お尻を叩かれた方にしてみれば、痛くて恥ずかしい思い出なんです!!そういえば、この前の中学同窓会の時、野球部の山本大輔君が言ってましたよ!!教頭先生のこと結婚式に呼んだら、挨拶で、もみじスタンプのこと暴露されちゃって、超恥ずかしかったって!!」
「ワハハハ!!大輔のヤツ、そんなこと言ってたか!!アイツの場合は、暴露されて当たり前だ!!大輔のヤツは、オレの宿題を一度だってまともにやってきたことなかったんだからな!!おまえだって覚えてるだろ!!中一の数学の時間、毎回、アイツは俺からもみじスタンプをケツに食らってたんだぞ!!」
「でも、ダメなんです!!結婚式で暴露しちゃ!!それを予想してたから、シンジ君は、教頭先生のこと、結婚式によばなかったんですよ!!きっと。」
「そうかな〜。まあ、いい・・・で、アイツ、息子が三中に通っているってことは、近くに住んでいるのか?」
「ええ、学校の裏ですよ。黒坂内科クリニックの隣が、シンジ君の弁護士事務所兼自宅なんです!!」
「なんだ・・・黒坂先生のお隣さんか・・・えっ!!けしからん!!そんな近くに住んでいて、俺のところに、挨拶にもこねぇなんて!!一度くらいオレのところへ挨拶に来い!!って、今度会ったら、おまえから言っておけ!!挨拶が遅い!!って、久々に、ケツの一つでもバッチィ〜〜ンってやってやる!!」
「ダメです!!」
「なんでダメなんだよ?」
「えっ・・・なんでって、ダメなものはダメなんです!!」
「あっ、もしかして、おまえ、妬いてんだろ?オレとシンジが、オレの部屋で二人きりで会うことを!!」
「ち、違いますよ!!もう、そんなことどうでもいいですから、早く、えだふみ君の答案を見てくださいよ!!」
「フフフ・・・わかった、わかった・・・それでは、えだふみ君の答案を・・・おお、満点じゃねぇーか!!さすが、シンジの息子だな!!」
「エヘヘ、えだふみ君は、我が2Aのエースです!!男子学級委員もしてるんですよ!!」
「おお、そこもオヤジと同じか・・・まさか、部活もオヤジと同じテニス部か?」
「いや〜、そこは違いますね〜。えだふみ君は、吹奏楽部で、打楽器担当です!!」
「おお、パーカッショニストか!!」
「ええ、えだふみ君が、バスドラムの練習中、歯を喰いしばって一生懸命にやっている時の表情って、なんかシンジ君そっくりで、惚れ惚れしちゃうんですよね〜。」
「あっ!!まさか、おまえ、あの撥(ばち)みたいなヤツで、シンジの息子から、ケツ叩いてほしい!!なんて思って、みてるんじゃないだろうな!!このドM野郎が!!」
「そ、そんなこと考えたことありませんよ!!それから、あの撥みたいなのは、マレットって言うんです!!」
「ワハハハ・・・わかった、わかった、そうむきになるな!!やっぱり、おまえのケツは、俺が叩かないとな!!」
バチィ〜ン!!バチィ〜ン!!
「いっ!!痛い!!なんで叩くんですか!!えだふみ君は、満点だったじゃないですか!!」
「ワハハハ!!今のは、シンジがオレのところに挨拶に来なかった分だ!!」
「え〜〜〜!!もう!!教頭先生ったら!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
という具合で、結局、このあと、卓は、大悟の膝上で、200発以上、白ブリーフ一丁のケツをたっぷりと平手打ちされる。
そして、2年A組の答案すべてについて反省し、今後の授業方針について検討し終わった後は、大悟の命令で、卓は、白ブリーフを膝までおろし、大悟の部屋の隅で、真っ赤なケツを晒し、反省のコーナータイムで、深夜まで過ごすことになるのだった。
もちろん、大悟は、卓に、
「30才過ぎたら、男もケツ筋が落ちてくるからな!!コーナータイムも無駄に過ごすな!!ヒンドゥースクワット100回だ!!」
との命令を追加することも忘れなかった。
生徒の成績が悪いのは先生の教え方が悪い!と教頭先生からケツを叩かれる反省会・・・。そして、真っ赤なケツを後ろにさらして、ヒンドゥースクワット100回しつつのコーナータイム。それは、正座でさえも体罰と非難を受けてしまう、そんな2013年日本を生き抜かなければならない数学教師・山崎卓と中村大悟、二人の禁断の風景であった。
おわり